自らを“乙女オバさん”と呼び、いくつになっても夢見ることを忘れない南果歩さん（61歳）。乙女のようにまっすぐで透明な魅力に迫ります。10月20日発売の大人女性に向けたムックシリーズ『reShine2025年秋号』に掲載している記事から抜粋して紹介します。
座右の銘は「行きあたりばっちり!」
「人生って、人生ゲームみたいに一コマ一コマしか進めないでしょ？」と果歩さんは笑います。若いころのように勢いだけで走るのではなく、60代に入ったいまは「いまの自分ができるぶんだけ、ちゃんと進む」ことを大事にしているそう。その背景にあるのが、彼女の座右の銘 行きあたりばっちり！
「計画を立てすぎず、 その場の出会いや偶然を信じて動くと、思いもよらない場所で花が咲くことがある。 最初の一歩を丁寧に踏み出すと次の出会いがちゃんとやってくるんですよね」
答えが出ないことは、一旦「別のボックスに入れておく」そう。
「すぐに片付けようとしても、状況や気持ちが整っていなければ逆にこじれることもあるから。答え合わせは数年後にふとやってくる。時間が必要なんだって、ようやく思えるようになりました」
解決を急がず、でも向き合うことはやめない。その姿勢が、まっすぐな透明さを形づくっているのかもしれません。
「ここで終わる私じゃない」と常に思っています
離婚を経験し心身ともに追い詰められたとき、「このままじゃ壊れる」と感じて、誰にも相談せずアメリカへ渡った果歩さん。
「逃げたというより、生き延びるための選択。それはわずかな光を求めて、細い細いトンネルを通るような行動でした」
でもそれと同時に「ここで終わる私じゃない」とも思っていたそう。そんな強いメンタルを保つ秘訣を聞いてみると？「生きることに貪欲だからだと思います。 常に自分に物足りない。だから人生に前向きというか前のめり（笑）」。
その粘り強さは、表向きの“強さ”とは違います。 自分の感覚を信じて、ギリギリのところで小さな希望を握りしめる、しなやかで芯のある強さ。
「物事はうまく着地できたほうが幸せなんでしょうけれど。 私の場合、うまく行かなかった経験の方が生きる栄養になっているのだけは確かです」
◆南果歩
1964年生まれ、兵庫県出身。 1984年、 映画 『伽倻子のために』のヒロイン役でデビュー。1989年に第32回ブルーリボン賞助演女優賞、2005年には第19回高崎映画祭最優秀助演女優賞を受賞。 2016年 『MASTERLESS』 でハリウッド映画デビュー。 コメディからシリアスまで、幅広い作品に出演。近著に『乙女オバさん』(小学館)がある。@kaho_minami
◆映画「ルール・オブ・リビング」
仕事や家庭、 恋愛といったさまざまな選択肢に直面しながら生きる現代女性に向けた、大人のハートフル・コメディ「ルール・オブ・リビング」。主人公・美久子役にて果歩さんが出演。 セドナ国際映画祭で最優秀コメディ映画賞を受賞し、国内外の映画祭でも高い評価を獲得。 9月19日より新宿ピカデリー他全国の劇場で公開。
◆舞台『ハハキのアミュレット』
横山拓也の最新作『ハハキのアミュレット』で主演。 東京公演好評につき、11月8日まで全国公演中。
10/25 栃木県総合文化センター
10/31 はつかいち文化ホール 11/3 日田市民文化会館
11/5 丸亀市綾歌総合文化会館 11/8 知立市文化会館
撮影／下村一喜 メイク／黒田啓蔵 (Iris) スタイリスト／坂本久仁子 構成・文／加治かおる
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『reShine2025秋号』では、気分が上がる美容・趣味・暮らしの実例やヒントを紹介。特集では“いくつになってもキレイ”の作り方や、ご機嫌でいるための秘訣を、reShine世代＝（50～60代の女性たち）である、安田成美さん、高島礼子さん、南果歩さん、松本伊代さん、紫吹淳さん、鈴木砂羽さん、渡辺満里奈さんたちにインタビュー。誰もがおしゃれで粋に見える大人の着こなしについて、同世代の人気モデル、富岡佳子さん、前田典子さんがレクチャー。ほか、京都の大人旅や、白髪・薄毛対策、気になる美容医療など、役に立つトピックスをお伝えします。「付録付き限定版」では、3WAYに使えるマルチパウダー「レカルカ イルミネイトマルチ」の現品付き。
※『reShine』2025年秋号