糖質制限ダイエットブームのさなか、ダイエットの敵として嫌煙されがちな炭水化物。でも実は、パスタは太りづらく、ダイエット中に食べれば健康的なダイエットをサポートしてくれるという朗報が。そこで、パスタがなぜダイエット向きなのかを探りつつ、痩せ食材と組み合わせたパスタレシピを紹介する。
パスタがダイエットに最適な理由とは?
スパゲッティが太らない理由は、麺に含まれている豊富な食物繊維にある。食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があるが、スパゲッティにはこれら2つの食物繊維がたっぷり含まれているのだ。
管理栄養士の菊池真由子さんはこう言う。
「水溶性食物繊維は、余分なコレステロールの排出を促すので、血中コレステロール値を減らす効果があります。一方、不溶性食物繊維は腸の動きを活発にし、便通をスムーズにする。ぽっこりお腹の解消には、最適な栄養素です。また、腸内環境を改善し、脂肪の燃焼を促進させるビタミン類の合成を活発にする働きも担っています」
痩せ食材と組み合わせたヘルシーパスタレシピをチェック!
→菊池さんが解説!ダイエットにおすすめのパスタメニューはコチラ
EPA、DHAがたっぷり!「いわし缶ナポリタン」レシピ
いわし缶は、さば缶に比べてオメガ3系脂肪酸の含有量が多く、ダイエット効果に優れているという。ダイエット外来医師・工藤孝文さんが解説する。
「オメガ3系脂肪酸は、いわし、さば、マグロなどの青魚に含まれる多価不飽和脂肪酸の一種で、さまざまなダイエット効果が期待できる栄養素なんです。オメガ3に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)を摂ることで、褐色脂肪細胞という脂肪燃焼細胞が増加します。それによって脂肪燃焼が促進されて体脂肪の減少につながります。また、コレストロール値を改善して中性脂肪を低下させる働きもあります」(工藤さん)
いわし缶のレシピがたっぷり掲載された工藤さんの著書『やせる!健康になる!いわし缶レシピ』(洋泉社)の中から、ナポリタンのレシピを紹介する。
《材料》(2人分)
いわし缶(水煮)…1缶、玉ねぎ…100g、トマト…150g、ピーマン…2個、スパゲッティ…120g
サラダ油…大さじ1
[A]トマトケチャップ…大さじ4、チリペッパー…少々
《作り方》
【1】玉ねぎは7mm幅のくし形に切る。トマト、ピーマンは1cm角に切る。スパゲッティは茹でる。
【2】フライパンにサラダ油を中火で熱し、玉ねぎを炒める。玉ねぎが透き通ったら、缶汁を切ったいわしの身を加えて炒める。[A]を加えてさらに炒め、全体がなじんだらスパゲッティを加えて炒め合わせる。
【3】全体にむらがなくなったら、トマト、ピーマンを加え、さっと炒める。
【いわし缶レシピの注意点】
・缶詰を直火にかけて鍋代わりに使用すると、中身が飛び散って火傷をする危険性がある。火にかけるときは、面倒でも必ず中身を鍋に移すこと。
・中身が中途半端に残った場合、別の容器に移して冷蔵庫で保存し、早めに使い切ろう。
・缶詰の汁にはEPAやDHA、たんぱく質が溶け込んでいて栄養満点。ただ、塩分も高いので、塩分が気になる人は残すなどして調整すべし。
・風通しがよく、湿気が少なく、25℃以下の場所で保管しよう。もし未開封なのに缶が膨らんでいたり穴が開いている場合は食べずに処分を。
※1g未満の調味料は「少々」
※分量と加熱調理器具の熱量は下記をご参照ください。
・小さじ1…5ml
・大さじ1…15ml
さば缶を汁ごと使用!「さばのペペロンチーノ」レシピ
「さば缶には、カルシウムのほか、カルシウムの吸収を促すビタミンDも豊富。青魚のDHAは加齢で減る女性ホルモンのバランスも整えてくれます」と、管理栄養士の浜本千恵さんが、栄養がたっぷり溶け出ているさば缶を汁ごと使ったパスタレシピを伝授。
《材料》(2人分)
さば水煮缶…1缶 ブロッコリー…1/2個 にんにくのみじん切り…1かけ分 赤唐辛子…1本 スパゲッティ…160g オリーブオイル…大さじ2 固形スープの素…1/2個 塩・こしょう…各適量 粉チーズ…適量
《作り方》
【1】ブロッコリーは小房に分ける。赤唐辛子は半分に切る。
【2】スパゲッティを茹で、同じ鍋にブロッコリーを加えてさっと茹でる。
【3】フライパンにオリーブオイル、赤唐辛子、にんにくを入れて中火で炒め、香りがしてきたら赤唐辛子を除き、さば缶を汁ごと加える。
【4】 【2】を湯切りして【3】に加え、固形スープの素、塩・こしょうで調味する。器に盛って、粉チーズをかけ、お好みで【3】の赤唐辛子を飾る。
撮影/市瀬真以
たんぱく質とビタミンで筋肉作り!「豚しゃぶと香味野菜のスパゲッティ」レシピ
豚肉は必須アミノ酸が豊富で吸収効率にも優れた、たんぱく質源。管理栄養士の足立香代子さんが、たんぱく質とビタミンで効果的に筋肉を作るパスタレシピを教えてくれた。
