美容

9つの穴の乾燥は体調不良のサイン。うるおして不調を撃退!

肌の乾燥を感じ始めるこの季節。実は乾燥するのは肌だけではなく、粘膜部分のうるおいこそ重要で、女性は“9つの穴”の内部が乾燥しているのは体調が悪いサイン! 9の穴とは、目・耳・鼻(各2つずつ)と、口・腟・肛門(各1つずつ)のこと。この9つの穴の入り口を保湿して、不調を撃退しよう。

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女性は”9つの穴”の保湿が大事!
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唇が乾燥していたら体中カラカラ!?

更年期障害に代表される、なんとなく不調(不定愁訴)の症状のひとつとして、“乾燥”も挙げられる。そう教えてくれたのは、助産師であり、『ちつのトリセツ──劣化はとまる』(径書房)を指導・監修した、たつのゆりこさんだ。

「乾燥の原因には、夜更かしやストレス、運動不足、偏食などが挙げられますが、そもそも女性は、加齢とともに、乾燥しやすくなります。さらに自律神経とホルモンバランスが崩れると、体が全体的に乾いてしまうのです。

健康な体はほぼ6割が水分でできていますが、加齢で体液の量が減ると、肌や髪だけでなく、皮膚の内側の筋肉や脂肪組織、骨、さらには関節までうるおいをなくします」(たつのさん、「」内以下同)

毎日クリームを塗って保湿をしているという人でも、それはせいぜい肌や髪だけ。体の内部まで保湿できている人は少ないという。

「自分が乾燥しているかチェックするのに、いちばんわかりやすい部分は唇。夏でもリップクリームを手放せない人は、体の中もカラカラだと思って間違いありません」

9つの穴の入り口をオイルでうるおす

では、体の中までうるおすにはどうすべきか。大事なのは、9の穴の入り口の粘膜を保湿することだという。

9の穴とは、2つずつある目、耳、鼻、そして口と腟、肛門のこと。

「これらの穴をうるおすにはオイルが有効です。オイルは表面をしっとりさせるだけでなく、内側の細胞まで活性化してくれるからです」

体全体をうるおすには、各部分にオイルを塗り込むより、口から水分を摂った方が、手間も省けてよさそうだが、胃腸が弱っている時は、口から水分を入れても、消化吸収機能が充分に働かないので、むくみの原因になったり、尿の量が増えるだけで、逆に効率が悪いのだという。

「血流が悪い状態で水分を摂りすぎると、むくみやすくなったり、夜は尿意で目が覚めて睡眠が浅くなるなど、つらい症状が増えてしまいます。その点オイルは、肌や粘膜の表面をうるおわすだけでなく、その下の細胞組織の機能をアップしてくれます。その結果、唾液や涙などの分泌も促してくれるのです」

特に、会陰部をオイルで保湿すると、交感神経の緊張を和らげ、更年期症状を改善してくれるという。

ケア用セサミオイルの作り方

保湿用オイルにおすすめなのは、植物由来のスキン用セサミオイル(ごま油)か、化粧品グレードのスイートアーモンドオイルなどだ。石油由来のグリセリンやミネラルオイル(ベビーオイルやワセリン)は使わないこと。

いずれも市販されているが、セサミオイルなら自宅でも作れる。その場合、焙煎ごまで作った茶色のごま油ではなく、生のごまを低温圧縮搾りにした、透明か薄い黄色のごま油を使うこと。

作り方は簡単。油を鍋に入れて棒でかきまぜながらゆっくり加熱し、100℃になったら火を止め、冷めたら容器に移すだけ。光の当たらない場所で保存し、酸化したオイルは絶対に使わないようにしよう。

穴の入り口の具体的なケア方法は、以下で紹介する。

口のケア

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オイルうがいで唾液が出やすくなる!(写真/アフロ)
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朝起きてうがいをすると、寝ている間に繁殖した雑菌が外に出て、唾液も自然に分泌され、一石二鳥。この時のうがいを、水ではなくセサミオイルでやるとより効果的。

やり方は、セサミオイル10~20ccを口に含み、クチュクチュと3分くらい口腔内粘膜に当てるように転がすだけ。

「口の中に唾液が自然にわいてきます」

オイルはティッシュに吐き出し、その後、気になるようなら、ぬるま湯でうがいを。

「唾液には殺菌作用のほか、食べものを消化する働きがあります。ですから、口の中がうるおうと、胃腸の負担も軽くなるのです」

鼻のケア

「1日1回は鼻をかんでみて、分泌物が出れば問題ありませんが、ない場合はかなり乾燥している証拠」

炎症もないのに乾いているなら、セサミオイルを綿棒にたっぷり(約5cc)つけ鼻の穴の中に塗ろう。清潔な指で塗ってもOK。その後、頭を大きく後ろにそらせ、鼻の奥までオイルをしみわたらせるのがポイントだ。口の中までオイルがたれてきたら吐き出して。

「乾きすぎて鼻の中が不快な場合は、オイルケアに加え、米のとぎ汁を80℃くらいに温め、その蒸気を片方ずつ鼻に通すことをおすすめします」

鼻の中がうるおい老廃物が排出しやすくなると、鼻が通り頭もスッキリしてくる。

目のケア

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ローズウオーターや蒸しタオルで温めて(写真/アフロ)
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「目に熱がこもっていると目が乾き、いわゆるドライアイになります」

目の熱を取るには、クールダウン効果のあるローズウオーターをコットンにたっぷりしみこませ、10分以上まぶたの上に置くとよい。ローズウオーターは市販されているが、入手できなければ、タオルを濡らし、かたく絞って電子レンジで温めた「蒸しタオル」をのせてもいい。

「蒸しタオルにはクールダウン効果がありませんが、目の疲れを取ってくれます。ラベンダーのアロマオイルをタオルに含ませればリラックス効果がアップ。どちらの方法でも目の疲れが取れて、寝つきがよくなります」

耳のケア

耳は、自律神経の働きにかかわる重要な穴。つまり、自律神経の乱れを改善するには、耳のケアも欠かせない。耳全体の血流がよくなると、脳の働きも活性化し、難聴予防にもなるという。

ケアの方法はまず、セサミオイル(スイートアーモンドオイルなどでも可)を5cc程度、両手のひらにつけてオイルをのばし、耳の付け根、耳の後ろ、耳全体を2~3分マッサージする。耳全体を軽く引っ張るのもおすすめ。

次に忘れてはいけないのが、耳の穴の周辺。小指にオイルをつけて、穴の周辺にもオイルを塗り込む。べたつきが気になる場合は、ティッシュなどで拭きとってもいい。

膣のケア

腟のケアは入浴して体を清潔にし、体を温めてから行う。

腟の入り口周辺や肛門の周りに直接オイルを塗るのが理想だが、毛羽立ちの少ないコットンに、人肌程度に温めたセサミオイル5cc程度をしみ込ませ、会陰に当てておくだけでも効果がある。

この場合、下着にオイルがしみないよう、コットンの下にティッシュを数枚当てておくといい。日中に行うとずれるので、就寝時がおすすめ。

「閉経後はより乾きやすいのでしっかりケアを。入浴後、体が温かいうちに陰部全体と指を清潔にしたうえで、オイルをつけた指をそーっと入れ、腟をギュッと締める運動をすると、いい刺激になります」

※女性セブン2017年10月26日号

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