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中居正広氏がヒアリングで語らなかった「密室での出来事」 第三者委員会からの守秘義務解除の依頼を拒否、被害者の“心変わり”を懸念したか

第三者委員会から「性暴力であり、人権侵害」と認定された中居正広
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「性暴力であり、人権侵害」と認定された中居正広(52才)の卑劣な行為。膨大な量の報告書から明らかになったのは、かつての国民的アイドルの邪な裏の顔、そしてフジテレビとのゆがんだ蜜月だった。だが膿は完全に出し切れたわけではなかった。報告書に書かれなかったもう1つの真実をあぶり出す。【全3回の第1回】

3月下旬の昼下がり、彼の愛車は満開に咲き誇る都内の桜並木を疾走していた。華麗に愛車のハンドルを操り、運転席から視線を右に左に走らせ周囲を警戒しつつ、都心へと道路を進む。今日が終われば、再び彼の名前が世間を賑わすことを覚悟していたのだろう。その目は暗くどんよりと落ち込んでいた。快晴の空に咲く満開の桜を見ることもなく、車のスピードはひたすら上がっていった──。

「3月中旬から下旬にかけての中居さんは忙しなく動いていたようです。自身の会社の清算を含め、事後処理もあった。ただ、それ以上に第三者委員会のヒアリングの過程で、相手女性の“予想外の行動”を見聞きし、対応を迫られたのではないでしょうか。早く“東京を離れたい”という思いも持っていると聞きました。4月以降、彼はさまざまな計画を立てていたそうですが、変更を余儀なくされたようです」

そう明かすのは、中居の知人だ。3月31日、フジテレビが設置した第三者委員会は、中居と被害女性とのトラブルについて、約400ページに及ぶ調査報告書を公表。その内容はフジと中居に対し峻厳であり、報告は多岐にわたった。

「被害女性をフジテレビの元アナウンサーだったAさんだと明かし、中居さんとAさんとの間のトラブルについても、《性暴力による重大な人権侵害》と断言。被害申告があったにもかかわらず、適切な対応を怠り、中居さんを漫然と番組に起用し続けたフジテレビの責任にも言及しました。

また、これまでたびたび関与が指摘されてきた中居さんと盟友関係にある同局の編成幹部のB氏についても《中居氏サイドに立ち、中居氏の利益のために動いた》とし、今回のトラブルにおける重要人物であったことを認定しました」(全国紙社会部記者)

報告書によると、中居とAさんはトラブル以前に外資系ホテルのスイートルームでの飲み会や、中居の所有マンションで開催されたバーベキュー(BBQ)で同席していたという。

ドライビングテクニックも超一流な中居正広(2024年10月)
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「こうした部屋代などを経費処理していたことも社内では問題視されています。社業として女性アナの接待を容認していると受け止められかねず、今後、さらなる調査でメスが入るでしょう」(フジテレビ関係者)

報告書にはB氏と中居の赤裸々なメッセージのやり取りも記載された。会食の席に顔見知りの女性アナを求める中居と、当意即妙に応じるB氏。こうして、2023年5月31日、中居やB氏らとのBBQに動員されたAさんは、BBQ後の食事の場で中居と連絡先を交換した。

さらに中居の動きは素早く、BBQから2日後の6月2日にはAさんのもとに《今晩、ご飯どうですか?》との連絡が届く。その際、中居は《はい。メンバーの声かけてます。また、連絡します。》《隠れ家的な、お店。自信はありませんが、探してみますね》《○○(地名)で飲みますか!この間の。なら、安心かもです。どうでしょ》などと連絡。実際には店探しなどをした形跡がないまま、Aさんを自身の所有するマンションへと呼び出した。

一連のやり取りの過程でAさんは中居と2人での食事でもいい旨の返事をしているが、第三者委員会のヒアリングには、当時の心境を次のように述べている。

《直前、誰も集まらない、いい店がない、それならこの前みんなでバーベキューをしたところでごはんはどうですか?と仕事上付き合いのある芸能界の大御所からそういわれたら、今夜暇だと言ってしまった私は行かざるを得ない。(中略)ここで断ったりしたら仕事に影響が出るのではないか、断ったらそのことがBさんに伝わって番組によばれなくなるのではないか、そんな思いがあって、行きたくはないけど行った、という気持ち。》

