
40代以降の女性は、家事、育児、仕事、介護と多忙で、自分のことはいつも後回し。増えるシミ、しわ、むくみ、あらがえないたるみが気になっても、美容にかける時間はない。そこで、1日1分、1回、1杯など、気軽にできて続けやすいうえ、即効性の高い美容術を4人の専門家に教えてもらった。美容は1日にしてならずだが、“1”を日々積み重ねていけば、きっと何かが変わるはず。新生活が始まるこの季節、早速今日から試してみては?
この“1”でむくみ改善!気軽にできるテクニック8選
むくみ改善テクニック【1】小豆茶を1日1杯飲む
「小豆には、利尿作用の高い成分のカリウムやサポニンが含まれるため、お茶にして1日1杯飲むと◎」と内科医の石原新菜さん(以下同)。
・小豆茶の作り方
(1)フライパンで小豆が濃い茶色になるまで炒る。
(2)(1)を鍋に移し、小豆の約10倍の量の水を入れ、20~30分煮詰める。
むくみ改善テクニック【2】フラミンゴ体操を1分×3セット

「片手を壁について片脚を上げ、1分キープ。これを1日3セットずつ左右の脚で行うと、約50分のウオーキングと同じ負荷がかかり、血流がアップ。認知症の予防効果も」
むくみ改善テクニック【3】しょうが紅茶を1杯飲む
「利尿作用がある紅茶に、体を温めるしょうがを入れて1日1杯飲むと、むくみ改善が期待できます」
《作り方》
すりおろしたしょうがを薄くのばしてラップで包み、切れ目を入れて冷凍保存すると、使いたい分だけ割って使える。解凍して紅茶に混ぜて飲む。

むくみ改善テクニック【4】えごま油、アマニ油などオメガ3系の油を小さじ1杯摂る
血流不全になると、血管内の水分が毛細血管外に染みだして体内に水分をためる。それがむくみの原因に。
「血流をよくしてむくみを改善するには、えごま油、アマニ油などのオメガ3系の油を毎食小さじ1杯摂るのが効果的」。
サラダや納豆にかけるとおいしい。
むくみ改善テクニック【5】1年中、腹巻きをつける
腎臓の働きが低下すると、むくみの一因に。
「夏でも薄い綿やシルクの腹巻きをつけておくと、内臓が温まって腎臓の血流が改善。むくみに効果的」。
むくみ改善テクニック【6】1日に1回は汗をかく
「余分な水分や老廃物は汗と一緒に排出されるので、1日1回は汗をかく行動を。ウオーキングや40℃の湯に肩まで入浴するのがおすすめ」

むくみ改善テクニック【7】起床後、蒸しタオルを1分、顔にのせる
起床直後に顔がむくむ人は蒸しタオルで1分、顔を温めて。
「蒸しタオルは、濡らして絞ったタオルを電子レンジ(600W)で約30秒チンすれば簡単にできます」。

むくみ改善テクニック【8】夜、手足ブラブラ体操を1分
「重力で血液やリンパ液が末端にたまるため、夜は手足がむくみます。重力に逆らうように仰向けに寝て、手足を上に伸ばし、ブラブラ1分動かして」

この“1”でたるみ改善!気軽にできるテクニック8選
たるみ改善テクニック【1】入浴後、1分以内にスキンケア
「顔のたるみは乾燥、紫外線、筋肉の衰えで起こります。特に入浴後は肌がカラカラ。1分以内の保湿がたるみを予防、改善します」
むくみ改善テクニック【2】かっさで1分、頭皮マッサージ
「頭と顔は筋肉や筋膜でつながっているため、頭皮が硬くなると顔の筋肉を引き上げる力が弱まり、たるみやしわの原因に。特に硬くなりやすい側頭筋(※こめかみから耳の上あたりに広がる筋肉で、咀嚼するときに使う)は、体が温まった入浴中に、かっさなどで下から上へマッサージすると効果的」(美顔トレーナーの小鳥遊ゆうさん)

むくみ改善テクニック【3】ほうれい線には「迎香」のツボ押し1分
「加齢による表情筋の衰えや、コラーゲンの減少などで顔の筋肉がたるみ、ほうれい線ができます。特に、小鼻の横は老廃物がたまりやすい場所。ここにあるツボ“迎香”を刺激すると、老廃物の排出を促しほうれい線の改善、予防に」 (小鳥遊さん)。

下から上に押し上げるように刺激を。
むくみ改善テクニック【4】目の下のたるみ改善1分エクササイズ
「目の下のたるみは、頰骨を正しい位置に戻すことで解消できます」と骨格ボディメイクセラピストの三木まゆ美さん。
(1)顔を上げ、右手の人差し指~小指の腹で、左頰のゴルゴライン(目頭から頰にかけてできるたるみ)を引き上げる。

(2)左手で後頭部を左右に揺らすように20~30秒マッサージ。反対側も同様に。

むくみ改善テクニック【5】まぶたのたるみ改善1分エクササイズ
「眼精疲労などで目の周辺の筋肉が凝り固まると、まぶたのたるみの原因になるのでほぐしてあげましょう」(三木さん)。
両手で両目を覆い、軽く押しつけたらやさしく上下に揺らす。それに合わせて眼球を2~3回上下に動かす。顔は正面のままで。

むくみ改善テクニック【6】広がった鼻を改善する1分エクササイズⅠ
「骨密度が低下すると、鼻まわりの骨の空洞が拡大。鼻の皮膚がひっぱられて横に広がります」 (三木さん)。
解消するには、
(1)右手で鼻をつまんで持ち上げ、上を向く。

