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年賀状、ポイントカード、診察券、通帳…形も大きさもバラバラの「おうち書類」をまとめて収納する方法

医療機関の受診に必要な書類だけでも形や大きさは様々(Ph/photoAC)
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形や大きさがバラバラな書類でも、まとめてスッキリ収納する方法がある──『実践! はじめてのホームファイリング 「おうち書類」の片づけかた』(同文舘出版)の著者でオフィス業務効率化コンサルタント、整理収納アドバイザー1級認定講師の長野ゆかさんはそう言います。

個別フォルダを活用する「ホームファイリング」とは?

長野さんが提唱するホームファイリング術でメインに使用するのは、1枚の厚紙に書類を挟むだけの「個別フォルダ」(主にオフィスの書類整理などに使われるアイテム。文房具店などで購入できる)です。

実物がピンとこない方は、パソコンのデスクトップ画面にある「フォルダ」のアイコン(図柄)を思い浮かべてください。これに、それぞれの分類の仕方(「保険」「病院」などの分野別、または「父」「母」「子供」といった人物別など)で整理した書類を入れていきます。そのように仕分けた個別フォルダを、家庭内の決まった場所に置くだけで、ホームファイリングの第一歩が完成します。

書類を挟むだけの事務用品「個別フォルダ」(『実践!はじめてのホームファイリング 「おうち書類」の片づけかた』より)
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そして、形や大きさがバラバラなはがきや診察券などのカード類を収納する際は、底の部分に3cm程度の幅がある「マチ付きフォルダ」が便利だそうです。

「マチ付きフォルダは、本来は契約書など厚みのある書類管理のための用品ですが、それ以外にも、家庭にあるいろんな書類をひとまとめで管理する場合に重宝します」(長野さん・以下同)

「年賀状」をすっきり収納

はがきはサイズが独特なので、小さな缶に入れたり、袋に入れて本棚に納めたり、専用ファイルを購入したり……と収納に苦慮している人が少なくありません。

保管には工夫が必要な年賀状(Ph/photoAC)
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マチつきフォルダなら簡単

「年賀状はマチ付きフォルダを利用するとスッキリ収納できます。厚みが3cmまでになるよう、100枚以下の単位でひとかたまりにし、輪ゴムでくくります。そして、縦向きにポンと入れて収納するだけです」

押し出し式で一定量がキープできる

なぜ、この方法がいいのでしょうか。

「毎年100枚以下の単位であれば、1冊のマチつきフォルダで2年分の年賀状を管理することができます。もし、直近2年分だけ保管するルールなら、一番古い年の年賀状と入れ替えるだけで、常にきれいな状態をキープできるからです」

「情報の種類」でグルーピング

マチつきフォルダは、モノの収納に大活躍します。情報の種類でまとめておけば、一層便利です。

モノも一緒にしまえる

「たとえば、年賀状と一緒に住所データの入ったUSBメモリや筆ペン、年賀状のデザイン本なども一緒に入れておけば『我が家の年賀状セット』の完成です。

他にも、『病院セット』なら、健康保険証・病院の診察券、お薬手帳を家族1人ずつセットして、ポーチごと入れておくのもよいでしょう。あるいは、『ご祝儀セット』として、筆ペンや新札のお金まで一緒に入れておくのも一案です」

紙やモノを、「情報の種類」で分けて収納する(『実践!はじめてのホームファイリング 「おうち書類」の片づけかた』より)
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収納パターンは無限

人によっては、パスポートやトランクケースの鍵、海外の紙幣をまとめた「海外旅行セット」、お花の種と、育て方の説明をまとめた「園芸セット」など、収納する情報のパターンは人によって無限です。

「固定概念にとらわれずに、『これは入れてみたら便利かな』を試していくうちに便利な収納が見つかっていきます」

紙・カードを「一つの情報」としてまとめる

銀行通帳やキャッシュカードなど、形や大きさがさまざまな書類について、長野さんは「別のモノとして形別に管理するのではなく、『一つの情報』として1フォルダに入れることで、安心と便利さの両方が叶います」とアドバイスします。

「スティックファスナー&リフィル」が便利

「個別フォルダを使い始める時、用意すると便利なのは『スティックファスナー』です。スティックファスナーは、1本の棒のような形状の道具で、これを個別ファイルに付けて使うことで、書類の穴あけ綴じや、リフィルを使った小さな収納も可能になります。

組み合わせるリフィルは、ポケットの数の違いだけでなく、チャックつきなど種類が豊富。たとえば通帳の管理では、銀行別・家族別などにポケットに収めることができ、一目瞭然となって情報の把握が容易になります。もちろん、キャッシュカードも一緒に入れておくことができます」

「個別フォルダ」による収納のアイディアは無限に広がる(『実践!はじめてのホームファイリング 「おうち書類」の片づけかた』より)
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薬と書類を「医療情報」としてまとめて管理も

「スティックファスナー+リフィルの収納は、薬の服薬管理にも便利。さらに病院からの案内や、健康診断、予防接種のお知らせ……といったこまごました書類を、薬と一緒に『医療情報』としてまとめて管理することもできます」

管理がしやすくなることで安心にもつながります。ご自身が便利だと感じるリフィルを見つけながらまとめてみてはいかがでしょうか。

◆教えてくれたのは:オフィス業務効率化コンサルタント、整理収納アドバイザー1級認定講師・長野ゆかさん

オフィス業務効率化コンサルタント、整理収納アドバイザー1級認定講師の長野ゆかさん
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オフィスミカサ代表取締役、オフィス業務効率化コンサルタント、整理収納アドバイザー1級認定講師。文書ファイリングを中心に、オフィスの環境改善、効率化などを指導。コンサルタントとしてのべ40トンの書類削減実績。講師として厚労省、全国の自治体や企業で研修実績がある。ホームファイリング(R)では一般向けのセミナー、訪問作業サポートができる講師の育成にも注力する。2022年10月、『実践! はじめてのホームファイリング 「おうち書類」の片づけかた』(同文舘出版)を出版。https://twitter.com/officemikasa

※ホームファイリング(R)は株式会社オフィスミカサの登録商標です。

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