健康・医療

《にわかにブーム》「酵素浴」で期待される効果は? 血行促進、疲労回復、肌のトーンアップなども【酵素風呂、米ぬか風呂も解説】

米糠
「酵素浴」で体の芯からデトックス(写真/PIXTA)
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「体が軽くなる」「肌の調子がよくなった」「冷え症が改善された」など、さまざまな健康効果を実感できる酵素浴(酵素風呂)。古くからある温浴方法だが、都市部では酵素浴ができる施設が増加。温活やデトックスブームを背景に人気を集めている。酵素の力を知り、体と心を整えよう。

「酵素浴」で期待される効果

・免疫力向上

体を芯から温めることにより、血行が促されて免疫細胞が活性化。さらに、内臓が温まり、腸の動きもよくなるため、腸内環境が整う。

・デトックス

自然発酵で体の深部が温まるため皮脂腺から汗が出やすくなり、デトックス効果が期待できる。「酵素風呂に20分入ると、マラソン2時間分に匹敵する汗をかく」といわれるほど。

・リラックス

ヒノキを自然発酵させた熱で体をじっくり温めることで、副交感神経が優位になり、ストレスが緩和。さらに、ヒノキの香りで高いリラクセーション効果も得られる。

・基礎代謝向上

基礎体温が上がり、太りにくい体づくりを手助けする。むくみ防止や肌のくすみ軽減に効果があり、寒さや暑さにも強くなる。

・冷え症、こり解消

入浴中の体温が38℃を超えることもあり、血行を促進することで冷えの改善、体のこりや緊張をほぐし、肩こりも緩和できる。

酵素パワーで暑い夏を乗り切る

酵素浴は、「ヒノキのおがくずや米ぬか(以下、酵素パウダー)を微生物の力で発酵させ、その『発酵熱』だけで体を温める温浴法です」と解説するのは、日本酵素風呂協会代表理事の高市寛子さん。

「起源には諸説ありますが、冬の寒さをしのぐために農家の人々が、発酵した堆肥の中に体を入れて暖をとったことから始まったといわれています。発酵熱を持つ堆肥は体を芯から温め、さまざまな健康改善が得られることから日本の生活に根づいたとも考えられます」(高市さん・以下同)

電気やガスなど人工的な熱源は一切使わず、微生物の力だけで発熱している。

「おがくずなどを敷き詰めた酵素風呂の温度は60〜70℃程度まで上昇します。その中に埋まるように横たわることで内臓から体が温まる。サウナと比べて非常に効率よく体の芯まで熱を届けることができるため、約15分の入浴で内臓温度が平均2℃上昇するという研究結果(2024年関西医科大学研究発表)もあります。1℃体温が上がると免疫力は6倍になる(『「体を温めて病気を治す」食・生活』(石原結實著、講談社))ともいわれますから、さまざまな病気予防も期待できます」

健康効果は、これだけではない。

「熱持続性が高く、一日中足先がポカポカするため冷え症の改善効果も期待できる上、代謝向上や血流改善効果も高いため、ダイエットを目的に酵素浴をする人も多くいます。そのほか代謝が上がって肌の調子がよくなったと体感する人も増えています」

近年の研究では、鎮痛作用も期待できるという。

「明治国際医療大学と私たちの共同研究では、酵素浴をすることで脳内から鎮痛物質が分泌されることがわかりました。これにより人間が持つ治癒力が高まることも期待されています。また、同研究によると唾液検査でストレス軽減も確認されました。

温浴の中でデトックス効果が最も強く、その効果は3日間ほど続くともいわれています。暑い季節になる前に、体を暑さに慣れさせておくことが重要です。これからの猛暑を乗り切るためにも、酵素浴は大いに役立つ入浴法と考えられています」

酵素風呂に行ってみよう

温浴効果や美容効果など多くの健康効果が期待できる酵素浴。利用する際の手順などを知っておこう。

酵素浴は発酵や温度管理が大変なため、専用の施設で体験するのが一般的。高市さんは「店舗ごとに材料ややり方が異なりますが、主に3つのタイプに分けられます」と話す。

【1】米ぬかタイプ

「米ぬかは温熱効果が高いので早く温かくなります。また米ぬかに含まれる美肌成分により肌質改善も期待できる。ただ、米ぬか独特のにおいがあり3日間ほど残る可能性もあります。においが強いため、都心部の施設には少ないのが現状です」(高市さん・以下同)

【2】ヒノキのおがくずタイプ

「ヒノキの香りによる高いリラクセーション効果が人気。米ぬかに比べると温度の上昇が緩やかなので、ゆっくり入浴できます」

【3】ブレンドタイプ

「米ぬかとヒノキのおがくずを混ぜ合わせ、熱を発生させます。温度が高く、においも少ないため多くのサロンで使われています。高いリラクセーション効果と美肌効果を両立できるのが特徴です」

酵素浴
発酵した米ぬかやおがくずに全身包まれることで肌がツルツルになる(写真/PIXTA)
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入浴の際は空腹時や満腹時は避け、1時間くらい前には軽く食事を済ませておこう。

