毎日使う化粧品。消費期限が明確に書いていないものも多く「一体いつまで使っていいの?」という人も多いはず。肌に直接つけるものだけに、古いものを使い続けていると肌あれや予期せぬ肌トラブルの原因に…。分離、ネバネバ、パッケージが変色…それはアウト! 定期的にチェックしましょう。ドレッサーやポーチの中に眠ってる残念なコスメ、捨てるなら今ですよ!
美容クリーム/ハンドクリーム
【ここが捨て時!】
クリームなので中身が分離したり、においに変化があったら要注意。ジャータイプ(広口のふた付き容器)の容器に入っているクリームは、直接指を入れてすくうと菌がわきやすく持ちが悪くなる。ハンドクリームはチューブの口を直接手につけないよう気をつけて塗ろう。
【ポイント】
ジャータイプの容器に入ったクリームは、スパチュラと呼ばれるへらを使用するのが、長持ちさせる秘訣。2次汚染を防ぐためにも手で取るなどは控えたい。
【捨て方】
中身は出して可燃ごみに。チューブタイプなどで汚れを落とし切れない場合は、容器の素材によって可燃か不燃ごみで出そう。
化粧水/乳液
【ここが捨て時!】
化粧水は容器内に指を入れて使うことがないため、雑菌が入る心配は少なく、2次汚染の心配が少ない。だが、変色や異臭がする場合は廃棄を。乳液は分離していたら、処分しよう。
【ポイント】
化粧水は、基本的には1種類を毎日使っていれば1か月で使い切れるように作られている。複数の種類を使っている場合は半年くらいを目安にしよう。
【捨て方】
新聞や布に残った水分を含ませて可燃ごみに出す。リサイクルのためにはボトルだけでなくポンプ部分も洗って識別マークに従い分別して廃棄を。
マニキュア/リムーバー
【ここが捨て時!】
マニキュアの素材には樹脂をベースに顔料や、樹脂を溶かすための有機溶媒(水に溶けない物質を溶かすもの)が使われているが、これらは揮発(液体が常温で気体となって発散すること)しやすい。そのため古くなると液が固まりやすく、ブラシが抜けなくなることもある。その場合は、マニキュアのうすめ液を加えて溶かせば、使い続けても問題ない。特に腐るような成分はないので、基本は開封から1年を目安に使用を。
【ポイント】
マニキュアは爪につけると空気に触れ、有機溶媒が揮発して固まる仕組み。そのためプラスチックより密閉性が高いガラスの瓶に入っているが、長くふたを開けたままにしていたり、ビンの口に固まった液がつきふたがきちんと閉まっていないと劣化が早まる。
【捨て方】
基本は中身を出してから新聞や布に含ませて廃棄。ただし固まったマニキュアは中身を出して捨てるのが困難なためそのまま廃棄。燃えるごみか燃えないごみかは、自治体によって異なるので、最寄りの自治体のルールを確認しよう。リムーバーは揮発性が高いため、中身は必ず通気のいい場所で新聞紙や布に含ませて可燃ごみに廃棄を。容器は識別マークに従って廃棄。
旅行用ミニボトル/サンプル品
【ここが捨て時!】
旅行用ミニボトルなどもほかの化粧品と使用期限は同じ。中身に応じて対処を。1回分ごとにアルミパウチされた化粧水や乳液、クリームなどは、開封時に分離していたり、異臭がしていたら使わず処分を。
【ポイント】
アルミパウチのサンプル化粧品の場合、時間が経つとアルミがはがれてくることがある。破片が液体に混ざっている場合もあるので、事前によく確認してから使おう。
【捨て方】
アルミとプラスチックを貼り合わせたサンプル品もプラマークつきならプラスチックごみとして捨てられるが、そのまま捨てずにパウチを開封し、中身は新聞紙や布に含ませて可燃ごみに。
香水
【ここが捨て時!】
香水は化粧品の中では比較的長持ちするアイテム。ただ長く時間が経つと徐々にアルコールが飛び、香料の濃度が濃くなるため香りの質が変わってくる。肌に直接つける場合は、においが変わっていたら使用は避けよう。
【ポイント】
原則、使用期限の2~3年以上を過ぎた古い香水は直接肌につけるのは避けた方が無難。だが、肌につけなければ使用可能。においが気にならなければ、ルームフレグランスやスカートの裾につけて利用するのも可。
【捨て方】
中身は新聞紙や布に含ませて可燃ごみに出す。室内は香りが残るので庭やベランダなど屋外で作業を。容器は香水の場合ふた、ボトル、とめ金などそれぞれ素材が違うことが多いので、分別して廃棄を。
パフ・スポンジ/ブラシ
【ここが捨て時!】
スポンジやブラシは化粧品ではなく雑貨なので、特に決められた期限はない。だが、パフやスポンジが古くなり、滑らかさがなくなると肌への刺激が起こるので処分を。ブラシは毛先が開いたり、抜け始めたら使うのをやめよう。
【ポイント】
四角いタイプのパフなら未使用の部分の角を毎回1つずつ使い、さらに裏面を使用して計8か所、使い切ったら専用クリーナーや中性洗剤などをつけて洗う。同じ部分を2度使わないことで2次汚染の予防になる。
【捨て方】
持ち手部分の素材によって捨て方が異なるので、居住地域の自治体の区分を確認して廃棄しよう。
シャンプー/リンス/トリートメント
【ここが捨て時!】
湿気の多いバスルームで使うものは、カビやすい。シャンプーやリンス、トリートメントはいずれも乳化物なので、中身が分離したり、異臭がしたり、カビが生えたら処分を。ただ、シャンプーには洗浄のために界面活性剤が多く配合されており、化粧品ほど分離を起こすことは少ないが、1年くらいが目安と考えよう。
【ポイント】
リンスやトリートメントに含まれるカチオンという界面活性剤は髪に付着しやすい性質。そのため皮膚への付着力も高く、古いものを使っていると肌がかぶれるなどの悪影響が出ることもあるので注意を。
【捨て方】
新聞紙や布に中身を吸わせて可燃ごみとして、容器は識別マークに従って廃棄を。余ったシャンプーの中身は風呂掃除に使うなど再利用するのもおすすめだ。
正しい分別廃棄でリサイクルに貢献
コスメの場合、「肌につけたら色が気に入らなかった」「肌に合わない」などの理由で、使い切らずに放置することも多い。
「コスメの容器は異種素材が組み合わさっていることが多く、捨て方もさまざま。たとえば、コンパクトにミラーがついていてもプラマークにガラスの表示があれば、ミラーを外さずプラスチックとして捨てられます。ですので、パッケージに記載された“識別マーク”(「プラ」「紙」などの文字と、矢印が書かれた分別のためのマーク)に従い廃棄することが大切です」(日本化粧品検定協会代表理事・小西さやかさん・以下同)
その際、残った中身は必ず出してから廃棄が鉄則だ。
「特にやりがちなのが、洗面所やトイレに中身を流す行為。これは、詰まりの原因になるので絶対にやめてください。必ず新聞紙や布に含ませて可燃ごみに出しましょう」
少しの努力でリサイクルされることをお忘れなく。
教えてくれたのは:日本化粧品検定協会 代表理事・小西さやかさん
東京農業大学 食香粧化学科 客員准教授。化学修士(サイエンティスト)として科学的視点から美容、コスメを評価できるコスメコンシェルジュ。その知見から最短で最適な美容法「なまけ美容」を推奨。
※女性セブン2020年2月13日号
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