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《花火写真家が解説》全国の注目花火大会の見どころ&スケジュールを一挙紹介!「打ち上げ数約4万発の日本最大規模大会」「25分間に2万発あがる大会」他

写真は利根川大花火大会(今年は9月13日開催)(c)Daisuke Uematsu
写真は利根川大花火大会(今年は9月13日開催)(c)Daisuke Uematsu
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丸く大きく広がる、色が二重三重に変わる、大玉の後小玉が一気に開く――。多種多様な日本の花火は「世界一の芸術品」と評されるほど。そこで、ハナビスト・冴木一馬さんと風景写真家・Daisuke Uematsuさんといった花火写真家が撮影した進化し続けるHANABIとともに、全国の注目大会をスケジュールとともに紹介する。また、撮りたくなる「スマホでの撮影ガイド」も。

十勝の夏の風物詩!国内最高レベルの音楽花火が楽しめる 北海道「第73回勝毎花火大会」

北海道「第73回勝毎花火大会」8月13日開催

「北海道・第73回勝毎花火大会」
(c)ハナビスト・冴木一馬
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「花火に音楽やレーザー、映像などの演出を加えた“花火ショー”を日本で最初に導入したのはここ勝毎。国内トップクラスの人気とエンタメ性を誇ります。

またこの写真の下部、斜めに打ち上がっているのはイタリアの花火ですが、スペイン、アメリカなど世界中の花火が打ち上げられるのも特徴です」(冴木さん・以下同)

凄腕花火師たちの最新作をいち早く!岩手県「盛岡花火の祭典」

岩手県「盛岡花火の祭典」8月11日開催

岩手県「盛岡花火の祭典」(c)ハナビスト・冴木一馬
(c)ハナビスト・冴木一馬
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「盛岡花火を手がけるのは日本三大花火大会“大曲の花火”(8月30日開催)の花火師たち。大曲と同じ花火を使っていても構成が違えばまったくの別物で新作も披露されるので、マニアも注目する人気の大会です」

圧倒的近さで見る大迫力を!山形県「第32回赤川花火大会」

山形県「第32回赤川花火大会」8月16日開催

山形県「第32回赤川花火大会」8月16日開催(c)ハナビスト・冴木一馬
(c)ハナビスト・冴木一馬
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「全国15か所で開催されている花火競技大会のひとつ。国内有数の花火師たちが技量を競い合い、その年の最高級の花火が見られる、競技大会ならではの魅力があります。しかも赤川は条例の関係で打ち上げ場所と観客席との距離が圧倒的に近いのが特徴。感動的な迫力です」

日本最大級・3万発がきらめく夏の祭典!茨城県「利根川大花火大会」

茨城県「利根川大花火大会」9月13日開催

茨城県「利根川大花火大会」(c)Daisuke Uematsu
(c)Daisuke Uematsu
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「下段、中段、上段とそれぞれバランスが整っているうえ、打ち上げごとの統一感も素晴らしい、とてもフォトジェニックな花火大会。会場から少し離れた場所で美しさと迫力が両立した花火が撮影できました。有料席はさらに大迫力の花火が見られます」(Uematsuさん)

花火発祥の地で夏空を彩り続けて…東京都「隅田川花火大会」

東京都「隅田川花火大会」 7月26日開催

東京都「隅田川花火大会」 (c)ハナビスト・冴木一馬
(c)ハナビスト・冴木一馬
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「享保18(1733)年に隅田川で打ち上げられたのが日本の花火の始まりとされているほど、由緒深い大会です。

江戸時代に二大花火師の『玉屋』と『鍵屋』が上流と下流から競って打ち上げたように、いまなお『丸玉屋』さんと『ホソヤ』さんの2社が2つの会場で腕を競い合うスタイル。江戸の情緒を体感できます」(冴木さん)

25分間に2万発をギュッと濃縮!神奈川県「みなとみらいスマートフェスティバル2025」

神奈川県「みなとみらいスマートフェスティバル2025」 8月4日開催

神奈川県「みなとみらいスマートフェスティバル2025」 (c)Daisuke Uematsu
(c)Daisuke Uematsu
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「ホテルと観覧車を入れて撮る構図は超人気なので、場所取りが命。さらに打ち上げは約25分間しかなく、集中して撮り続けるしかありません。初心者には少しハードル高めですが、撮れたときの喜びはひとしおです」(Uematsuさん、以下同)

艶やかな彩色千輪が夜空一面覆い尽くす!新潟県「長岡まつり大花火大会」

新潟県「長岡まつり大花火大会」8月2・3日開催

新潟県「長岡まつり大花火大会」(c)Daisuke Uematsu
(c)Daisuke Uematsu
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「上空で花火玉が割れると一瞬遅れて複数の色の小花が咲く花火を『千輪』といいますが、長岡では色鮮やかな『彩色千輪』を見ることができます。

