
2025年は、昭和でカウントすると昭和100年にあたる年。日本の伝統ある老舗ホテルが、記念イベントを続々開催中。「特に『懐かしの○○』を復活する動きは、過去の思い出もあいまって昭和世代にはたまらない」と旅行ジャーナリストの村田和子さん。伝統を受け継ぎ進化した老舗ホテルのイベントを、懐かしさとともに楽しんでみるのはどうだろうか。
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筆者は、昭和生まれで50代半ば。最近「自分の育った戦後の昭和は、いい時代だったなあ」とつくづく思います。今のように便利ではないけれど、人との距離が近くゆっくり時間が流れている、一方で高度成長期で生活が豊かになるエネルギーも感じられた時代。2025年は昭和100年にあたる年。筆者と同じく昭和を生き抜いてきた老舗ホテルが、様々な記念イベントを開催します。昭和と現代のコラボ、昔を懐かしみつつ今風に楽しんでみては?

憧れのホテルが昭和100年記念メニューを復活!記憶に残る一皿を(西武・プリンスホテルズワールドワイド)
今のように西洋スタイルのホテルがまだ少なかった時代、ホテルでの食事は、記念日や結婚式など特別な時を祝う象徴となるイベントでした。1920年に前身となる箱根土地株式会社を創業、100年以上の歴史を持つ「西武プリンスホテルズ&リゾーツ」は、全国各地にリゾートホテルを開業。昭和世代の中には、旅行はもちろん、結婚式など人生の節目を同ホテルで迎え、思い入れのあるかたも多いのでは? 筆者は子どものころに中継される芸能人の華やかな結婚式を見て、憧れを抱いていた記憶があります。


そんな「西武プリンスホテルズ&リゾーツ」では、ホテル会員を中心に「一番の思い出メニュー」「メニューにまつわるエピソード」「また食べてみたいメニュー」などのアンケートを実施。その結果を受けて、2025年6月6日より、全国各地33施設、64のレストランで「昭和100年記念メニュー~記憶に残る一皿」を開催(2026年12月31日まで)。レストランでのコース料理やアラカルトメニューのほか、アンケートで最も人気のあった伊勢海老のテルミドールを含む婚礼用の限定メニューも登場するといいます。



アラカルトでは、1990年代に「東京プリンスホテル」で営業していたレストラン「プリンス ビラ」で連日行列ができる人気の看板メニュー「シーフードドリア」も復活。各施設により昭和100年記念メニューの提供内容は異なりますが、今回プレス向け発表会が催された「グランドプリンスホテル高輪」では、和洋の料理、そしてデザートまで幅広いジャンルのメニューが復活します。

また同ホテルの「貴賓館」は、旧宮家 竹田宮邸。宮廷建築家である片山東熊氏の設計で1911年(明治44年)に創建、プリンスホテルの所有となり村野藤吾氏により改修されたもの。明治・大正・昭和と歴史を見つめてきた名建築は外観もうっとりする美しさ。他にも各地の同社施設には歴史ある建築が残っており、食事とともに古き良き時代を感じてみるのもいいのでは?



昭和100年の記念メニュー詳細は、ホテルの特設ページをご覧ください。
■西武プリンスホテルズ&リゾーツ~昭和100年記念メニュー特設サイト https://www.princehotels.co.jp/contents/showa100th/memorial-menu/