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和田秀樹医師が指南する「前向きメンタル」のつくり方 「“今日は絶好調だ”“いい気分だ”と思っていれば自己暗示にかかって本当に前向きな気持ちになれる」

「前向きメンタル」のつくり方を語る和田秀樹医師
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「新しい本が売れるのか、次のビジネスがうまくいくのかなんて、心配するだけ損です。物事はなるようにしかならず、勝手な心配をしないことが大事です」。そう快活に言い切るのは精神科医の和田秀樹さん(65才)。「シニアこそ自分のためにお金を使おう」「年を取ったらワガママに生きればいい」など超高齢社会に前向きな提言を続けている和田さんだが、実は学生時代は暗く思い悩むことが多かったという。

「特に高校時代に成績が下がっていたときは全然ポジティブではなかった。当時は何をやってもうまくいかず、“おれはもうダメなのかな”と落ち込んでいました」(和田さん・以下同)

 そんな高校時代に転機が訪れた。東大卒の藤田敏八監督が撮った映画『赤い鳥逃げた?』に衝撃を受けて、東大文学部に進んで映画監督になることを夢見たが、日活が助監督試験を中止したため監督への道が断たれてしまったのだ。

 だが和田さんは夢を諦めるのではなく、やりたいことを実現するために別の手段を選んだ。

「だったら自分で金をつくって映画を撮るしかないと思い、実入りがいい医学部を目指すよう切り替えた。そのために勉強方法を変えたら急に成績が上がったんです。

 そこで、やり方さえ変えればダメなこともうまくいくものだと学びました」

 その後、思い描いた通り東大医学部に進学して医師免許を取得、高齢者専門の精神科医としてキャリアを重ねてベストセラー作家にもなり、築いた資産で何本もの映画を撮った。その映画が商業的に大失敗しても気持ちは揺らがない。

心配事に時間や気持ちを消耗しすぎず、前向きスイッチを入れることがポイントだ(写真/PIXTA)
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「これまでに撮った5本の映画は全部コケて、何億円も損をしました。でも続けていればいつか奇跡が起こると信じて、これからも映画を撮り続けます」

 失敗しても顔を上げてチャレンジし続けられるのは、「好きなこと」と「やりたいこと」があるからだ。

「映画を撮るのが大好きなことに加えて、ぼくはできれば映画監督として後世に名前を残したい。日本の金持ちはお金ばかり残そうとして名前を遺そうとしない。ぼくは自分が死んだ後でも残るような映画を撮りたいと強く願っています」

 和田さんはクヨクヨと思い悩まず、まずは「やってみる」ことをすすめる。

「何でもやってみないとわからないから、待つのではなく自分から行動することが大切です。たとえうまくいかなくても人生山あり谷ありで、嫌なことが続いた後にはよいことが起こります。ぼくは映画がコケて破産に迫られたら、ドカッと本が売れ始めた(苦笑)。打席に立たない限り、ヒットは打てないんです」

 失敗を恐れず打席に立つためにも、自分への呼びかけが欠かせない。

「悪く考えて得することは何もないと、自分に言い聞かせてほしい。逆に“今日は絶好調だ”“いい気分だ”と思っていれば、自己暗示にかかって本当に前向きな気持ちになれるはずです」

【プロフィール】
和田秀樹(わだ・ひでき)/東京大学医学部卒業。1987年、著書『受験は要領』がベストセラーに。映画監督として『受験のシンデレラ』『東京ワイン会ピープル』などを手がける。

※女性セブン2026年5月7・14日号

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