白菜、かきはもちろん、かつおは秋冬もおいしい時期。ひと手間かけてびん詰めにすれば、さまざまな料理に展開できて重宝します。料理研究家の重信初江さんが、びん詰めの作り方や、アレンジレシピを教えてくれました。
「びん詰めを作るときのコツは、保存性を考え、塩気をしっかりめにつけること。調味料代わりにもなるため、料理の味付けが簡単で、決まりやすいのも魅力です」（重信さん）
そのまま食べても、ひと手間加えてもおいしい、びん詰めを味わいながら、この冬を楽しみましょう！
びんの消毒方法
まずやっておきたいのは、一番重要なびんの消毒。耐熱性でふたがしっかり閉まる食品保存用のびんを用意。使う際に煮沸するか、食品にも使えるアルコールスプレーや、アルコール度数50度以上の焼酎で消毒して自然乾燥する。
基本の「酸菜（塩漬け白菜）」レシピ
酵効果で味わいと栄養価がアップ！
《材料》（できあがり約1kg分）
白菜…1.5kg、塩…大さじ2 1/3（白菜の分量の3％）
《作り方》
【1】白菜は繊維を断つ方向に2～3mmの薄切りにする。
【2】【1】に塩を全体にまぶして30分ほどおき、水気を固く絞ってからびんに詰める。
【3】常温で2～3日ほどおく。酸味が出てきたら冷蔵庫に入れる。約1か月保存可能。
POINT：隙間なく詰めてカビを防ぎ発酵を促す
空気に触れる面が多いとカビが生えやすいので、詰めるときは数回に分けて、指の第二関節で強く押して隙間なく詰める。
「酸菜豚鍋」レシピ
白菜と豚肉たっぷりの“すっぱ鍋”。
《材料》（2人分）
酸菜…500～600g、春雨…50g、豚しゃぶしゃぶ用肉…150g、A［水…4カップ、ごま油…大さじ1/2、しょうゆ…小さじ1、こしょう…少々］、にんにく…1かけ
《作り方》
【1】春雨は熱湯につけて戻し、ざく切りにする。肉は大きければ食べやすく切る。
【2】鍋にAを入れて火にかけ、煮立ったらにんにくの薄切りと酸菜を入れ、【1】を入れて煮ながらいただく。
MEMO
干ししいたけを入れると、旨みでさらに味わい深くなる。シメに焼き餅を入れてもおいしい。
「酸菜とかにかまのごま和え」レシピ
ごまの風味が効いたお手軽な一品。
写真13枚
《材料》（2人分）
酸菜…200g、かに風味かまぼこ…5本、A［白すりごま…大さじ2、ごま油…小さじ1］
《作り方》
【1】酸菜は汁気を軽く絞り、かに風味かまぼこは適当な大きさに裂く。
【2】ボウルに【1】とAを入れて和える。
MEMO
かにかまの塩気、ごまの風味だけで味が決まる。好みで、マヨネーズを加えるのも◎。
基本の「かきと長ねぎのオイル漬け」レシピ
旬のかきの旨みとねぎの甘みが凝縮。
写真13枚
《材料》（作りやすい分量）
かき（加熱用）…小20個前後（250g）、粗塩…大さじ1、長ねぎ…1本、サラダ油…大さじ1、塩…小さじ1/4、A［ローリエ（半分にちぎる）…1枚、赤唐辛子（2～3つにちぎる）…1本、酒…大さじ1、しょうゆ…小さじ1/2、こしょう…少々］、B［オリーブオイル・サラダ油…各1/2カップ］
《作り方》
【1】かきをボウルに入れて粗塩をふり、やさしく揉み洗いする。黒い泡が出てきたら水を替え、2～3回洗う。焼く直前にザルに上げて水気を切る。
【2】長ねぎは1.5cm長さに切り、サラダ油を熱したフライパンに並べて焼き色がつくまで中火で焼き、塩をふって油ごと取り出す。
【3】フライパンをキッチンペーパーでさっと拭き、かきを並べて中火で焼く。プリッとしてくるまで焦がさないように1～2分焼き、上下を返してさらに1分ほど焼いてAを回し入れて絡める。
【4】びんに【2】と【3】を入れてBを注ぐ。冷蔵庫で7～8日保存可能。
