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《65歳からの働き方》薄井シンシアさん、主婦の再就職を支援する組織を立ち上げることに「私にしかできないことをやる」

コネのない主婦がいきなり起業するのは難しい

様々な人から起業も勧められました。でも起業はしたくありません。起業すれば、人からお金を取ることに興味がいってしまうでしょう? 私がしたいのは、私のコネクションを使って仕事を取って、主婦に仕事をシェアしたり、情報共有の場を作って、主婦が再就職しやすい環境をつくることです。

例えば、ホテルや展示会のコンシェルジュが不足しています。そういう仕事を、私がこれまで培ったコネを活かしてとってきて、専業主婦を派遣できないかと考えています。

いまの日本社会では、何もコネクションを持たない主婦がいきなり起業しても、成功するのは難しいでしょう? 起業して順調に事業を伸ばしている人の多くは男性で、彼らは就職時に得たネットワークを使って事業を拡大しているんですよ。今こそ、機が熟して私が実行に移す時かもしれません。

会員数が増えれば、企業も関心を持つかもしれない

そのために、主婦同士が語る会を組織化して、週1回のペースで開きたいと考えています。会合は毎回10人限定。お金儲けが目的ではないので、3000円か4000円の実費を集める食事会の形にします。メンバーの組み合わせは、私が、お互いにメリットになりそうな相手を考えます。

会で出た意見もウェブサイトで発信して共有します。会員を無料登録制にして、会員になったらブログを読めたり、会合に参加出来たりするという特典をつけたら、けっこう集まると思わない? 会員数が増えれば、企業が関心を持って、仕事の依頼も来るかもしれません。

◆薄井シンシアさん

薄井シンシア
薄井シンシアさん
写真4枚

1959年、フィリピンの華僑の家に生まれる。結婚後、30歳で出産し、専業主婦に。47歳で再就職。娘が通う高校のカフェテリアで仕事を始め、日本に帰国後は、時給1300円の電話受付の仕事を経てANAインターコンチネンタルホテル東京に入社。3年で営業開発担当副支配人になり、シャングリ・ラ 東京に転職。2018年、日本コカ・コーラに入社し、オリンピックホスピタリティー担当に就任するも五輪延期により失職。2021年5月から2022年7月までLOF Hotel Management 日本法人社長を務める。2022年11月、外資系IT企業に入社。65歳からはGIVEのフェーズに。近著に『人生は、もっと、自分で決めていい』(日経BP)。@UsuiCynthia

撮影/小山志麻 構成/藤森かもめ

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