
愛子さまが2024年3月26日から1泊2日の日程で三重県の伊勢神宮と奈良県の神武天皇陵を訪問された。2月に成年皇族として宮中午餐会デビューをされ、今回は初めてお一人での地方ご訪問を経験された。そこで伊勢ご訪問2日目のご様子を振り返る。
博物館・施設をご視察 子供たちと交流も
26日に伊勢神宮へのご参拝を終えられ、翌日の27日は三重県明和町の「斎宮歴史博物館」を訪問された。愛子さまを一目見ようと、大勢の人が詰めかけるなか、愛子さまが子供たちを見つけ、歩み寄られる場面もあった。これは事前の予定にない行動で、愛子さまのお気遣いあふれる”サプライズ”に子供たちは大喜びだった。



伊勢神宮に仕えた女性皇族、「斎王」に関する資料を集めた施設で、中世を代表する女流歌人・ 式子内親王(しょくしないしんのう)の和歌も展示されていた。「中世の和歌」をテーマに、A4サイズで数十ページの卒業論文を提出されたという愛子さまは、「卒論で扱いました」と話された。


その後、近くにある平安時代の生活や文化を体験できる施設、「いつきのみや歴史体育館」をご訪問。平安貴族の遊び「貝覆い」を体験された。裏返しに並べられた貝から2枚を手に取り、ぴったりと合う対の貝殻を探す遊びで、実際に愛子さまが合う貝殻を見つけられると、笑顔を見せられた。そして、「貝覆い」を体験している小学生に「コツは何かありますか?」などと声をかけられ、交流された。



その後、伊勢市の宇治山田駅に到着された際にはマスクを外し、見送りに来た大勢の人たちに手を振られた。


グレーのロングドレスで神武天皇陵を参拝
神武天皇陵を参拝されるため、奈良県橿原市へ移動された愛子さま。近鉄大和八木駅に到着し、出迎えた駅長や奈良県知事らと挨拶を交わされた。



今回の参拝は、初代天皇とされる神武天皇に大学ご卒業やご就職の報告をされるためのもので、2016年7月に天皇皇后両陛下とともに訪れて以来、約8年ぶりとなる。



神武天皇陵に到着された愛子さまは淡い水色のスーツから参拝服に着替えられた。歴代天皇陵へのご参拝の際、女性皇族はロングドレスを着用されるというドレスコードがあるとされており、これまでグレーや黒が選ばれている。今回、愛子さまはグレーのロングドレスに黒の帽子をお召しになっていた。



神妙な面持ちで参道をゆっくりと歩き、陵の前で玉串をささげ、深く拝礼された。8年前、神武天皇陵を初めて参拝されたときは両陛下と並ばれ参拝された愛子さま。初めてとなる、お一人でのご参拝を無事に終えられた。






ご参拝を終えた愛子さまを見送るため沿道と駅前に大勢の人が集まった。愛子さまは車を降りると、笑顔で手を振られ、何度も会釈された。そのまま、橿原神宮前駅に入られ、帰京された。



無事に、初めてとなる単独での地方訪問を終えられた愛子さま。以前、天皇皇后両陛下と神武天皇陵を訪問された際には制服姿だったが、立派に成長され、エレガントなドレスで参拝される姿には皇室の一員として両陛下を支えるご自覚が感じられる。4月から宮内庁がインスタグラムで皇室の活動に関する情報を発信する予定だが、愛子さまの素敵な笑顔を見られる機会が増えるだろう。

初日の3月26日は、伊勢神宮を参拝された愛子さま。その姿を振り返る。
伊勢神宮ご到着直前に雨が止み、傘なしでご参拝
愛子さまの伊勢神宮へのご訪問は2014年7月に天皇皇后両陛下(当時は皇太子ご夫妻)とともに参拝して以来、10年ぶりとなる。当時、12歳の愛子さまは制服姿だった。


26日の午前、車で皇居を出発し、東京駅へ向かわれた愛子さま。新幹線などを利用し、同日の午後に三重県の近鉄鳥羽駅にご到着。電車から降りられた愛子さまは白のスーツ姿。朗らかな表情を見せられていた。


雅子さまも、これまで三重県をご訪問された際に、ホワイトのスーツを選ばれていることが多かった。これは沿道の人からわかりやすいように選ばれているとされており、愛子さまも雅子さまからお召し物についてアドバイスがあったのかもしれない。




この日は雨が降っており、駅で車に乗る際には傘をさしていたが、伊勢神宮に到着される直前に雨がぴたりと止んだ。天候を心配する声も上がっていたが、ご参拝の際には傘を差さずに参道を進まれた。SNSでは天気の回復について「凄い」、「奇跡」といった声が上がった。天照大御神は太陽を司る女神であることから、そのことに関連させて感嘆する投稿もあった。
愛子さまのご成長を感じさせる“笑顔”
ご参拝の際には、ワンピースから参拝服であるホワイトのロングドレスに着替えられた。衣食住の神、豊受大御神が祀られている外宮の参道には、伊勢神宮の職員や地元の幼稚園児らが出迎えていた。愛子さまは小雨が降るなか、会釈をし、笑顔を見せられながら歩まれた。お祓いを受けたあと、正殿の前で玉串をささげて深く拝礼された。






その後、皇室の祖先神とされる天照大御神が祀られている内宮をご参拝。10年前は緊張した面持ちの愛子さまだったが、今回のご参拝では笑顔を見せられ、堂々とされていた。ご成長を感じられる姿は、多くの人に勇気を与えたことだろう。