POINT：乾煎りで臭みを取って身もプリッとふっくら
かきは乾煎りで臭みが取れ、味が染みやすくなる。生食用のかきは洗浄で旨みが落ちているので加熱用を選ぶと◎。
「かきの塩焼きそば」レシピ
磯の香りが広がるシンプルな味。
《材料》（2人分）
かきのオイル漬け…6～8個、オイル漬けの油…大さじ1、焼きそば麺…2玉、長ねぎのオイル漬け…5～6個、A［酒…大さじ1、塩・こしょう…各少々］
《作り方》
【1】かきは粗く刻む。
【2】フライパンにオイル漬けの油を熱し、麺を入れて中火で焼く。あまりさわらずに3～4分焼いて焼き色をつける。
【3】【2】に【1】と長ねぎを加え、麺をほぐしながら炒めてAで調味する。
MEMO
かきを刻んで中のエキスを全体になじませる。麺は太めの方が、主張の強いかきと相性がいい。
「かきのオイル漬け＆チーズ」レシピ
濃厚で豊潤な味が白ワインとマッチ！
《材料》（2人分）
かきと長ねぎのオイル漬け・バゲット・チーズ…各好みの量
《作り方》
オイル漬けの油を軽く切り、バゲットやチーズなどを添える。
MEMO
かきの旨みが染み出たオイルをバゲットにつけてもおいしい。かきと長ねぎは日本酒にも合う。
基本の「カレー風味のかつお角煮」レシピ
甘辛ベースの家族みんなが好きな味。
写真13枚
《材料》（できあがり約450g分）
かつお（生）…1さく（約500g）、しょうが…20g、A［酒…1/2カップ、しょうゆ…大さじ3、砂糖・カレー粉…各大さじ1］
《作り方》
【1】かつおは1cm角くらいに、しょうがはせん切りにする。
【2】鍋にしょうがとAを入れ、煮立たせてから【1】を加える。あくを取り、ときどき混ぜながら汁気がなくなるまで7～8分煮る。
【3】冷めたらびんに入れて冷蔵庫へ。7～8日保存可能。
POINT：煮汁は沸騰させて酒の雑味を飛ばす
かつおを加える前に、煮汁を煮立たせてアルコールをとばす。煮汁の甘みや旨みが際立ち、かつおの臭みも抜ける。
「かつお入りポテトサラダ」レシピ
カレー風味でご飯にも合う副菜。
写真13枚
《材料》（2人分）
かつお角煮…80g、じゃがいも…小2個、紫玉ねぎ…1/8個、塩…小さじ1/4、マヨネーズ…大さじ2
《作り方》
【1】じゃがいもはラップに包み、電子レンジ（600W）で3分加熱する。上下を返してさらに1～2分加熱して柔らかくなったら、皮をむいて潰す。紫玉ねぎは薄切りにして塩をふり、5分ほどおいて軽く揉む。
【2】【1】と角煮を混ぜ、粗熱が取れたらマヨネーズを加えて和える。
MEMO
マヨネーズの量はお好みで調整してOK。サンドイッチの具材としてもおすすめ。
「かつお角煮とパプリカの炒めもの」レシピ
スパイシーな香りが食欲をそそる。
写真13枚
《材料》（2人分）
かつお角煮…120g、玉ねぎ…1/4個、赤パプリカ…1個、サラダ油…大さじ1/2、A［酒または水…大さじ1、塩・粗びき黒こしょう…各少々］
《作り方》
【1】玉ねぎは7～8mm幅のくし形に、パプリカは種を除いて乱切りにする。
【2】フライパンにサラダ油を熱し、【1】を加えて中火で1～2分炒める。
【3】玉ねぎが透き通ってきたら角煮とAを加え、汁気がなくなるまで炒める。
MEMO
味つけは少しの塩・こしょうで十分。パプリカと玉ねぎは火を入れすぎずに食感も楽しみたい。
教えてくれた人：料理研究家・重信初江さん
料理研究家。定番おかずから海外の料理まで、初心者でも簡単においしく作れるレシピが人気。近著は『味つけご飯とおみおつけ』（東京書籍）。
撮影／川村隆
※女性セブン2020年12月10日号
https://josei7.com/
●1か月保存できる冷凍野菜の作り方｜野菜3種のカット法と活用レシピを紹介！