「ベジファースト」よりも「カーボラスト」
つまり、健康状態に問題がなければ薬に頼らず、できるだけ生活習慣で血糖値の変動を抑えるのが正解なのだ。血糖値を急上昇させないために、食事は野菜を先に食べる「ベジファースト」を心がけている人もいるが、最近は炭水化物を最後に食べる「カーボラスト」をすすめていると矢野さんは言う。
「最初に食べるのは野菜や肉など、炭水化物以外ならどれでもかまいません。おかずを先に食べて、お米や麺類を最後にすると、血糖値の急上昇を防げます。パスタやラーメンなど、炭水化物の割合が多すぎる食事は控えましょう」
血糖値スパイクを防ぐには、食事は1日2食よりも3食がいい。
「血糖値が下がっている時間が長いほど次の食事でたくさん食べてしまうし、血糖値が上がりやすくなる。食事の間隔は空けすぎない方がベターです。早食いも血糖値を急上昇させやすい。最低でも15分はかけて、よく噛んで食べてください。食後はウオーキングやストレッチなど10分程度軽く体を動かすと、血糖値の上昇が緩やかになります」(矢野さん・以下同)
糖質が少ないものなら、間食はむしろ血糖値スパイクを防ぐために効果的だ。
「ミックスナッツやチーズなどがおすすめです。チョコレートもカカオ70%以上なら血糖値にほとんど影響はありません。週に1、2回程度なら好きなおやつを食べても大丈夫。コーヒーは適量なら血糖値を下げるといわれますが、カフェインには興奮作用もあり、飲みすぎるとかえって血糖値が上がりやすい。1日4杯以上はやめましょう」
血圧も血糖も“適正値”を維持するのがベスト。体に現れるサインを見逃さないようにしたい。
※女性セブン2024年12月5日号