12月10日より公開中の原田知世（54歳）と田中圭（37歳）がダブル主演を務める映画『あなたの番です 劇場版』。本作は、2019年に放送され大ヒットとなったサスペンスドラマを、舞台設定を変えて映画化したもの。一層スケールアップしたオールスターキャストによる演技合戦が繰り広げられ、観客動員数、興行収入共に好調なスタートを切っています。本作の見どころについて、映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんが解説します。
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“一見さん”も楽しめる、ドラマ版とは大きく異なる展開
本作は、秋元康（63歳）企画・原案によるドラマ『あなたの番です』（日本テレビ系）の劇場版。ドラマ版と同様、福原充則（46歳）が脚本、佐久間紀佳が監督を務め、主演の原田と田中の2人を中心に、超個性的なキャラクターが大集結しています。ただ、描かれる物語はまったくの別モノ。ドラマでは「交換殺人ゲーム」が展開しましたが、本作ではクルーズ船を舞台に、先の読めない連続殺人事件が起こることになるのです。
結婚式の参加者が謎の死…そこから連続殺人が
物語のあらすじはこうです。マンション「キウンクエ蔵前」に引っ越してきた手塚菜奈（原田知世）と翔太（田中圭）夫婦。平穏な日々を送る2人は引っ越しから2年後、クルーズ船上で結婚式を挙げることになります。そこに参加するのは、住民会を通して仲を深めた「キウンクエ蔵前」の住民たち。
愉快なうちに無事式が終わりますが、その直後、参加者の1人が不可解な死を遂げてしまう。逃げ場のない船上で1人、また1人と死人が相次ぎ、連続殺人事件が幕を開けるのです。
本作は、ドラマ版の“続編”ではありません。菜奈がマンションの住民会に参加したことで「交換殺人ゲーム」が始まるというのがドラマの流れでしたが、劇場版では“もしも住民会に参加したのが、菜奈ではなく翔太だったら”というパラレルワールドが描かれます。そのため予備知識は一切不要。ドラマ版を見た人なら諸々の設定の変更点を楽しめ、ドラマを見ていない人も一つの物語として楽しむことができるのです。
ドラマで退場したキャストも形を変えて奮闘
本作の見どころの1つは、やはり主演の2人をはじめ勢揃いしたオールスターキャストです。
ドラマ版の“もう1人のヒロイン”を演じた西野七瀬（27歳）や、キーマンとなる青年を演じた横浜流星（25歳）のほか、竹中直人（65歳）、木村多江（50歳）、生瀬勝久（61歳）、田中要次（58歳）、和田聰宏（44歳）、奈緒（26歳）、山田真歩（40歳）片桐仁（48歳）、峯村リエ（57歳）、そして刑事役の浅香航大（29歳）らドラマ版で個性の強いキャラクターを演じたキャスト陣が再集結しています。さらに、門脇麦（29歳）、酒向芳（63歳）が新キャストとして参戦し、物語を盛り上げています。
ドラマを見た人も別の角度から楽しめる内容
面白いのが、ドラマ版の早い段階で死んでしまったり、何かしらの形で退場したキャラクターが、本作ではまた別のかたちで奮闘していることです。“どーやん”こと二階堂忍を演じる横浜のアクションのキレは本作でも健在ですし、“尾野ちゃん”役で大きな話題を集めた奈緒の怪演もインパクト大。
また、菜奈と翔太も「交換殺人ゲーム」によって離れ離れになってしまいましたが、本作では最後まで共闘します。ドラマ版で“推し”のキャラクターがいた人にとっては、また違う角度から『あなたの番です』を楽しむことができるのではないかと思います。