(2)左手の指で鼻や目のまわりを押して揺らす。反対側も同様に。

むくみ改善テクニック【7】広がった鼻を改善する1分エクササイズⅡ
「鼻まわりの皮膚がたるみ鼻が広がると、だんご鼻のような形に。鼻骨を正しい位置に戻すと改善できます」(三木さん)
(1)右手で鼻をつまんで持ち上げ、上を向き、左手は首のつけ根に添える。

(2)ゆっくりと大きく3回、うなずく動作を繰り返す。

むくみ改善テクニック【8】口角を引き上げる1分エクササイズ
「スマホの使用などで下を見る時間が長いと、上あごが前にずれて下あごとの間にすき間ができ、口元がたるみます。するとフェイスライン全体のたるみに直結するため、下がった下あごを元の位置に戻すことが大切」 (三木さん)
改善するには、軽く上を向いて右手で左頰のほうれい線を引き上げ、左手を後頭部(耳の裏あたり)にあて、頭皮を左右に揺らすよう20~30秒マッサージする。反対側も同様に。

この“1”でシミ・しわ改善!気軽にできるテクニック7選
シミ・しわ改善テクニック【1】ボライト1本で唇のしわ改善
即効性を求めるなら、美容皮膚科施術という選択肢も。「初心者でもトライしやすいのは注入注射です」とは、美容皮膚科医の吉川優菜さん(以下同)。
たとえば唇の縦じわには、ヒアルロン酸注入が有効。
「ヒアルロン酸には多くの種類があるのですが『ボライト』はとてもやわらかい製剤で保水性や弾力性が高く、小じわや首の横じわ、乾燥肌の改善などに効果的。自然な仕上がりが特徴です」 。
価格は唇全体で1本(1㏄)4万5000円程度。

シミ・しわ改善テクニック【2】眉間にテープ1枚でしわ改善
眉間のしわは、医療用のサージカルテープで改善できるという。「特に睡眠中は、無意識に歯を食いしばったりして、眉間にしわが寄りやすいんです。やや厚めで幅広のテープを眉間に貼って寝ると、しわの改善・予防になります」 (小鳥遊さん)。

※【2】の方法は肌荒れを起こす可能性もあるため、短時間の使用から試すこと。
シミ・しわ改善テクニック【3】口まわりのほうれい線に1本のボリューマ
「しわを浅くするのに効果的なヒアルロン酸にはさまざまな種類がありますが、ほうれい線の改善にはボリューム回復に適している『ボリューマ』がおすすめ。ほかのヒアルロン酸製剤より持続期間が長く、1年半程度もちます。比較的滑らかなため、自然な仕上がりのリフトアップが期待できます」 (吉川さん)
厚生労働省の認可を受けているため、品質や安全性の面でも安心。価格はほうれい線をカバーして1本(1㏄)5万7200円程度。

シミ・しわ改善テクニック【4】テープ1枚でほうれい線のしわ改善
「ほうれい線も厚めで幅広のサージカルテープを貼ることで改善できます。睡眠中は寝返りなどの影響でしわが刻まれやすいため、寝る前にほうれい線の上にテープを貼ります。外出の予定がないなら一日中貼ったままでいると◎」 (小鳥遊さん)

※【4】の方法は肌荒れを起こす可能性もあるため、短時間の使用から試すこと。
シミ・しわ改善テクニック【5】月1回のルメッカでシミ&肌質改善
「シミや赤みの改善をはじめ、幅広い肌トラブルに対応できるのが光治療(IPL)。中でも『ルメッカ』は韓国で話題の最新治療法。月1回×5回続けると効果的。ただし、肝斑は悪化する可能性があるので医師としっかりカウンセリングを」(吉川さん、以下同)
1回の治療は1万3000円程度。
シミ・しわ改善テクニック【6】眉間1部位にボトックスでしわ改善
『ボトックス』とは、A型ボツリヌストキシンを使用した製剤。表情筋の動きを抑制することで表情じわを軽減したり、汗・皮脂を抑制したり、食いしばりや肩こりを改善したりといった効果が期待できる。
「1回の施術で3~4か月、効果が持続します。顔のさまざまな部位に注入できますが、初めてトライする場合は効果が実感しやすい眉間がおすすめです」
眉間やおでこのしわ取りの場合、1部位で8000円程度。

シミ・しわ改善テクニック【7】月1回のプロファイロでしわや肌質改善
「『プロファイロ』とは、低分子と高分子のヒアルロン酸を組み合わせた製剤で、コラーゲンやエラスチンの生成、細胞の活性化を促します。肌細胞を再生させるので、気になる部分をピンポイントで改善するというより、顔全体のしわやたるみを自然に改善させるのにおすすめです」
1か月に1回の施術を2回続け、その後は半年に1回の施術を繰り返すと効果的。顔・首・手の甲いずれか1か所1本(2㏄)5万4800円程度。

◆イシハラクリニック副院長・石原新菜さん
日本内科学会会員、日本東洋医学会会員、日本温泉気候物理医学会会員。著書に『カラダを温めて冷えをとる! 温活365日』(内外出版社)など多数。
◆骨格小顔セラピスト・小鳥遊ゆうさん
「骨格小顔セルフケア®」開発者。「骨格ボディメイクセラピスト養成講座」主宰。主な著書に『予約の取れないセラピストの 骨格小顔1分メソッド』(オレンジページ)。
◆美顔トレーナー・三木まゆ美さん
出会って「3秒」で綺麗と思わせるセルフケア美容術実践塾主宰。体の内側から整えるビューティーメソッドを発信。公式インスタグラム(@yu_takanashi_beauty)。
◆SBC NEO Skin Clinic 恵比寿院長・吉川優菜さん
美容皮膚科医。最新のレーザー機器を用いた施術から、ボトックス・ヒアルロン酸などの注入治療、糸リフトなどの治療で定評を得る。
取材・文/植木淳子
※女性セブン2025年4月24日号