「おしゃれは足元から」という言葉があるが、服をばっちりコーディネートしたつもりなのに靴を合わせた途端、「なんだかしっくりこない」ということも珍しくない。そこで、春の足元コーデについてパーソナルスタイリストの杉山律子さんにうかがった。
パンプスと靴下を合わせるのはNG。透け感のあるストッキングと合わせて
若い女性を中心に春から夏前までに多く見かけるのが、「パンプス×靴下」のコーデ。アラフィフ女性でもトライしてみたいという人もいるかもしれないが、「ダサくなってしまいそう」という心配も。
「パンプスに靴下を合わせるコーデは、ほっこりしたイメージになるので大人女性には難易度が高い組み合わせです。例えば、白いつるんとした素材の白いソックスにパンプスを合わせ。それをおしゃれに見せるのはかなりのおしゃれ上級者に限られます。
最近はシアー素材の靴下などもあって、靴下をおしゃれに取り入れたいという人もいると思いますがおしゃれ初心者は大失敗しやすいので注意が必要です。
パンプスは大人女性にとってすごく優秀なアイテムですが、素足にはくか、ストッキングと合わせるのが鉄則。
ストッキングは地厚のベージュ色だとおばさんっぽくなってしまうので、透け感があり素足のように見えるけれど肌をキレイに見せてくれるものを選びましょう。加えて、つま先の切り替えがないストッキングを選ぶほうが、はきこみが浅く甲が多く見えるパンプスをはいた場合でも、切り替えの部分がはみ出ないのでおすすめです」（杉山さん・以下同）
ベーシックカラーでシンプルなポインテッドトゥが万能
店頭ではデコラティブなデザインや鮮やかなカラーが目を引くが、どんな色や形のパンプスを選んだら間違いないのか。
「飾りなどが付いていないシンプルな形で、つま先がとがっているポインテッドがベスト。ヒールは低くてOKです。足の甲が多く見えるほうが足長効果があり、抜け感にもつながります。つま先がラウンドタイプのバレエシューズもダメではありませんが、大人女性には甘すぎてしまうこともあります」
色は黒と白が基本。3足目にはダークブラウンがおすすめ
「まず持つべき色は、ベーシックな黒と白ですが、女性らしいキレイめな印象を目指すならダークブラウンも合わせやすいのでいいと思います。
黄みが強いブラウンや赤みが強いブラウンだと、意外とベージュの服と喧嘩したりするんです。その点、ダークブラウンならいろいろな色と合わせやすいし、黒よりも柔らかい印象の締め色になり、女性らしさを演出できますよ」
パンプスはどんなボトムスとも相性抜群の優秀アイテム
パンプスはどんな服と合わせたら、大人っぽいおしゃれを楽しめるのか気になるが、「パンプスはどんなボトムスとも合う優秀アイテム」だと杉山さん。
「大人女性のコーデに欠かせないテーパードパンツやワイドパンツはもちろん問題なく合います。むしろ、テーパードパンツはパンプス以外は合いません！『全身コーディネートしたのに靴を合わせたらしっくりこない』というときも、パンプスを合わせればまず失敗しません。
バレエシューズのような甘めの靴をはく場合は、少し注意が必要。レースやフリルなどがついている甘めの服に、バレエシューズを合わせてしまうと極端に甘いイメージになってしまいます。例えば、オーバーサイズのシャツに細身のデニムといったシンプルな服に合わせるのが鉄則ですよ」
おしゃれ初心者の大人女性には靴下を取り入れたコーデはハードルが高いもの。若い女性のトレンドを取り入れるよりも、足の甲を見せる抜け感のあるおしゃれで大人女性らしい軽やかな足元のおしゃれを楽しんで！
◆教えてくれたのは：パーソナルスタイリスト・杉山律子さん
一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。映画や広告、音楽業界など幅広い分野でスタイリストとして活躍後、結婚・出産を経て、2016年よりパーソナルスタイリストとして活動開始。ファッション講座やプロ認定講座を開催。顔立ちや体型、に合わせたスタイルの提案に定評がある。新著に『シンプルにはじめる 大人の着こなし入門 プロが教えるセオリー＆アイデア』（翔泳社）がある。https://ameblo.jp/stylejiyugaoka719
取材・文／青山貴子