前人未踏の54本塁打&59盗塁、ドジャースの優勝、そしてMVP……。名実ともに世界一となった大谷翔平(30才)の大きな支えが、妻・真美子さん(27才)と母・加代子さんの献身的なサポートだ。嫁と姑というギクシャクしやすい間柄でありながら、団結して大谷を支えた2人。その姿から、“嫁と姑”の「適度な関係性」が見えてきた。
試合中ハイタッチや軽いハグをする光景
今年3月、大谷の結婚相手が元バスケットボール選手の真美子さんだと判明した際、「大谷の母・加代子さんに似ている」という反応が多くあった。たしかに、加代子さんもバドミントンでインターハイに出場したことのある元アスリートで、真美子さんと同じく優しい笑顔が特徴的。180cmの真美子さんほどではないが、加代子さんも170cmと高身長だ。
そんな似たもの同士の2人はウマが合うようで、大谷ファミリーが観戦のためにロサンゼルスを訪れた際には、真美子さんがにこやかに談笑しながらアテンドする姿が目撃されている。
「よく家族で並んで大谷選手を応援していて、やっぱり仲がいいんだなと感じますね。試合で得点が入ると、ハイタッチしたり、軽いハグをしたりと、一緒に喜び合うシーンもみかけます。11月16日に大谷選手のInstagramにアップされた動画にも、満面の笑みを浮かべた真美子さんと加代子さんが、両手でハイタッチするシーンが収められていました」(アメリカ在住のジャーナリスト)
嫁と姑、しかも世界一の野球選手・大谷を支える立場という重圧のなかでもギクシャクせずにすんでいるのは、どんな時も明るくおおらかな、加代子さんの人柄に依るところが大きいようだ。子育てにおいても決してガミガミと叱るタイプではなかった。大谷の半生を描いた書籍『道ひらく、海わたる』(著:佐々木亨、扶桑社刊)で、加代子さんはこう語っている。
≪申し訳ないぐらいに、私たちは子育てに関して『こうやって育てよう』とか『絶対にこれだけはしよう』というものが特になかったんです。
子供はそれぞれに育ち、いつかは巣立っていく。『いつまでも見ているよ』『大事にしているよ』ということが伝われば、子供も家族のことを大事に思ってくれると信じてきました≫
常に一步遠巻きに、温かく見守るのが加代子さん流。姑としても同様に、おおらかに相手を受け入れるそのスタンスが、真美子さんの心を開かせたようだ。
そんな「放任主義」の大谷の両親が決めていた数少ない夫婦のルールが、「喧嘩する姿を子供たちに見せないこと」、そして「家族団欒で一緒に食事をすること」。そうした両親の背中を見てきたからこそ、大谷も試合後に「直帰」して、家で真美子さんとの時間を過ごすのが習慣になっている。
加代子さんも経験した「慣れない土地での不安な暮らし」
加えてもう1つ、加代子さんには真美子さんと共通する体験があるようだ。
「大谷選手が生まれる一年前、大谷家は加代子さんが育った神奈川県から、父・徹さんの生まれ故郷である岩手県に引っ越しました。未知らぬ土地で幼い子供を抱えながらの日々で、加代子さんは始めのうち、心細い思いをしていたそうです。
そんな経験があるから、異国の地に移り住んで大谷選手を支える真美子さんにも人一倍共感できるし、力になりたいという気持ちが強いのでしょう。
元通訳の水原一平氏(39才)の詐欺事件後、水原夫婦という頼れる存在を急に失って、大きな喪失感を抱えていた真美子さん。その際も、加代子さんが真美子さんの不安な気持ちに耳を傾け、温かく励ますなかで、嫁・姑の結束がさらに強まったようです」(前出・アメリカ在住のジャーナリスト)
結婚後、前代未聞の事件に巻き込まれ、前人未到の記録を築いて世界一になる──映画でもあり得ないほどの激動の1年を支えた嫁と姑の関係は、誰も真似できないぐらい「適度な距離感」だった。そんな2人に支えられ、来シーズンも大谷は異次元のプレーを見せてくれるに違いない。