一見、ペンのように見えるこちらは、『フェイスポインター』という美顔器だ。筋膜をダイレクトに刺激することで顔のこりをほぐし、フェイスラインのくずれやたるみ、ゆがみを解消する。どのような発想でペン型美顔器が生まれたのか、開発担当者に話を聞いた。
『フェイスポインター』を販売するB-by-Cは、2006年に創業した美容とテクノロジーを融合させた技術を提供する会社だ。
開発を手掛けた鳴海えなさんはエステティックの国際的なライセンスを取得しているエステティシャン。たくさんの人に美容技術を提供する中で、エステや美顔器を施すだけでなく、生活習慣の改善を試みても顔に変化が表れない人がいることに頭を悩ませていた。「そもそも欧米人向けのエステティック技術が日本人の肌質や顔に合っていないのではないか? 正しい美容メソッドを日本で根付かせたい」という思いもあった。
鳴海さんはまず、顔の表面に技術を施してもたるみやむくみ、ゆがみが解消されないのは、表情筋の「こり」が原因ではないかと考えた。日本人はあまり日常生活の中で顔の筋肉を動かすということがない。話すときも口元だけを使って話し、頰から上の筋肉を動かすことはあまりなく、表情豊かとはいえない。それゆえ、顎の部分の筋肉が固まってしまい、この「こり」が顔全体の血流を邪魔しているのだ。
自宅で自ら「こり」を解消することができれば、筋肉が動き、血流がよくなり肌のターンオーバーもスムーズに行われるようになる。最初は、かっさや美顔ローラーを用いることを考えたが、ソフトな刺激であるため、一時はほぐされてもすぐに硬い状態に戻ってしまう。そこで次のヒントになったのは、てい鍼だった。先端が丸くなっており、体に直接刺さずに行うてい鍼なら、筋膜をダイレクトに刺激しながら手軽なホームケアも可能だ。
理学療法士とともに開発を進めたところ、一定の圧でこりを押し続けることにより筋肉が温まり、ほぐれるということがわかった。この圧をポインターで再現するため、理学療法士の指の圧を計測しながら、さまざまなモニター対象に実験を繰り返した。ある特定の圧で1日1~2分、1か月間刺激を続けると、顔のこりが解消され、スッキリとした輪郭になる。最適な圧を実現するまで検証を重ね、およそ1年の時間を要した。
発売後は女性誌をはじめ数々のメディアで取り上げられ売り上げを伸ばしている。実際に使用したユーザーからは「顔がスッキリして肌の調子がよくなった」というだけでなく、「筋肉や筋膜がほぐされることで肩こりなどの不調がなくなった」という声も集まっている。
月1回の特別なエステもいいが、時間のない現代人にとって毎日のホームケアでフェイスラインのくずれやゆがみなどを解消できるのはありがたい。
【データ】
ペンを持つようにして顔や頭を刺激し、こりをほぐす。長さ14.7cm 、直径(最大)1.4cm。カラーはブラウン。1万6800円。B-by-C 電話:03-3524-3600
※女性セブン2020年3月19日号
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