健康・医療

現代人が陥りがちな「脂質中毒」、医師が指摘するリスクと“中毒度”チェックリスト

あぶらを摂るなら血液をサラサラにするオメガ3脂肪酸

脂質は知らず知らずのうちに摂取しがちですが、良質な脂質もあると岡部さんは言います。

あぶらの種類は大きく分けて3つ

あぶらを大きく分類すると、肉類やバターなど動物の体内に含まれている「動物性脂肪」、魚が体内に含んでいる「魚油」、ごま油や菜種油など植物に含まれている「植物性脂肪」の3つ。そこからさらに「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けることができます。この飽和脂肪酸の摂取量を減らし、その分を不飽和脂肪酸の多い食べ物に切り替えるといいそうです。

「不飽和脂肪酸のなかでも、魚介類、アマニ油、えごま油などは、オメガ3脂肪酸(DHA、EPA、ALA)を含んでいます。オメガ3脂肪酸を適度に(1日2g程度)摂ると、血液がサラサラになり、中性脂肪を減らしてくれる効果があり、心疾患リスクを低減させることができます」

アマニ油
大きく3つに分けられる油の中には、摂ってもいい油も。適量のアマニ油、えごま油などはOK(Ph/photoAC)
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電子レンジでの温め直しに注意

オメガ3脂肪酸は体にいい油ですが、摂取する際には注意点も。オメガ3脂肪酸をはじめとする不飽和脂肪酸は酸化しやすく、電子レンジでの温め直しで酸化したものを食べてしまっているケースがあるためです。

「電子レンジはマイクロ波で食材の中から加熱をします。油・脂料理は高熱を与えると、すぐに酸化してしまいます。酸化した脂質、酸化したコレステロールを食べると、体内で酸化悪玉(LDL)コレステロールが増加します。これが血管にプラークと呼ばれるコブを作り、動脈硬化の原因となります」

なってしまうと飛躍的に病気や肥満のリスクを高めてしまう脂質中毒。現代社会は脂質中毒になりやすい状況にありますが、飽和脂肪酸の摂取量を意識的に減らし、酸化していない不飽和脂肪酸を摂ることを心掛けるように意識することが健康のカギになりそうです。

◆教えてくれたのは:医学博士・岡部正さん

スーツを着た男性
医学博士の岡部正さん
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おかべ・ただし。岡部クリニック院長。慶應義塾大学医学部卒業。カナダ、カルガリー大学留学。亀田総合病院副院長を務めたのち、オーダーメイド医療を理想に、東京・銀座に岡部クリニックを設立。専門医として生活習慣病の予防と治療に長年携わる。日本病態栄養学会評議員、日本糖尿病学会認定専門医・指導医、日本肥満学会会員。著書に『脂質中毒 脳は「油」を欲するようにできている』(アスコム)など。

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