健康・医療

《老け声を若返らせるケア》水分補給、毎日10分朗読、刺激物を控える、ラジオ体操…若々しくハリのある声を取り戻す方法を解説

喉に手を当てるシニア
ちょっとした習慣で老け声は改善できる(写真/GettyImages)
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「大きな声が出しづらい」「声がかすれる」「言葉が聞き取りにくいと言われる」ーこれらは声の老化のサイン。加齢で足腰の筋肉が衰え、肌に弾力がなくなるように、声も老いるのだ。とはいえ、ちょっとした習慣を意識したり、トレーニングをしたりするだけで、何才からでもハリのある声はキープできるという。その方法を紹介する。

女性は「閉経」が声の老化に関係

声を出すには、声帯(のどの奥にある左右一対のヒダ状の器官)とその周辺の筋肉、肺活量などがかかわり、それらが年齢とともに衰えると声は老化する。

「声が老化すると、以前に比べて低い声になります。声の高さは、声帯の振動数で決まっていて、女性の場合は1秒間に平均約200回振動し、男性の場合は約100回。振動数が多いほど声は高くなるため、男性より女性の方が高い声が出るというわけです」(耳鼻咽喉科医の楠山敏行さん)

声帯やその周りの筋肉が衰えると振動数が減るため、低い声になってしまうというわけだ。

「呼吸で使う横隔膜(胸腔と腹腔の境目にある筋肉。主に息を吸うときに使う)などの呼吸筋も加齢で衰えます。さらに肺を覆う肋骨の柔軟性も失われ、そうなると肺活量が減って大きな声が出しづらくなります」(楠山さん・以下同)

肺活量は20代がピークで80代ではその半分以下にまで低下してしまうという。

さらに女性の場合、閉経による女性ホルモンの減少も声の老化に影響する。

「女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには声帯の血流をよくして潤いを与え、腫れなどを抑える働きがあります。しかし閉経によって分泌量が激減し、最終的にほぼゼロになると、声帯がむくんで声がかすれたり、低くなったりします」

声の変化には重篤な病が隠れていることも

声の変化の原因は加齢ではなく病気の場合もある。

「精神的な疾患が声に影響していることもありますが、多くの場合は声帯になんらかのトラブルが起きている可能性が高いと言えます。たとえば、声帯を酷使しすぎると声帯ポリープという血豆のようなものができることがありますし、逆流性食道炎で上がってくる胃酸が声帯を刺激することも。声に違和感があったら、年だからと軽視せず、耳鼻咽喉科を受診しましょう」

声帯の老化予防には、ちょっとした生活習慣の見直しや適度なボイストレーニングが有効。具体的な方法を次から紹介するので、参考にしてほしい。

声の老化度チェック!

□最近、おしゃべりをした後に疲れを感じる
□以前より大きな声が出しづらく、声が小さくなったように思う
□10秒以上「あー」と声を出し続けられない
□よく声がかすれる
□滑舌が悪くなり、聞き返されることが増えた
□カラオケでよく歌っていた曲が、キーを下げないと歌いづらい
□人と話す機会が減った
□閉経している

※1つでも当てはまったら要注意。多く当てはまるほど声の老化が進んでいる可能性が高い。

侮れない!実は病気が隠れているかも「声の老化と間違えやすい病気8」

のどや声に急な異変を感じ、それが続くようであればすぐに医療機関へ。

・声帯炎

風邪の症状に似ており、咳やのどの痛みを伴う。

・声帯結節

のどを酷使することで声帯にタコのようなこぶができる。

・声帯ポリープ

のどを酷使することで声帯に血豆ができる。

・ポリープ様声帯

喫煙による声帯のむくみ。更年期以降の女性に多い。

・逆流性食道炎

胃酸が逆流して、食道部分に炎症が起こる。

・胸部大動脈瘤

胸部大動脈がこぶ状に膨らみ、破裂すると死に至ることも。

・口頭肉芽種(こうとうにくげしゅ)