《材料》(2人分)
スパゲッティ…140g
豚ロース薄切り…200g
大葉…10枚
みょうが…2個
水菜…40g
かいわれ菜…30g
しょうが…10g
きざみのり…適量
白だし…大さじ1と1/3
オリーブオイル…大さじ1・1/3
《作り方》
【1】大葉、みょうが、しょうがは千切りに、水菜は4cm長さに切る。かいわれ菜は根を落として冷水にさらし、水気を切る。
【2】スパゲッティは塩(分量外)を加えた熱湯で表示通りに茹でる。茹で上がる1分前に豚肉を加える。ざるに上げて水気を切り、再び鍋に戻してオリーブオイル・白だし各大さじ1で和える。
【3】器に【2】を盛り、きざみのりと【1】をのせる。残りのオリーブオイルと白だしをかける。
撮影/玉井幹郎
しなやかな筋肉作りをサポート「そら豆のクリームパスタ」レシピ
「そら豆」は、脂質の代謝を促進する「ビタミンB2」や、糖質の代謝を促す「ビタミンB1」がたっぷりで、ダイエットに◎。しなやかな筋肉を作るのに役立つ「植物性たんぱく質」も含むので、運動後の食事にもおすすめ。そこで、「ABC HEALTH LABO(エービーシー ヘルス ラボ)」に、「そら豆」を使ったパスタレシピを教えてもらった。
《材料》(2人分)
スパゲッティ…180g 玉ねぎ(みじん切り)…50g バター…10g コンソメ…小さじ1/2 生クリーム…100g 牛乳…50cc そら豆…200g 粉チーズ…20g 塩…少々 こしょう…少々
《下準備》
・そら豆は、さやから取り出して3、4分ほど塩茹でし、冷ましてから薄皮を除いておく
《作り方》
【1】パスタはタイミングを見計らいアルデンテに茹でる。茹で時間はパッケージを参照。
【2】フライパンにバターを入れて火にかける。玉ねぎを加えて、炒める。
【3】コンソメ、生クリーム、牛乳を加えて、少しとろみがつくほどに弱火から中火で加熱する。
【4】パスタ、そら豆、粉チーズを加えて、ソースとからめ、塩、こしょうで味を調える。
むくみ解消効果に期待!「菜の花とはまぐりのパスタ」レシピ
菜の花は「ビタミンB1」の含有量が高く、糖質の燃焼や脳へのエネルギー供給にプラス作用をもつ。むくみの解消にも効果が期待できるのもうれしいところ。さらに、はまぐりにも「ビタミンB1」が含まれるのでダブルの効果に。また、筋肉強化に◎の「グリシン」や、疲労回復を助ける「アスパラギン酸」などを含むので、スポーツ女子の食事にもおすすめ。そこで、「ABC HEALTH LABO(エービーシー ヘルス ラボ)」に、「菜の花」のパスタレシピを教えてもらった。
《材料》(2人分)
スパゲッティ(細めの物)…160g 菜の花…1/2束(50g) はまぐり…小10個 バター…10g 酒…大さじ2 水…500cc 和風だしの素…少々 塩…少々 醤油…少々
《下準備》
・菜の花は、根元の固いところを除いて、長さを半分に切る
・はまぐりは、30分から1時間ほど塩水に漬けて砂抜きし、流水で殻をこすってよく洗う
《作り方》
【1】フライパンにバターを熱してはまぐりを軽く炒めたら、酒を加える。ふたをしてはまぐりの口が開くまで蒸す。
【2】一度はまぐりを鍋から取り出し、水、和風だしの素を加えて沸騰させる。アクは除く。
【3】スパゲッティを入れ、袋の指示に従って茹でる。茹で上がる頃に菜の花を加えて、軽く火を通す。
【4】はまぐりを鍋に戻し、塩と醤油で味を調え、器に盛り付ける。
眼精疲労解消に!「ぶどうとさんまのオイルパスタ」レシピ
家庭でもできるフルーツ料理の1つが、料理研究家の尾田衣子さんが考案した「ぶどうとさんまのオイルパスタ」(写真右上)。ぶどうと相性のいいバルサミコ酢と白ワインが隠し味。
黒ぶどうは眼精疲労に効果的なアントシアニンが多い。さんまは、たんぱく質はもちろん、ビタミンA、B2、D、E、鉄分なども豊富。さらにいわしやさばと同様に、ダイエット効果のあるオメガ3系脂肪酸脂もたっぷり。脂がのったさんまの旨みに、ぶどうがさわやかなパスタだ。
《材料》(2人分)
さんま…2尾
塩・こしょう・小麦粉…各適量
エリンギ…2本
にんにく…1片
スパゲッティ…160g
オリーブオイル…大さじ2
ぶどう…12粒
白ワイン…50ml
バルサミコ酢…大さじ2
バター…20g
粗挽き黒こしょう…適量
《作り方》
【1】さんまは3枚におろし、3等分して、塩・こしょうを振り、表面に小麦粉をつける。
【2】エリンギは薄切りに、にんにくはみじん切りにする。
【3】たっぷりの湯に塩を加え、スパゲッティを茹でる。
【4】フライパンにオリーブオイルを熱し、にんにく、さんまを入れて焼き、エリンギ、ぶどうを加えて炒める。
【5】 【4】に白ワイン、バルサミコ酢、バターを加えて軽く煮詰め、塩・こしょうで味を調える。
【6】 【5】に【3】を加えてからめ、器に盛り、粗挽き黒こしょうを振る。
撮影/玉井幹郎