「入浴中に大量の汗をかくので、入浴前に必ずコップ1〜2杯程度の水分補給を忘れずに」

一般的に、タオルや入浴時の専用ウエアも用意されていることが多い。

「着替えたら酵素浴を行う部屋に入ります。施設によりますが1人用の浴槽や、複数で入れる広い浴槽などがあり、そこに米ぬかやヒノキのおがくずが敷き詰められています。

30cmほどの深さの穴に仰向けで入ると、上から顔以外の体にまんべんなく酵素パウダーをかけてくれます。息苦しい場合や熱すぎるときは、すぐに伝えてください。目は開けたまま、あるいはタオルをかけて静かに15~20分ほど温まります。

入浴直後はよい成分を肌に残すため石けんを使わず、シャワーで軽く流すのがおすすめです。その後は汗が引くまで30分〜1時間ほど体を休めます。コップ1〜2杯程度の水分補給も行いましょう」

酵素浴は、どのくらいのペースで行えばいいのか。

「リフレッシュが目的の場合は月1~2回、痩身や体質改善が目的なら週1回ほど利用するのが理想。不調からの改善が目的の場合は、毎日通ってもOKです」

酵素浴の足浴
足先や足首を温めるだけでも全身が温まり、むくみ解消にも効果的(写真/PIXTA)
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熱いのが苦手な場合は、足浴がおすすめだ。

「足浴は着替えや化粧を落とす必要もなく手軽に行えます。足を温めることで、全身に温かい血液が巡り、20分ほどで体がポカポカしてきます。米ぬかが含まれているものであれば、かかともツルツルになりますよ」

酵素パウダー
酵素浴で使用された酵素パウダーは、農業用の土壌改良材として再利用している店舗もある(写真/PIXTA)
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自宅で米ぬか風呂を楽しもう

酵素浴の米ぬかに含まれるさまざまな美肌成分は、お湯に溶け出すことで、肌をしっとり保湿し、乾燥を防ぐ効果が期待できる。

肌をしっとりさせる米ぬかの栄養素

近くに酵素浴の施設がない場合や自宅で気軽に楽しみたいなら、「米ぬかを入浴剤として使うのがおすすめ」と島村トータル・ケア・クリニック院長の島村善行さんは言う。

「米ぬかに含まれるフェルラ酸は、シミやそばかすの原因となるメラニンの生成を抑え、透明感のある肌へと導きます。さらに、米ぬか由来の油分やセラミドが肌にたっぷりと潤いを与えるため、古くから化粧品として愛され続けています」

また、「栄養も豊富なため、食べるのもおすすめ」と、島村さんは続ける。

「米ぬかは、玄米を精製するときに出る『胚芽』や『種皮』などの部分。腸内環境を整える食物繊維、抗酸化作用に優れたビタミンE、肌の代謝を促すビタミンB群、アンチエイジング作用のあるγ-オリザノールのほか、美髪や薄毛対策によいとされるフィチン酸などが豊富。重量は玄米のわずか10%ほどですが、玄米の栄養素の90%以上が凝縮されています。

精米されたときに出るパウダー状のものを炒って、ヨーグルトにかけて食べると手軽に栄養が摂れます」

【1】米ぬかを用意

米糠を持つ女性のイラスト
米ぬかは何も混ざっていない新鮮なものを選ぶ(イラスト/鈴木みゆき)
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コイン精米機のあるところや米店、スーパーの野菜コーナーなどで入手可能。何も混ざっていない新鮮なものを選ぶ。

【2】大さじ7~10杯が目安

米糠をスプーンですくっているイラスト
1回の目安は大さじ7~10杯(イラスト/鈴木みゆき)
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肌をしっとりさせたい場合は、米ぬかを多めに使用すること。目安は大さじ7〜10杯。これで充分な保湿効果が感じられる。

【3】米ぬかは不織布袋に

米ぬかを取り分けているイラスト
米ぬかを不織布に取り分ける(イラスト/鈴木みゆき)
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米ぬかは直接お湯に入れるのではなく、排水口や三角コーナーなどに使われる不織布袋などに入れ、湯船に浮かべて使おう。

【4】湯船の中で揉む

米ぬかを入れた袋を揉んでいる女性のイラスト
米ぬかを入れた袋をやさしく揉む(イラスト/鈴木みゆき)
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風呂にお湯を張り、米ぬか袋を入れる。成分がしっかり出るようやさしく揉み、米のとぎ汁のように乳白色に変わったら完了。

【5】約15分間つかる

湯船に浸かる女性のイラスト
湯船に15分ほど浸かる(イラスト/鈴木みゆき)
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湯船に15分ほどつかる。ひじやかかとなど、かさつきが気になるところは袋で軽くこすってみよう。

【6】そのまま上がる

湯上がりの女性のイラスト
湯船から上がったら、体は洗い流さない(イラスト/鈴木みゆき)
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保湿成分を維持するためにも、体は洗い流さずに風呂から上がる。使った米ぬかやお湯は、その日のうちに捨てること。

自宅で「酵素パワー」ゲット!

酵素入りの入浴剤や石けんを使えば、自宅で手軽に酵素パワーを体感できる。

「最近は、肌に直接触れるものは、肌にやさしい素材を使いたい人が増えているため、自然由来の米こうじやおがくずで作った入浴剤や石けんを選ぶ人も増えています」(島村さん)

『バスコーソ』
北海道の針葉樹のおがくずなどを使った入浴剤。『バスコーソ』(2310円/大高酵素)
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『潤肌人間』
米ぬかと小麦麩、クレイを使った洗顔料。『潤肌人間』(2800円/発酵人間)
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取材・文/廉屋友美乃

※女性セブン2026年6月18日号