写真では一気にすべての色の花火が咲いたように見えますが、実際は青、緑、赤、ピンク…と時間差で咲く面白い打ち上げ方でした。その他長岡花火の代名詞『復興祈願フェニックス』も必見です」

打ち上げ数は約4万発で日本最大規模!長野県「第77回諏訪湖祭湖上花火大会」

長野県「第77回諏訪湖祭湖上花火大会」8月15日開催

長野県「第77回諏訪湖祭湖上花火大会」(c)ハナビスト・冴木一馬
(c)ハナビスト・冴木一馬
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「写真は諏訪湖花火の名物『Kiss of Fire』。半円状の水中花火が湖の両端から中心に向かって近づき、触れ合ってキスをすると中央の人工島から打ち上げ花火が始まるというロマンチックな演出なんですよ。また全長2kmの『ナイアガラの滝』は日本一の長さで、打ち上げ数も約4万発とスケールの大きさも魅力です」(冴木さん)

撮影チャンスはたった1回!水と光が作る幻想的な世界 三重県「きほく燈籠祭」

三重県「きほく燈籠祭」7月26日開催

三重県「きほく燈籠祭」(c)Daisuke Uematsu
(c)Daisuke Uematsu
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「あまりの美しさに人気が高まるきほくですが、千輪が打ち上がるのは1回だけ。見逃せない一瞬です」(Uematsuさん)

潮風とともに堪能する県内最大の光の競演!宮崎県「油津港まつり2025花火大会」

宮崎県「油津港まつり2025花火大会」7月19日開催

宮崎県「油津港まつり2025花火大会」(c)ハナビスト・冴木一馬
(c)ハナビスト・冴木一馬
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「数ある九州の花火会社のなかでも演出の技が光る老舗『六葉煙火』が手がけた油津の花火は質も量も傑出していて県内最大レベル」(冴木さん、以下同)

灼熱地獄の夜空を焦がす8888発!大分県「令和7年度べっぷ火の海まつり納涼花火大会」

大分県「令和7年度べっぷ火の海まつり納涼花火大会」7月27日開催

大分県「令和7年度べっぷ火の海まつり納涼花火大会」(c)ハナビスト・冴木一馬
(c)ハナビスト・冴木一馬
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「写真は別府タワーと花火ですが、フィナーレの『黄金孔雀』も人気。ただ、とにかく暑くて撮影は大変でした(苦笑)」

1万4000発が澄んだ秋空に映える 熊本県「『新市誕生20周年記念』第38回やつしろ全国花火競技大会」

熊本県「『新市誕生20周年記念』第38回やつしろ全国花火競技大会」10月18日開催

熊本県「『新市誕生20周年記念』第38回やつしろ全国花火競技大会」(c)ハナビスト・冴木一馬
(c)ハナビスト・冴木一馬
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「西日本を代表する花火競技会です。秋は湿度が低くて風が通るので、夏より色がクリアに見えるのが特徴。秋花火で花火本来の美しさを知っていただきたいですね」

※花火の演出は年によって変わる可能性があります。打ち上げ時刻、雨天時の開催等、各大会の詳細については各自お調べください。

プロ直伝!スマホ撮影ガイド

冴木さんとUematsuさんに、スマホで花火をキレイに撮るテクニックを教えてもらった。

上空で光が消えた瞬間がチャンス

「スマホで花火をキレイに撮るコツは、カメラを『夜景モード』にしてシャッターを押すときブレないよう固定することです。ひゅ〜っと下から打ち上がった光が消えた瞬間シャッターを押せば、大輪をうまくキャッチできるはず。もし人物を一緒に撮りたいときは、スマホのライトなどで人物に光を当ててあげること。背景とともにキレイに写りますよ」(冴木さん)

画角を決めたら動画撮影が◎

「視界に入りきらないような『大玉』と小花が広がる『千輪』。ズームにしたり広角にしたりと欲張ると、写真撮影設定に手間取って撮影の瞬間を逃してしまいます。その点動画は画角を設定すればOK。何よりカメラばかり見て実際の花火を見ないのはもったいない。動画に任せて、自分の目で花火を堪能しましょう」(Uematsuさん)

◆ハナビスト・冴木一馬さん

報道カメラマンを経て1987年から花火の撮影を始め、1997年花火師の資格も取得。撮影しながら世界各地の花火の研究・解説を行う。

◆風景写真家・Daisuke Uematsuさん

「四季の美しさ、自然と人との繋がり」をテーマに光と影が織り成す絶景を追い求め、国内外で撮影。花火動画にもファンが多い。

取材・文/辻本幸路

※女性セブン2025年7月31日・8月7日号

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