ガムを噛むことで集中力をつかさどる前頭葉が活性化
集中力を手に入れるためには自律神経を整えることが重要ですが、より手軽な集中力アップ方法として小林さんがすすめるのは「ガムを噛むこと」。咀嚼には脳にある海馬を刺激して血液量を増やし、前頭葉を活性化させる効果があり、ガムは食事の時間以外でも採り入れることができるためです。
「前頭葉は、集中力や注意力をつかさどる部位です。この点からいっても、咀嚼には、直接的に集中力を高める働きがあるのです」
ガムを噛んでいると問題への反応速度がアップ
東京歯科大学の研究者らが発表した論文によると、健康な男女13人がガムを噛んでいないときとガムを噛んでいるときに、問題への反応速度や正答率に違いがあるかを調べた結果、ガムを噛んでいるときのほうが、反応速度も正答率もよくなることがわかったそうです。
「また、ガムを噛んでいるときのほうが、前頭葉が活性化されているというデータも出ました」
咀嚼は自律神経を整えることにも役立つ
さらに、ガムを噛むときのリズム運動は自律神経を整えることにも役立つそうです。リズム運動としては深呼吸やウォーキングなどでも同じ効果が得られますが、特にガムは直接的に脳にも働きかけ、作業をしながら噛むことができるため、集中力アップのアイテムとして非常におすすめ。
「まさにリズミカルにガムを噛む『リズミ噛む運動』で、集中力を引き上げ、パフォーマンス向上に役立ててください」
◆教えてくれた人:順天堂大学医学部教授・小林弘幸さん
こばやし・ひろゆき。順天堂大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。「腸のスペシャリスト」として、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設。著書に『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)、『医者が考案した「長生きみそ汁」』(同)など。