
透ける素材のバッグは、涼しげな雰囲気で夏にぴったりのアイテムですが、「海やプールに行くみたい」「アラフィフが取り入れるにはカジュアルすぎる?」という心配も。中身が見えてしまうだけに、おしゃれに見せるにはコツがありそう。そこでパーソナルスタイリストの杉山律子さんにうかがいました。
透けるバッグはすべてを透けさせないのがコツ
透けるバッグには、透明のビニール素材のものや、ビニール素材のバッグの中に布の内袋が重ねてあるもの、メッシュなどシアー素材でうっすらと透けるものなどさまざまなタイプがありますが、取り入れ方のポイントは?
「中に入れているものがすべて透けてしまうのはNGです。中身がすべて透けてしまうとなると、中身の1つひとつにもこだわりを持って、入れ方もきちんとしないといけなくなります。正直、かなり気を使わないといけないので大変です。
ですから、中に布の内袋がついているようなタイプを選ぶといいでしょう。メッシュ素材のバッグでも、内袋がついているものがおすすめです。または、透明のビニールバッグやメッシュのバッグに合ったポーチをセット化しておき、中身はポーチに入れるという方法もあります。
大人女性は、透けるバッグだけど透けさせないことが大事。中の内袋だけを透けさせること。スマホや財布などの中身を透けさせないことが、上品さをキープする上でとても大切です」(杉山さん・以下同)
透けるバッグは主役アイテム、服はシンプルにするのがベター
透けるバッグは、「透ける」という時点で主役アイテムになるため、コーデには注意が必要。さらに柄の部分がウッドなどの異素材を使ったものや色がはいっているものだと、コーディネートに影響も。

「例えば、透明で色のついていないビニール素材で、内袋が白やベージュ、茶ならバッグもベースカラーとしても捉えられますが、ビニール素材自体が主役になるアイテムなので、それを際立たせるという意味で、他のアイテムはシンプルにした方がいいでしょう。
柄の部分がウッドなどの異素材を使ったものや色がはいったデザインでも悪くはありませんが、洋服はとにかくシンプルにして、バッグと喧嘩しないようにすることが大切です。
バッグにも色味が加わってしまうと、コーデ全体の色が増えることになってしまいます。コーデは全身を3色以内にするのが基本ですから、バッグが透けていたとしても、色味がはいっている場合は、服には主張する色を使わず、ベースカラーでまとめた方が喧嘩せずにすみますよ」
バッグは1つ持ちが基本
また、「バッグは1つ持ちが基本」と杉山さん。
「ファッションは、バッグまで含めてトータルコーディネートすることがとても大事です。だから、いくら透けるバッグをアクセントにしたいと言っても他にエコバッグなどのサブバッグを持つと、コーデの邪魔に。透けるバッグ自体も際立ちません。おしゃれという点では、透けるバッグを持つ場合はそれをアクセントにして、他にバッグは持たないようにしましょう」
バッグの大きさは鏡の前で合わせて全体のバランスを確認
「持つ人の身長などに合ったバッグのバランスを考えることが、実はとても大事です。華奢な人がすごく大きなバッグを持つとバッグが悪目立ちしてしまいますし、すごく背が高い人がすごく小さいバッグを持つとそれはそれでバランスが悪い。体型に応じた、バランスのよいサイズ感というのがあります。
特に透けるバッグはリゾートっぽさが強いものなので、それなりに大きなサイズかと思いますが、鏡の前で合わせてみて体型とのバランスを確認することが大事です」
夏のトレンドアイテムである透けるバッグを使いこなせばおしゃれ度はアップ! 杉山さんのアドバイスを取り入れて、夏のおしゃれを楽しみましょう!
◆教えてくれたのは:パーソナルスタイリスト・杉山律子さん

一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。映画や広告、音楽業界など幅広い分野でスタイリストとして活躍後、結婚・出産を経て、2016年よりパーソナルスタイリストとして活動開始。ファッション講座やプロ認定講座を開催。顔立ちや体型、に合わせたスタイルの提案に定評がある。新著に『シンプルにはじめる 大人の着こなし入門 プロが教えるセオリー&アイデア』(翔泳社)がある。https://ameblo.jp/stylejiyugaoka719
取材・文/青山貴子