大雨の中、中居のマンションに向かったAさんは、6月2日の夜、筆舌に尽くしがたい性暴力を受けてしまう──。

お金も無く、あの日を悔やむ

フジテレビの経営陣だけでなく、B氏ら200人以上の社員や関係者がヒアリングの対象となった調査は中居も例外ではなかった。しかし、中居はある部分については、頑なな対応を見せたという。

「中居さんの行為が性暴力であるという認定はされましたが、中居さんはこれまで同様、示談が成立していることと、その際に結んだ守秘義務を理由に説明を一部拒否。結局、あの日、密室の中で何があったのかを中居さんが語ることはありませんでした」(前出・全国紙社会部記者)

実際、第三者委員会は中居やAさんに双方が合意の上で、守秘義務を解除し調査に協力するように依頼。Aさんは全面解除に応じる意思を示したものの、中居は応じなかった。結果、「マンションに入ってから退室するまでの事実」と「示談契約の内容」は守秘義務の対象であることを確認し、それ以外の部分でヒアリングを進めることとなる。

「示談は一度成立すると双方の合意なく破棄することはできません。中居さんとしては、事態がこれだけ大きくなる中で、守秘義務を解除することになれば、Aさんが『示談そのものを破棄し、被害届を提出する』と“心変わり”することを懸念したのかもしれません。示談破棄によって、刑事事件化する可能性も充分出てきますからね」(前出・全国紙社会部記者)

中居とは“永遠のライバル”といわれた木村
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密室での出来事は秘された一方で、トラブル発生後の中居とB氏による“口封じの工作”は生々しい。報告書によれば、中居とAさんは、6月2日以降もショートメールでのやり取りを続けている。1か月ほど後、仕事を休み入院することになった事実がAさんから中居に伝えられると、中居はすぐにB氏を頼る。7月13日、B氏のもとには次のようなショートメールが届いた。

《中居氏からB氏「B。また連絡があり、接触障害(ママ・摂食障害と思われる)と鬱で入院。やりたい仕事もできず、給料も減り、お金も無くあの日を悔やむばかりと。見たら削除して。」「どうしよか。」》

以降、B氏は中居の伝令役として機能していく。

「入院後のAさんは、中居さんに“あの日の苦痛”をショートメッセージで何度も訴えていました。中居さんへのダメージや自身の今後の仕事のことを考えると穏便に済ませたいと考えているものの、自分の収入では高額な医療費を払えないので、支払ってほしい旨も伝えられたようです。これに対し、中居さんは見舞金を払う意思を見せながらも、『金額は贈与税が発生しない範囲で支払いたい』と伝えた。ここで暗躍したのがB氏でした。

実際、B氏は中居さんから贈与税の基礎控除内である100万円を預かり、Aさんのもとに運んでいます」(前出・フジテレビ関係者)

いまだにスポンサーたちの復帰のめどは立たないフジテレビ(時事通信フォト)
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B氏の“揉み消し”へのサポートはこれだけではない。

「この事案で中居さんの代理人となったK弁護士は、B氏が立ち上げた番組に出演する弁護士でした。中居さんから『弁護士を紹介してほしい』と頼まれたB氏が名前を挙げ、中居さんとの間を取り持ったのです」(前出・フジテレビ関係者)

しかし、このK弁護士はフジテレビの業務にも深く関与しており、フジの社員(当時)であるAさんとタレントとのトラブルで、タレント側の代理人を務めることには利害が対立する可能性があった。

「フジのバラエティー部門では、K弁護士にいつでも携帯で法律相談ができる体制が構築されており、港浩一前社長は彼のことを『携帯弁護士』と呼んでいた」(前出・フジテレビ関係者)

(第2回へ続く)

※女性セブン2025年4月17日号

愛車を運転する中居正広(2024年10月)
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ランチを終えて、店をあとにする中居(2017年3月)
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