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《残念なニュースでつらい》大谷翔平「早すぎる世界一」第6戦&7戦チケット保持の元芸能記者が「払い戻し作業」で複雑な心境

MLBワールドシリーズの優勝に貢献した大谷翔平(時事通信フォト)
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ついに勝ったーー! おめでとうーー!! う~ん、でもつらい……。10月31日午後1時前(日本時間)。MLBワールドシリーズ(WS)第5戦で、ドジャースがヤンキースを4勝1敗で倒して、4年ぶり8回目の世界一になった。テレビ画面に映る大谷翔平選手(30才)は、悲願を達成して喜びを爆発。NHK-BSとフジテレビで生中継された日本列島も歓喜に包まれた。ただ、そんな感動のフィナーレの裏で、少々複雑な心境でテレビを眺める大谷ファンがいた。

テレビを横目に慌ただしく支度を始めたが…

昨年3月の侍ジャパンWBC世界一の瞬間を米国マイアミまで観戦に行っていた、49才バツイチ子持ち、ワンオペ育児の元スポーツ紙芸能記者・瀬津真也氏は、今回も雌雄を決すると目をつけた第6、7戦目を応援するべく、この日の夜発のロサンゼルス行きの便に乗り、アメリカへと飛び立つはずだった。

瀬津記者がロス渡航のために荷造りしていた荷物
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「3回裏を終えて0-5。これはドジャースが負けて、第6戦までもつれるぞ。至急、旅の荷造りをしなきゃと、留守番する娘たちの数日分の食事を作り終えて、テレビを横目に慌ただしく支度を始めたところでした」(瀬津氏、以下同)

そこからドジャースは、驚異の反攻で7-6の大逆転勝ち。その瞬間、瀬津氏のスマートフォンに入っていた第6、7戦のプラチナチケットは、露と消えた。

「1枚はリセールサイトで、もう1枚は日本時間深夜2時のチケット発売日にドジャースの公式ホームページで、定価で購入。どちらも最安値約13万円の席を買えました。大谷選手が強豪ドジャースに移籍してから、必ずWSまで勝ち進むと信じて、貯金をしてきた資金をつぎ込みました」

“ただの紙切れ”ならぬ“ただのスクショ”になってしまったワールドシリーズ「ドジャース対ヤンキース」第6、7戦の電子チケット
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瀬津氏は、大学時代の1996年に野茂英雄さんのドジャース1年目の試合観戦で、人生初の渡米。その後はスポーツ新聞社に入社して、2002年に野茂さんと石井一久両投手所属のドジャース担当カメラマンとして遠征したほどに、同チームと縁があった。

「ロス在住で米国人の友人が、『おれたちのドジャースの応援に来るならば、我が家に泊まって』と、宿泊費は浮かせてもらえる手はずでした。飛行機も無料のマイレージ特典航空券。とにかくチケット代以外は極力出費を抑える形で、この8月から準備を進めていました」

今季は、3月の韓国ソウルでの開幕戦と、7月のドジャースタジアムの試合にも遠征していた瀬津氏は、「ロスでは古いモーテルでも1泊約3万円。スタジアムのビールは1杯3000円。インフレと円安の二重苦で、滞在費用がきつい。そこをいかに切り詰められるか。私も友人宅が無かったら、1泊90ドルの韓国スパ(スーパー銭湯)に泊まる予定でした」と苦心する実情を話した。

そこまでの手間と金を使った計画が泡と消えて、「生まれて初めて敵チームを応援しかかけてしまったし、大谷選手の悲願成就にもこれまでのように大興奮では喜べなかった」と苦笑いする。

シーズンオフにジムで黙々とトレーニングをする姿を見ていた

ただ、即座にリセールサイトとドジャースからは、無事にメールでチケット代の全額返金の知らせが届いた。

チケットリセールから即座に送られてきたチケット代全額返金のお知らせメール
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「メールには『あなたがどれだけエキサイティングな気持ちで試合を待っていたかを知るだけに、我々もこの残念なニュースを伝えることが辛いです』と書かれていました。フライトをキャンセルする電話で、オペレーターに『ドジャースが勝っちゃったので』と理由を話したら、『アハハハ』と笑われてしまいました」。ロス在住の知人からは、「今、近所のみんなで祝勝会中だ。金曜に優勝パレードがあるから、シンヤも来いよ!」と言われたという。

ただ、日本人なら誰もが、大谷選手がどれだけこの瞬間を夢見ていたかを知っている。実は、瀬津氏にも、特別な思いがあったという。

「もう3月にジムが閉鎖したので初めて言えるのですが」と断りを入れた上で、昨年までシーズンオフに帰国した大谷選手と、同じスポーツジムに通っていたことを明かした。

「偶然だったので、数年前に一般客に紛れてトレーニングする姿を初めて見たときは、本当に驚きました。毎年、WSの試合中継がある時間帯でも、元通訳の水原一平被告が付きそう中で、黙々と地味な筋トレに励まれていました。野球好きの私は、スマホでWS中継を見ながら、目の前で体を鍛える大谷選手もチラ見して、『悔しくて試合を見ないのかな、それともルーティーンを崩さずに来るべき日に備えて研鑽を積んでいるのかな』と想像していました。

そんな地道な姿を何度もお見かけしていたので、1年前に彼に移籍オファーをしたドジャースのフリードマン編成部長と、シャンパンファイトで熱く抱擁している場面には、ちょっと泣けてきました」

開催の確証がない試合に、労力と費用、休暇を注ぐことは難易度が高いが、瀬津氏は「コツコツと費用を貯めて、大谷選手の活躍を信じていれば、誰にだってWBCやWSの歴史的瞬間を目撃するチャンスはあります。毎回、人事を尽くして天命を待つです」と話す。

今回は叶わなかったが、「こんなドタバタ過程も“推し活”の醍醐味の1つ。こんなのぜいたくなボヤキなだけで、何よりも世界一になってくれたのだから最高の結末です。しかも、来年から二刀流を再開させる大谷選手と、さらに飛躍するであろう山本由伸投手なら、必ずまた大舞台に戻ってきます。今回使わなかった資金とマイレージ、そして現地での興奮は、次回に持ち越しです」と笑った。

WSは毎年10月下旬、次回WBCは2026年3月。熱い戦いは、またやってくる。

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