継続的に胃酸が逆流すると、声帯が傷つき炎症が起こる。

・喉頭がん

頭頸部がんの一種。主な原因は喫煙、副流煙。

老け声を若返らせるケア方法7

【1】食事以外で1日に1.5Lの水を飲む

声帯はデリケートで、20代でも34分間しゃべり続ければ疲労するというデータも。傷めないためには水分補給が重要だ。

「水は毎日、食事以外で1.5Lは飲みましょう。少量ずつこまめに摂ること。会話をしたり歌を歌ったりするときは、5~10分おきに摂取を。水が直接声帯を潤すわけではありませんが、水分を摂ることで緊張を和らげる副交感神経が優位になり、声帯が潤うのです」(楠山さん・以下同)

【2】唾液の分泌を促す

「唾液の分泌量が減少すると、声が出しづらくなったり、声がかれやすくなったりするので、唾液の分泌にかかわる耳下腺、顎下腺、舌下腺をマッサージし、意識的に分泌を促す習慣をつけましょう」

唾液は加齢やエストロゲンの減少、ストレスによっても減少するので、特に更年期以降の女性におすすめ。3か所全部を刺激するのではなく、最初は1か所でOK。5~10回を目安に続けよう。

《唾液量を増やすマッサージ》

・耳下腺マッサージ

上の奥歯あたりに指を当て、円を描くようにマッサージ。

耳下腺マッサージをしているイラスト
耳下腺マッサージ(イラスト/藤井昌子)
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・顎下腺マッサージ

耳の下からあごの骨の内側の部分(顎下腺)までを押す。

顎下腺マッサージをしているイラスト
顎下腺マッサージ(イラスト/藤井昌子)
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・舌下腺マッサージ

あご先の内側にある舌下腺を親指で突き上げるように押す。

舌下腺マッサージをしているイラスト
舌下腺マッサージ(イラスト/藤井昌子)
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【3】部屋の湿度を50~60%にキープ

室内の湿度、特に就寝時の乾燥には注意したい。

「起床時にのどの痛みや声がれがあるなら、口呼吸をしているのかも。加湿器を置き、マスクの着用を」

寝ている人のイラスト
部屋の湿度を50~60%に(イラスト/藤井昌子)
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【4】刺激物やアルコールは摂りすぎない

「声帯に最も悪いのが喫煙。アルコール類や辛い食べ物の摂りすぎも要注意」

胃酸が逆流しないよう食後2~3時間は横にならないことが大切。

タバコを吸っている女性のイラスト
喫煙やアルコール類、辛い食べ物の摂りすぎも要注意(イラスト/藤井昌子)
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【5】ハミングや会話を楽しむ

ひとり暮らしの場合、誰とも話さず一日を過ごすことも。声を出さないと機能が衰えやすいので、意識的に人と話すか、難しい場合は好きな曲をハミングして。

しゃべっている人と鳥
おしゃべりやハミングが◎(イラスト/藤井昌子)
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【6】毎日10分間の音読を

「音読は声帯が鍛えられるだけでなく口の運動にもなるので、滑舌が衰え始める60代以降におすすめ。好きな本の一節など1日10分を習慣化しましょう」

音読している人のイラスト
音読は10分間でもOK(イラスト/藤井昌子)
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【7】ラジオ体操など適度な運動をする

「声の老化予防には、肺機能を衰えさせない努力も大切。効果的なのは、ラジオ体操やウオーキングなどの適度な運動です」

できるだけ毎日続けて。

体操をしている女性
ラジオ体操もおすすめ(イラスト/藤井昌子)
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◆教えてくれたのは:医学博士・楠山敏行さん

東京ボイスクリニック品川耳鼻咽喉科理事長。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。音声障害治療の専門家でもあり、患者には歌手や俳優、アナウンサーなど、声を使う職業の人も多い。

取材・文/上村久留美

※女性セブン2026年4月30日号

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