普段着としても外出着としても便利なシャツ。おしゃれな一枚も、着こなし方によって印象がガラリと変わってしまうもの。そこで、シャツの選び方や着こなしのコツをパーソナルスタイリストの杉山律子さんにうかがいました。
色は白!シャツに動きが出しやすいオーバーサイズを
シャツは、サイズ感や素材によって印象が異なるアイテム。ジャストサイズできちんと感があるシャツを選ぶとビジネスライクですが、大人女性がこなれた感じに着こなすにはどんな色やサイズがおすすめなのでしょうか。
「使いやすい色は断然、白です。
サイズ感は、シャツをボトムの上に出してそのまま着るのか、タックインして着るのかによっても変わってきます。タックインする場合は、シャツの長さや幅を確かめてインしやすいものを。オーバーサイズ気味の方がシャツに動きは出しやすくなりますよ。
シャツはサイドにスリットがはいっているものが多いのですが、タックインするにはゆるやかなカーブのスリットを選びましょう。スリットが直線的になっているものがありますが、それだとタックインしたときにシャツの前後がはっきりしてしまい格好よく見えません。
シャツを出して着る場合は、質にこだわることが重要。一枚でさらっときてもさまになるものは、やはり『フランク&アイリーン』などハイブランドのものに多いと思います。シャツはサイズ感がとても大事。特にプチプラで選ぶ場合は、必ず試着してボトムとのバランスを確かめましょう。テーパードパンツに合わせるならオーバーサイズでOKですが、ワイドパンツやワイドデニムだとコンパクト目のシャツのほうが合わせやすいですよ」(杉山さん・以下同)
落ち感のある柔らかめの素材なら体型カバーに
「ハリのあるシャツは実は体格よく見えてしまうんです。特に胸が大きかったり、肩ががっちりした体型の人は、ハリのある素材のシャツを着ると太って見えてしまうので要注意。落ち感のある柔らかめの素材を選べば、体型をうまくカバーしてくれます。
また、若い女性のインスタなどではシースルーのシャツを重ね着するスタイルを見かけますが、大人女性にはシースルー素材も重ね着も難易度が高いのでおすすめしません」
シャツのボタンを3~4つ開けて抜け感を、腕まくりで動きを出す
シャツはおなじみのアイテムなのに、実際に着るとなぜか野暮ったくなってしまうという声も聞きますが、おしゃれに着こなすコツは?
「シャツをこなれてみせるには、ボタンの開け方が重要です。ボタンを1~2個開けて着る人は多いと思いますが、中にキャミソールを仕込んでおいてボタンを3~4個開け、深めのV字ラインを作ると抜け感が出ておしゃれに見えます。
抜け感のある着こなし方では、襟を後ろに引っ張り、襟抜きする着方もインスタなどでよく見かけますよね。写真の場合は一瞬なのでいいのですが、動いているうちに前に戻ってきてしまうんです。それよりもボタンを深めに開けて抜け感を出す方が簡単で取り入れやすいですよ。
さらに、腕はまくって服に動きを出しましょう。シャツはそのままのっぺりと着るよりも、腕まくりをして表情をつけるとこなれた感じを演出できます」
シャツのフロントはボトムスにイン
「シャツのフロントはボトムスにタックインすると、ボトムスとのバランスも取りやすく、スタイルアップにも効果的です。
タックインするときは、中央よりも左右どちらかに少しずらした位置に入れ込むことが多いのですが、シャツは中心にボタンがついているので、真ん中でインしたほうがバランスよく見えますよ」
シンプルな白シャツをそのまま着ると、ビジネスライクすぎたり、なぜか似合わないと感じたりすることも。「服は動きを出したり、表情をつけたりすることで素敵になる」という杉山さんのアドバイスを取り入れて、こなれ感のある大人女性ならではの着こなしを楽しみましょう。
◆教えてくれたのは:パーソナルスタイリスト・杉山律子さん
一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。映画や広告、音楽業界など幅広い分野でスタイリストとして活躍後、結婚・出産を経て、2016年よりパーソナルスタイリストとして活動開始。ファッション講座やプロ認定講座を開催。顔立ちや体型、に合わせたスタイルの提案に定評がある。新著に『シンプルにはじめる 大人の着こなし入門 プロが教えるセオリー&アイデア』(翔泳社)がある。https://ameblo.jp/stylejiyugaoka719
取材・文/青山貴子
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