うまくいく面談の流れとは
ネガティブフィードバックはその場の感覚で面談するのはとてもリスキーであり、一定の構造に沿って話を進めたほうがいいと難波さんは話します。
《ネガティブフィードバックの基本的な構造》
【1】自己認識(自分自身をどう評価しているか)を聞く
【2】会社の認識(上司や組織からどう評価されているか)を伝える
【3】ギャップの存在と解決に合意を得る
【4】ギャップを埋める行動計画を一緒に考える
【5】本人主導で考えた行動計画を継続的にフォローする
第1段階では、部下本人が自分自身をどう評価しているのかを上司が認識し、第2段階では具体的な事実や言動に基づいて、会社や上司からの部下への評価を真摯に伝えます。第3段階では「傾聴」も活用しながら、「ギャップの存在」と「ギャップを解決すること」について部下と合意します。第4段階では、上司はあくまでも支援的なスタンスで部下中心に行動計画を考え、第五段階でそれを実践していきます。
「実際の面談では第四段階までですが、部下の行動が変わるまでがネガティブフィードバックの主旨であることを忘れないでください。面談でしっかり伝えたので終了ではなく、面談で合意したゴールまで、計画が遂行されたか見届ける姿勢が求められます」
◆教えてくれたのは:人事コンサルタント・難波猛さん
なんば・たけし。マンパワーグループ株式会社シニアコンサルタント。早稲田大学卒業。コンサルタントとして3000人以上のキャリア開発施策、2000人以上の管理者トレーニング、100社以上の人員施策プロジェクトにおけるコンサルティング・研修等を担当。セミナー講師、大学講師、官公庁事業におけるプロジェクト責任者も歴任。著書に『ネガティブフィードバック 「言いにくいこと」を相手にきちんと伝える技術』(アスコム)など。