皇后雅子さまは、ひとつのものを長く大事に使うという美学をお持ちのようだ。それが垣間見えたのは、10月に岐阜県で開催された「国民文化祭」と「全国障害者芸術・文化祭」でのことだった。
SNS上で注目され”雅子さま売れ”
10月14日、両陛下は東京駅から東海道新幹線で「国民文化祭」などの開会式にご出席のため、岐阜羽島駅に向かわれた。雅子さまはベージュのパンツスーツ、ベージュのインナー、ベージュの靴とバッグというワントーンのコーディネートで多くの人の歓迎を受けられた。
このときにお持ちだったバッグはイタリアのハイブランドとして有名な「フェラガモ」のトップハンドルバッグ。たちまちSNS上で注目され、公式サイトで雅子さまがお持ちのキャメルや黒などが在庫切れとなったことが“雅子さま売れ”として話題に上がった。
「一見すると新品のように見えましたが、実はこのアイテムは皇后さまが新しくお買い求めになったものではないのです。確かにフェラガモはロゴを変えるなどブランドイメージを刷新し、最近では若い人にも人気のブランドですが、皇后さまがお持ちだったバッグは約30年前、ご成婚の1993年11月、徳島県で行われた『全国障害者スポーツ大会』でもお持ちだったものなのです。保存場所や使った後のメンテナンスなどに気を使い大事にお手入れされているのでしょう」(皇室ジャーナリスト)
かつては海外ブランドご着用に批判の声も
雅子さまは外交官の父を持ち、自らも外交官としてバリバリ働き、海外での生活が長い。流行廃りがなく、長く使える海外のブランド物を購入されることは、日常の一部だったはず。だが、皇太子妃時代、フェラガモのみならず、フェンディのバッグやブルガリのネックレスなどをさらりと身に着けた雅子さまは、大きな批判にさらされた。
「たとえば、2010年の夏です。那須御用邸にご静養に向かう雅子さまは草花のレースがほどこされたフェンディのバゲットというバッグをお持ちだった。ご療養でなかなか外出されなかった時期でしたので、“働かないのにブランドバッグを持つとは!”、“国産品を持つべきだ”といった厳しい声がインターネット上に飛び交いました。それを気にされたのでしょう、雅子さまは帰京の際は別のバッグをお持ちでした」(宮内庁関係者)
ところが今回は、雅子さまの洗練されたセンスは、多くの国民からひとつのものを長く大事に使う美学として好意的に受け止められた。
10月15日、午後9時ころ、両陛下は岐阜から帰京された。東京駅のコンコースには多くの人が集まった。
「“雅子さま、お帰りなさい”“ありがとうございました”というあたたかな声が両陛下を迎えました。淡いピンクのパンツスーツに身を包んだ雅子さまは、笑顔で手を振りながらその声にお応えになり、時間の経過を感じさせられました」(皇室記者)
令和になって6年が経つ。これからも雅子さまの美学が貫かれたスタイルを見たい国民は多くいる。