
ダイエット中でも、適正のスイーツを適量食べていれば、リバウンドの心配もなく、ストレスをためずにダイエットを続けられる。そこで、太りにくいスイーツとその理由を、話題の新刊『食べても太らないのは、どっち?』(三笠書房)を上梓した管理栄養士・菊池真由子さんが教えてくれました。
【シュークリームVSショートケーキ】スポンジケーキの量がポイント
どちらも人気の王道スイーツ。なんとなくクリームがたっぷり詰まったシュークリームの方がカロリーは高そう。シュークリームは240kcal(カロリー数は菊池さんの著書『食べても太らないのは、どっち?』より・以下同)なのに対し、ショートケーキは446kcal。シュークリームのカロリーはショートケーキの約半分で、太りにくいのはシュークリーム。
「カロリーを左右するポイントは、大量の砂糖やバターなどが使われているスポンジケーキ。スポンジケーキが使われているスイーツは、カロリーが高く太りやすい傾向にあります。また、高級になるほど、甘いシロップがしみ込んだスポンジケーキで濃厚な生クリームを挟んでいるものが多い。おいしいけれど高カロリーです。体重を気にするなら低カロリーのものを選んだほうが安心です。

シュークリームはスポンジケーキが使われていない分、カロリーも低い。中でも、ひと口サイズのプチシューなら、カロリーに合わせて食べる数を調整できるので、ダイエット中にはおすすめです」(菊池さん・以下同)
さらに、シュークリームに使われているカスタードクリームは生クリームよりもカロリー低め。カスタードクリームと生クリームの2種のクリームが入ったタイプでも、生クリームが追加された分、カスタードクリームが減らされているものも多いので、ショートケーキよりカロリーは低い傾向に。
【白玉あんみつVSぜんざい】おもちか白玉かで大きな違いに
おもちが入っただけのシンプルなぜんざいに比べれば、白玉、フルーツ、あんこなど甘い具材が盛りだくさんの白玉あんみつは断然太りそう。ところが、白玉あんみつは272kcalなのに対し、ぜんざいは363kcal。意外にも、白玉あんみつのほうがカロリーは低い。太りにくいのは白玉あんみつという結果に。
「ポイントは2つ。1つはぜんざいに入っているおもち。おもちは糖質の塊ですから、カロリーが高く太る原因になります。白玉あんみつにも、もち米を原料とした白玉が入っていますが、一般的なサイズで比較すると、おもち1個のもち米の量は150gなのに対し、白玉は3個で白玉粉の量が25g。おもちの方が圧倒的にもち米の量が多いのです。
ちなみに、おもちなしにすればぜんさいのカロリーは259kcal程度。白玉あんみつよりカロリーが低くなります。

2つめのポイントが寒天。白玉あんみつは量も食材の種類も多いのですが、寒天でかさ増しされている傾向にあります。ほぼカロリーゼロの寒天は、便通をよくする食物繊維も豊富なので食べても太りづらいのです」
食物繊維が豊富という点では、ぜんざいの小豆も同じ。つまり、ぜんざいを食べるならもちの量を半分にすれば太りにくいスイーツになる。ただし、ぜんざいと同様の小豆と白玉で作るおしるこはNG。
食物繊維は小豆の皮などに多く含まれるため、粒がなくなるほどつぶして濾したこしあんでは、残る食物繊維はほんのわずか。あんこの多い大福も、こしあんよりつぶあんチョイスが正解。
【ベルギーワッフルVSたい焼き】「腹持ちのよさ」に注目せよ!
つぶあんを使うたい焼きの方が、太りにくそうな気がするが…。カロリーを比較してみると、ベルギーワッフルは210kcalなのに対し、たい焼きは211kcal。カロリーはほぼ同じだが、太らないのはベルギーワッフル。注目すべきはカロリーだけではなかった?
「ベルギーワッフルはバターたっぷりで、いかにも太りそうですよね。脂肪分は多いのですが、サイズが適量なので意外にカロリーは低めなのです。また、使われているバターは消化に時間がかかるため、実は腹持ちがよく余計な食欲がわきづらい。これも太りにくいポイント。
100円ショップのお菓子の中でも特におすすめです。ただし、太りにくいとはいえ一度に2枚以上食べればカロリーオーバー。適量を守ることもダイエットへの近道です。

一方、たい焼きは、脂肪は含まれていなくても、生地やあんこの糖質量が多めで太りやすいのです。また、消化がよく食欲がわきやすいのも太りやすいポイントです」
ベルギーワッフルにはジャムやホイップクリームをトッピングしたくなりますが、糖質が増えるのでNG。0kcalのコーヒーや紅茶と一緒に食べるのがベター。
【チョコチップクッキーVSアーモンドチョコ】含まれている栄養素が太りにくいカギ
どちらもチョコレートを使ったお菓子だが、チョコチップクッキーは160kcalなのに対し、アーモンドチョコは225kcal。アーモンドチョコはチョコレートの塊に見えても、太りにくいのはアーモンドチョコ。含まれている栄養素が太りにくいカギに!
「圧倒的にアーモンドチョコが太りにくい傾向にあります。チョコに包まれたアーモンドには、食物繊維やマグネシウムがたっぷり。食物繊維は腸をお掃除して老廃物を排出、マグネシウムは糖質、脂質、たんぱく質の代謝を促します」

アーモンドチョコは粒入りタイプがベスト。砕いてあるタイプは、チョコレートの量も多くなりますからカロリーも高め。1粒丸ごと入ったチョコを選ぶのが太りにくいコツ。
「一方、チョコチップクッキーのベースとなるクッキー生地は、糖質と脂肪で作られているので太りやすい。値段が高くなるほど脂肪分の高いバターなどが使用されていますから、ダイエット基準で選ぶなら安価なものを」
ダイエット中のスイーツは1日に200~250kcalで週3回まで、22時までに食べ終えるのが鉄則。22~26時は脂肪を合成する遺伝子(BMAL1)が最も増え、食べたものが脂肪に変わる時間帯。この時間帯に食べてしまうと、食べた分が体重に反映されやすくなるのでご注意を!
◆教えてくれたのは:管理栄養士・菊池真由子さん

1966年大阪府生まれ。管理栄養士。健康運動指導士。NR・サプリメントアドバイザー。日本オンラインカウンセリング協会認定上級オンラインカウンセラー。大阪大学健康体育部(現・保健センター)、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部(現・予防検診部)を経て、厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。ダイエットや生活習慣病の予防対策など、のべ1万人の栄養指導に携わる。著書に、ベストセラーになった『食べても食べても太らない法』(以上、三笠書房《知的生きかた文庫》)がある。https://www.diet-class.com/