自宅で顔のケアができる美容家電は年々進化しており、家電量販店でも「美容家電」の人気が高まっている。そこで、さまざまな機能がある最新機器の中から、微弱な電流で肌の奥まで作用するイオン導入・導出機能があるアイテムを紹介。美容家電ライターの田中真紀子さんに解説してもらった。
美容成分を浸透し、毛穴汚れを浮き上がらせる!イオン導入・導出
イオン導入は、肌に浸透しにくい美容成分を微弱な電流でイオン化し、肌表面のバリアゾーンを突破して肌の奥まで浸透させる。
「ただし、分子の大きいコラーゲンなどは浸透しにくい。そこで最近は特殊な電流で一時的に細胞膜に孔を開け、分子の大きな美容成分を届ける『エレクトロポレーション(電気穿孔法)』技術を搭載した美顔器も増えています」(田中さん・以下同)
イオン導出は、毛穴の汚れやメイク残りを微弱な電流を使い「+の汚れには-」「-の汚れには+」のイオンを発生させ、汚れをコットンなどに浮かせて吸着させる。
美容クリニックに学んだテクノロジー パナソニック「イオンブーストマルチ EX (EH-SS85)」
同社史上最高ハイパワー(2023年9月27日時点)の独自技術「パワーブーストテクノロジー」(特許出願中)を搭載。これは水分層と脂質がミルフィーユのように積み重なっている角質層に、美容成分の”通り道”を約3秒で作る技術。
手では浸透しにくい分子の大きな美容成分も肌の奥深くまで届けられるため、手で塗った場合と比較するとヒアルロン酸は12倍(※1)、コラーゲンは6.3倍(※2)角質層までの浸透力が高まる。角質細胞までうるおうため、乾燥小じわが目立たない肌に導く。
「使用後は手が吸いつくほど、しっとりします」
ブーストヘッドの反対側には独自の「デュアルダイナミックEMS」を搭載。EMSにより表情筋のトレーニングも可能。
※1 ヒアルロン酸分子量5000~1万を使用した浸透試験を実施。ヒアルロン酸水溶液で浸透試験を実施。BOOSTモード使用後に、MOISTモードで塗布した場合と手で塗布した場合の比較(同社調べ)。
※2 コラーゲン水溶液で浸透試験を実施。BOOSTモード使用後にMOISTモードで塗布した場合と、手で塗布した場合の比較(同社調べ)。
エステティシャンの手技と癒しを再現 ナリス化粧品「ルミエ」
エステティックサロン『ルミエ・パリ』を運営する同社の美顔器は、“人の手ができる技術と癒し”も再現するテクノロジーを搭載している。
「CLEANモード」で毛穴の奥やキメに入り込んだ微細な汚れや老化角質を吸着する。
「このモードを使うたびにコットンに汚れがつき、日に日に肌の透明感がアップします」
そして美容成分を肌の奥へと届ける「MOISTモード」は水分の浸透量は約1.5倍、ビタミンCの浸透量は約4倍まで高まったという研究結果がある。
ほかに、エステティシャンのタッピングのような独自のEMS刺激でコリをほぐしたり、保湿しながらEMSで肌を鍛える機能も。どれも2~4分で完了するため日々のスキンケアに取り入れやすい。
美顔器、素朴なギモン
美顔器の素朴なギモンについて教えてもらった。
いくらくらいの商品がいい?
「価格帯では3万~10万円がおすすめです。一見高く感じますが、どの製品もメーカーの英知を結集しており、日々サロンレベルの施術が可能になります」
どうしたら続けられる?
「続かないのがいちばんのネック。まず欲しい機能を明確にして、その機能の使いやすさを重視しましょう。しまい込まず、生活のルーティンに取り入れて」
ズバリ、美顔器のメリットは?
「毎日使い続けることで美肌へ導く“貯金”のようなもの。一日も早く取り入れてほしいです」(ヤーマン ブランド戦略本部コーポレートコミュニケーション部の島田京代さん)
◆教えてくれたのは:白物・美容家電ライター 田中真紀子さん
常に多数の最新家電を使用しながら生活者目線で情報を発信。生活総合情報サイト「All About」では白物・美容家電ガイドを担当。https://makiko-beautifullife.com/
取材・文/藤岡加奈子
※女性セブン2024年10月10日号