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《毎日300人もの包茎の皮を焼き切っていた》焼肉店より煙たくて「美容に戻ろう」【第17話前編】『YES!逆張り人生~高須克弥物語~』

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すべて想像の逆を行く男、高須克弥の破天荒な人生を描く連載『YES!逆張り人生~高須克弥物語~』! 読めば悩みが全て吹き飛ぶ、そんなパワフルすぎる人生を、どうぞご堪能あれ。

第17話:ソープランド改名事件と脂肪吸引の話【前編】

高須クリニック赤坂陰、開業当初の様子。(本人提供)
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 赤坂署の刑事と名乗る男が言った。

「こちらで人を焼く匂いがするという通報が入ったもので」

「え?」

 毎日300人もの包茎の皮を焼き切っていた高須クリニック赤坂院は国際新赤坂ビルに入っており、その煙は新設したダクトで外に出していたが、どんなに繁盛している焼肉屋よりも煙っていた。当然匂いは焼肉とは明らかに違う。それを別の階に入っていた総合商社トーメンの社員が、包茎手術だとは知らずに本気で心配して通報したというのだ。

 この事件で、克弥は我に返った。

──“下”に走りすぎてしまった。本来の美容に戻ろう。

 こうして克弥は包茎の広告を減らし、男性患者を女性患者に変えていくことを積極的に目指すようになった。

 同じ頃、日本の歴史に大きく影響する一本の電話が鳴った。

「入国管理局です。トルコから来た方が、お宅に電話しろと言っているのですが」

 成田空港の入管職員が言うには、ビザを持たないトルコ人が来日して、「高須クリニックに招待された」と言い張っているので、確認をしたいとのことだった。

 彼の名前はハルン・オズカン。数年前のトルコ旅行で、克弥が陸軍病院を訪ねた時に出会った青年だった。陸軍大尉で軍医をしており、名家の出だったことで克弥と意気投合した。自身のことから軍事機密までなんでも気さくに話す青年は、大変な親日家だった。

「日本の美容医療を見てみたい」

「いつでもおいで。僕が面倒をみるよ」

 確かに克弥はこう言った。言ったが、人の付き合いには、リップサービスという文化がある。連絡なしに来てはいけないという常識もある。挙げ句の果てにビザなしである。

「このままトルコに強制送還になりますが、よろしいですね」

 入管職員のこの言葉が克弥に火をつけた。窮地に陥るとなぜかこの男は、その状況をひっくり返すことに喜びを感じるのである。

「いえ、何かの手違いですので、お待ちください」

 克弥はすぐに昭和医大の恩師である教授に電話をし、このハルン青年を昭和医大の留学生として申請してもらった。(中編につづく)

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【プロフィール】
家守鷹主(いえす・たかす)/テレビ局プロデューサーとして高須克弥氏と出会い、十数年来の友人。今回、その人生を小説として描きたいと依頼したところ、高須氏は一言“YES”と快諾し、ペンネームも命名。かくして、希代の人生物語が幕を開けた。

高須克弥(たかす・かつや)/1945年、愛知県生まれ。医師(美容外科、整形外科、形成外科。学位は医学博士)。2018年に自身の全身がんを公表(発病は2014年)。

※女性セブン2026年10月22日号