皇室では即位や退位、結婚などの人生の節目に、伊勢神宮にまつられている天照大神に報告されることが慣例となっている。愛子さまの初めてのご参拝や天皇皇后両陛下の「親謁(しんえつ)の儀」を振り返る。
愛子さま 中等科時代に両陛下と共に伊勢神宮、神武天皇陵へ初めてのご参拝
愛子さまが初めて伊勢神宮を訪問されたのは、2014年7月、12歳のときで、天皇皇后両陛下(当時は皇太子ご夫妻)と共に外宮と内宮を参拝された。皇后雅子さまにとって20年ぶりのご参拝でもあった。20年に1度、神宮が社殿を造り替えてご神体を移す式年遷宮「遷御の儀」が2013年の秋に行われたことを受けたご訪問だった。





セーラー服姿の愛子さまは、緊張されたご様子で、両陛下とともに参道を進まれた。そして、神職からおはらいを受け、玉串をささげて拝礼された。
2年後の2016年7月、神武天皇陵を参拝されるため奈良県へ訪問された天皇ご一家。神武天皇陵へのご参拝は、愛子さまにとって初めてだった。雅子さまは、1993年6月に結婚のご報告をするため、また翌年の1994年4月にも神武天皇陵を参拝されている。天皇皇后両陛下(当時は皇太子ご夫妻)は、以前から愛子さまとともに参拝することを望まれていたという。



天皇陛下、雅子さま、愛子さまの順でゆっくりと進み、墳丘前の祭壇に玉串をささげて拝礼された。
同年4月に神武天皇2600年式年祭が行われ、皇居で天皇陛下皇后両陛下が上皇上皇后両陛下(当時は天皇皇后両陛下)の名代として祭祀に臨まれ、雅子さまは2009年1月7日の「昭和天皇二十年式年祭の儀」以来、約7年ぶりの宮中祭祀を果たされている。




愛子さまの初めての単独参拝の際には、大学卒業や日本赤十字社のご就職についてなどを報告されるとみられている。ご一家で初めてとなった“お墓参り”では、雅子さまのご快復、そして愛子さまの成長を報告されたのかもしれない。
即位後「親謁の儀」のため伊勢神宮へ 雅子さまは即位パレードで使用したオープンカーをご使用
天皇皇后両陛下が即位された2019年に、「即位の礼」と「大嘗祭(だいじょうさい)」の終了を報告する「親謁の儀」に臨まれるため、11月21~23日に三重県へ、11月26~28日は奈良・京都を訪問された天皇皇后両陛下。

「親謁の儀」に伴い、伊勢市をご訪問(2019年11月21日、Ph/JMPA)

臨時専用列車で伊勢市の宇治山田駅に到着(2019年11月21日、Ph/JMPA)

11月22日は伊勢神宮の外宮、翌日の23日は内宮をご参拝。両日、天皇陛下は天皇の装束とされる黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)に着替えられ、雅子さまは十二単(じゅうにひとえ)に身を包まれた。22日は雨で、天皇陛下は幌(ほろ)が付いた馬車で移動され、馬に対してアレルギー症状がある雅子さまは、通常の車を使われた。


翌日の天気は快晴で、天皇陛下は2頭立ての馬車で、雅子さまは「祝賀御列の儀」で使用したオープンカーで移動された。













先に天皇陛下が歴代天皇に伝わる三種の神器の剣と曲玉(まがたま)を携えた侍従らとともに、雨儀廊(うぎろう)と呼ばれる仮設の板床張りの廊下を約110メートル歩き、正殿(しょうでん)で玉串をささげ、拝礼された。歩いて正殿に昇る際には陛下の頭上に御菅蓋(おかんがい)と呼ばれる菅笠が差しかけられた。陛下のご拝礼後、雅子さまも同様の所作で拝礼された。







伊勢神宮の内宮と外宮には、神馬(しんめ)が2頭ずついる。2022年6月に内宮の1頭が死んだことから、新たに皇室から贈られることになった。2023年10月12日、天皇ご一家は、皇居内の厩舎で伊勢神宮に贈られる神馬、「本勇号」(もといさむごう)と触れ合った。動物好きな愛子さまは、カットされたにんじんを与えられ、「よく食べるんですね。詰め込んじゃった」と笑顔を見せられた。

「提灯奉迎」美智子さまと同じ心遣いを感じられる服装を
伊勢神宮での「親謁の儀」を終えた3日後、11月26日の夜に奈良県を訪問された天皇皇后両陛下を提灯で歓迎する「提灯奉迎」が宿泊先のホテル前で行われた。かつて上皇后美智子さまが、「提灯奉迎」の際に、暗い中で待っている人たちから見えやすいようにとの配慮から明るい服装を選ばれたそう。雅子さまがオフホワイトのスーツに、同色の帽子を選ばれていたのは、美智子さまのお心遣いを受け継がれたのかもしれない。




翌日の27日、宿泊先のホテルから、奈良県橿原市にある神武天皇の陵にご到着。両陛下は天皇陵の前に進まれ、玉串を供えて深く拝礼された。





午後は、京都市東山区にある江戸時代の孝明天皇の陵を、28日は京都市伏見区にある明治天皇の陵を参拝された。
歴代天皇陵へのご参拝の際、女性皇族はロングドレスを着用されるというドレスコードがあるとされており、これまで、グレーや黒が選ばれてきた。過去には制服姿で参拝されてきた愛子さま。今回はどんな参拝服を着られるのか注目が集まりそうだ。



















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