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《“がんばらない時間”が人生をポジティブに》丸善ジュンク堂書店 ×JT「D-LAB」の体験型企画展『ちょっと、ひといき展』で呼吸を整えリラックス

浮世絵風の作風をベースに、「日常のあるあるネタ」を描く人気クリエーターの山田全自動さん
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「“がんばらない時間”をどうぞ。」というフレーズが印象的な体験型企画展『ちょっと、ひといき展』が、12月5日に東京・港区の虎ノ門ヒルズ・グラスロックでスタートした。丸善ジュンク堂書店がJTのコーポレートR&D組織「D-LAB」の協力を得て開催したもので、現代人の“がんばりすぎ”をユーモラスに描くクリエーター山田全自動さんによるアート作品展や、リラックスできるアイテムを揃えたコーナーなどが設置され、早くもオフィス街の憩いの場となっている。

丸善ジュンク堂書店が手がける新業態の書店「magmabooks」で『ちょっと、ひといき展』を開催中
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『ちょっと、ひといき展』は、ついがんばりすぎてしまう現代人の日常に共感したり笑ったりしながら、自分をいたわる時間をつくることを提案するというもの。会場となる「magmabooks」では期間中、“おつかれ”をテーマに人気クリエーターの山田全自動さんの作品や、一般から寄せられた「クスッと笑えて、ちょっと元気をもらえるエピソード」を展示。そのほか、JT「D-LAB」の手がける商品で、心とからだをゆるめる“ひといき”を実際に体験できるスペースを用意している。

上手に「休む」ことで心が豊かに

 せわしないこのご時世に、あえて「がんばらない時間づくりのすすめ」を掲げる本展。企画した丸善ジュンク堂書店は「休むこと」が生み出すパワーに着目、これにJT内のコーポレートR&D組織「D-LAB」が賛同し、実現に至ったのだという。

「休まない・休めない現代人に、“意志を持って休憩する”という選択肢を提案するのは非常に画期的なこと。心とからだをゆるめる“そのひといき”を大切にするところも、JTが考える “心の豊かさ”に通じるものがあります」と「D-LAB」ディレクターの宮大史さんは話す。

 今回は、休むことを文化とプロダクト科学の両面から深めていくため、「呼吸」と「休息」にもスポットを当てた内容になっているという。

(写真左から)丸善ジュンク堂執行役員工藤淳也さん、 日本たばこ産業「D-LAB」ディレクターの宮大史さん
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 笑いを求める人にぜひ立ち寄ってほしいのが、会場2Fに設置されたアーティスト・山田全自動さんの特別展示コーナー『ちょっと、ひといき展 ~山田全自動のみんな頑張ってるでござる~』。日常の“あるある”が江戸風イラストでユーモラスに描かれ、時にくすっと笑えて、時にピリッとした感覚を覚える作品が揃う。

 本展のために特別に書き下ろされた作品も多く、“ちょっと、ひといきしたくなる”シーンが軽やかに風刺されている。オリジナルグッズの販売や、magmabooksで1000円以上購入するともらえるしおりも楽しみだ。

江戸の茶屋気分が楽しめる特別展示コーナー『山田全自動のみんな頑張ってるでござる』
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理想的な呼吸と休憩を得られる最新機器を体験

 3階のmagmaloungeでは、呼吸するクッション「fufuly(フフリー)」、スピード休息アイマスク「Relaxonic Cover(リラソニックカバー)」の貸し出しを実施。magmalounge使用料の30分550円で、“何もしない豊かな時間”を過ごすことができる。

呼吸するクッション「fufuly(フフリー)」が設置されたMagmalounge「CALM」
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「fufuly」は、まるで呼吸するように膨らんだり縮んだりするクッションで、触れ合っている仲間の呼吸につられる生き物の性質を参考にした商品。抱えて密着するうちに、リラックスが促される。

クッションが膨らんだり縮んだりするリズムで心もリラックス
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「Relaxonic Cover」は、皮膚で感じる超高周波音と温熱機能により、短時間で深い休息体験が得られるアイマスク。スマホアプリと連動させて使用し、人間の耳には聞こえない、ハイレゾ音域を超える超高周波を含む15種類のサウンドや休息時間を選択できる。

自分だけのブースで小鳥の声や川のせせらぎ、波の音など、好みのサウンドを聞いてリラックス
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心身の健康を支えるのは深い呼吸と質の高い睡眠

 開催初日には、早稲田大学スポーツ科学学術院教授で精神科医の西多昌規さんと、東京・パリ五輪の2大会でメダルを獲得したレスリング選手・須﨑優衣さんによるトークセッションが行われ、睡眠の専門家とアスリートという、それぞれの立場から、呼吸と休息、睡眠をテーマに深く掘り下げて語り合った。

(写真左から)睡眠の専門家・西多昌規さんとレスリング選手の須﨑優衣さん
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 西多さんによると、当たり前にできるつもりが、実はできない人も多いのが「呼吸」だという。

「われわれは日常、緊張しがちで姿勢も悪いことから、呼吸が浅くなりがち。呼吸は精神状態のバロメーターともいえるものですし、浅い呼吸は自律神経の乱れを引き起こし、体にさまざまな不調をきたします。自律神経のバランスをとるために、呼吸は唯一自分でコントロールできるもの。意識的に姿勢を正し、深く、ゆっくり息を吐くことを習慣づけたいですね」(西多さん)

 トップアスリートである須﨑さんも、呼吸の大切さは身をもって理解していると言い、パフォーマンス向上のために深呼吸は欠かせないものだと話す。

「試合前や試合の最中に緊張を感じたら、すかさず深呼吸を行っています。普段もお腹からしっかりと息を吸って吐くことを心がけているんですよ」(須﨑さん)

須﨑さんは試合中の緊張を深呼吸で解消すると話す
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 会場を沸かせたのが、須﨑さんの睡眠時間。午前と午後のトレーニングの合間の仮眠も含め、1日トータルで10時間は睡眠にあてているという。大リーグで3年連続MVPを獲得した大谷翔平選手も同程度睡眠時間を取っていると話題になったが、やはりよく眠ることも強さの秘訣だと言えるのかもしれない。

 とはいえ、普通はそこまで寝る必要はないと西多さんは言う。

「トップアスリートのように肉体を酷使しているのでなければ、10時間は寝すぎで、リズム障害などを起こす危険もあります。昼寝は15分程度にし、夜の睡眠に影響を与えないようにしてください」(西多さん)。

 最後に、西多さんはあらためて「いい睡眠」の定義をこう説明した。

「ぶつ切りで寝ず、最低でも4~5時間連続して眠るのが望ましいなど、確かにいろいろありますが、いい睡眠は人それそれで違うもの。数字よりも自分が“朝スッキリ起きられた”と思えたかがなにより大切です。あまり神経質になりすぎないのも、いい睡眠を得るコツです。しっかり呼吸をして睡眠の質を向上させ、心身の健康を高めていきましょう」

 世界的に見ても「休み下手」と言われる日本人。『ちょっと、ひといき展』には、楽しみながら「上手に休む」ヒントが数多く隠されている。足を運んで“最高のひといき”を体験してはどうだろう。

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丸善ジュンク堂書店×JT「D-LAB」 『ちょっと、ひといき展』(東京・港区 虎ノ門ヒルズ2・3F「magmabooks」)は、2026年1月12日(月・祝)まで開催。入場無料。

取材・文/高城直子