
女優・宮沢りえ(52)が、2月28日のイタリア・ミラノで開催された「ボッテガ・ヴェネタ」の2026-27年秋冬コレクションに登場。背中と胸元と腕が露わな黒いロングドレスで現れた姿が、ファッションメディアのSNSなどが公開すると、その艶っぽい個性的なドレスとともに、左肩甲骨上部にちらりとのぞいた「折り鶴」のタトゥーが、インターネット上で批判的な形で話題となった。
「ドレスの肩紐が二の腕までずり下がった個性的なデザインだったこともあり、タトゥーとあわせて“品がない”、“だらしない”という声が一部からあがりました。一方で、タトゥーは自身の主義主張などを体に刻む行為でもあり、宮沢さんの覚悟や信念を支持するような反応もあったようです」(芸能関係者)
国内では、まだまだタトゥーに対する風当たりが強いとはいえるが、自己表現やファッションとしてタトゥーを入れる若者は確実に増えている。都留文科大文化人類学の山本芳美教授らの研究・推計によると、日本のタトゥー人口は2014年から2022年の8年間でほぼ倍増し、約140万人に達したという。2026年現在も、この増加傾向は続いているとみられている。
多くのタレントを担当するあるヘアメイクは「やはり10~30代に多くて、40代以上の世代には、反社会的なイメージや、身体に傷をつけることへの抵抗感から、タトゥーを入れている人の数はごくわずかな印象です」と語る。
タトゥーのある客が入浴を拒否される温泉・銭湯施設も、いまだに多い。さらに、タトゥーに対して、医学的なリスクを訴える医師も少なくない。一方、成人の20~30%はタトゥーを入れているといわれる欧米諸国では、その向き合い方は、さまざまだ。ただ、「若気の至りで入れても、後でレーザーで消せばいい」と安易に考えて、のちにきれいに消えなかったなどの、美容上の問題はあるという。

あるハリウッド事情に詳しい芸能ライターは「例えば、アンジェリーナ・ジョリーやジョニー・デップは、結婚当時に入れたパートナーの名前や愛称のタトゥーを、破局後に別のデザインや文字で上書きしています。また、ジェシカ・アルバは、17才で入れたタトゥーの除去治療を受けていることを明かした上で、『何度もレーザーを当てているのに消えないでイライラする』と不満を漏らしていました」と、具体例を紹介する。
最初から「タトゥーは入れない」と公言するセレブもいる。テイラー・スウィフトは「永久的なものにコミットすることはできないと思う」と語り、世界的サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドは「献血ができなくなるから」という理由でタトゥーを入れていない。
昨年には、一般人でもタトゥーへの後悔を赤裸々に語り、共感を呼んだ例があった。米国カリフォルニア在住の37才エスティシャンのアレクサ・ロックさんは、TikTokで、18歳からタトゥーを入れ始めて約30個のデザインを刻んだが、母親になってから後悔していると告白した。「もしチャンスとお金があるなら、体にあるすべてのタトゥーを完全に除去したい」と語った動画は、米国のPeople誌にも取り上げられて、約985万回再生と大バズりした。
ロックさんは、「タトゥーがあるというだけで偏見を持たれて、今の本当の自分を知ってもらえる機会すらない。仕事に就けなかったこともあった」と吐露。若者たちへは「タトゥーは確かにクールだけれど、それだけでかっこよくなるわけじゃない。本当にタトゥーを入れたいなら、時間をかけてじっくり考えて」とアドバイスを送っている。
タトゥーが、ファッションや自身のアイデンティティを示す表現方法の1つであることは間違いない。ただ、一生体に残るもので、ライフスタイルや価値観の変化によって後悔する可能性もある。偏見の目や古い価値観による差別は言語道断だが、経験者ロックさんのメッセージも至極もっとも。価値観や選択肢が多様化する今だからこそ、一人一人の熟慮が、より大切になっているといえそうだ。