不調改善

糖質オフ×プチ断食でやせ効果アップ!?みるみる脂肪が燃えてリバウンドもしづらい

いまだ“コロナ太り”に悩む人は多い。なんとか自粛による運動不足を解消してダイエットしようとしても、ジムに入会する気にはなれないし、屋外は酷暑でジョギングも満足にできない。そもそも、”コロナ前”と比べて、特に食べすぎているわけでもない。

安全で健康的で、かつきちんと効果が得られるダイエット方法はないものか――。そう思っている人におすすめなのが、朝食を抜く「プチ断食」。さらに「糖質オフ」を心掛ければ、やせ効果が倍増するという。18kgやせた医師がそのメリットと実践方法を解説します!

糖質オフ×プチ断食が効果的な理由

ナッツや野菜、果物がテーブルに乗っている
糖質オフでは、肉、魚、卵、野菜、乳製品は基本的に食べてよい(写真/ピクスタ)
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おすすめなのが、1日のうち15~16時間、食事をとらない「プチ断食」だ。

生活習慣病の中でも特に食事療法にくわしい内科医の青木厚さんによると、「通常、人間は食事などで体に蓄えられた糖からエネルギーを作ります。食事から10時間ほど経つと糖がなくなり、代わりに脂肪が使われるようになる。これにより、ダイエット効果が期待できます」。

さらにそこから6時間経つと、体が「飢餓状態」に陥る。これにより、体がよりやせやすい状態に“目覚める”。老化の原因になる活性酸素の発生を抑える抗酸化作用や、傷ついた遺伝子の修復のほか、活動するエネルギーを生産するミトコンドリアの働きも活発になるという。

◆睡眠時間を利用すればプチ断食も無理なくできる

とはいえ、16時間も何も食べずに過ごすとなると至難の業。だが青木さんは、「睡眠時間を利用すれば、簡単に達成できる」と話す。

「1日8時間の睡眠時間をとっているなら、就寝前と起床後のそれぞれ4時間、計8時間食事しなければ、合計16時間です。早めに夕食を終えてゆっくり過ごし、朝食を食べないようにすることで、無理なくオートファジーを目覚めさせられます」

ただ朝食を抜くだけで、ダイエットも若返りも手に入るなら実践しない手はない。しかし、「朝食を食べないと力が出なくて仕事や家事に集中できない」という人も多いだろう。

◆朝食を食べなくてもエネルギーは作られる

食事療法を取り入れた痛みの治療を専門に行う医師の清水泰行さんは、自身も1年半ほどで約18kgものダイエットに成功している。そんな清水さんが、「人間の体は、本来は朝食を食べなくても、空腹を感じないようになっている」と指摘する。

「朝起きる直前になると、『コルチゾール』というホルモンが自動的に増えて、体内の脂質やたんぱく質を使ってエネルギーを作る。そのため、朝食を食べなくても体を動かせるだけのエネルギーは用意されています。

人が狩りをしていた原始時代は、当然ながら、朝起きて狩りや採集に行ってから食事をしていた。それが人間の体に合った食事なのです。“朝食をとりましょう”と推奨されるようになったのも、パンやシリアルなどを売るための企業戦略的な側面が大きいはず」(清水さん・以下同)

◆つらければ朝食を抜かなくても大丈夫

それでも、プチ断食に慣れていなかったり、どうしても朝食を食べないと調子が出ないという人は、「糖質オフ」を意識すればいい。

「糖質を摂ると血糖値が急激に上がり、『インスリン』が分泌されます。インスリンには糖を脂肪に変えて体にため込む作用があり、“肥満ホルモン”とも呼ばれます。インスリンによって細胞内に糖が取り込まれると、血糖値が急激に下がる。すると空腹感が起こり、まだ食べたものを消化しきっていないのに食べてしまう、悪循環に陥るのです」

糖質の量を減らすことでこれを断ち切り、インスリンが脂肪を作るのを抑えることができるのだ。

朝食で何を食べたらいいのか?

サラダ
写真/アフロ
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起床時は、一日の中でも特に血糖値が上がりやすい。朝から甘い菓子パンを食べたり、山盛りのご飯を食べたりすれば、1時間後くらいから血糖値が乱高下して、食欲の止まらない一日を送ることになる。

◆朝の空腹感を紛らわすには脂質を活用

朝の空腹感や物足りなさを紛らわすには、糖質ではなく、脂質の力を借りるのがいい。

「ホットコーヒーに大さじ1~2杯のバターやココナッツオイルなどを加えてかき混ぜた『バターコーヒー』は、糖質の代わりにエネルギー源となる脂質を補給でき、空腹感も和らぎます。あたためた豆乳などにココナッツオイルを入れるのも、たんぱく質と脂質の両方が摂れるのでおすすめです。ただし、砂糖は入れないように」

「しょっぱいものが食べたい」「とにかく何かおなかに入れたい」という人は、目玉焼きやゆで卵、サラダ、ヨーグルト、チーズのほか、コンビニで買えるサラダチキンなど、糖質の少ないものを選べば安心だ。

◆一日に摂取する糖質を知る

できれば、一日に摂取する糖質の上限を決めておくのがいい。

「体重60kgの健康な人なら、1日の糖質量は130gまでが理想です。1日2食に切り替えた場合、1食の糖質量は40~50g以下に抑えてください。ご飯なら、1食で茶わん3分の2(100g)くらいが目安。もちろん、体重が60kg以下なら、もう少し少ない方がいいでしょう」

やせ体質に導くたんぱく質の適量は?

低糖質オフとプチ断食の食べ方とやせる仕組みを図表化したもの
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糖質を控える一方で、糖の代わりにエネルギーになる脂質と、筋肉や皮膚、血管、血液、ホルモンなどの材料になるたんぱく質は、積極的に摂るようにしたい。不足すると、エネルギー不足によるふらつきやイライラ、筋肉量が低下することによるリバウンドの原因になるからだ。

「動物性たんぱく質を1日75~80g摂るのが理想です。肉や魚に換算すると375~400g、卵なら600~640g、豆腐なら1125~1200gにもなるので、できるだけいろいろな種類の食品からたんぱく質を摂るように心がけて。糖質の量に気をつけさえすれば、市販のプロテイン飲料などで補うのもいいでしょう」

◆時間に合わせて良質な油を選ぶ

調理に使う油は、体に炎症を起こしやすいといわれるサラダ油は避けて、良質な油を選ぶべきだ。加熱調理には、抗酸化作用が高いといわれるオリーブオイルを、サラダなどの加熱しない料理には、アマニ油やえごま油をかけるといい。エネルギー源になりやすい中鎖脂肪酸が豊富なココナッツオイルもおすすめだ。

低糖質、高たんぱく質で、良質な油を使った朝食なら、日中に激しい空腹感に襲われる心配は減る。

空腹を我慢できないときにとるべきおやつ

それでも、どうしてもおなかが空いてしまったら、おやつにナッツを食べるといい。生活習慣病のなかでも、食事療法にくわしい内科医の青木厚さんは、

◆ナッツを食べると病気のリスクが下がる説も

「素焼きで、塩や砂糖で味つけされていないものであれば、ピーナッツでもアーモンドでも、何でもかまいません。分量も気にする必要はありません。世界的に有名な医学誌には、“ナッツを食べると病気のリスクが下がり、長生きできる”という論文が掲載されています」という。

プチ断食も糖質オフも高いダイエット効果がある。この両方を組み合わせることで、より無理なく、効果的にやせることができるのだ。

糖質オフ×プチ断食を成功に導くポイント

階段を登る女性
写真/ゲッティイメージズ
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ただしこのダイエット方法は、やり方を間違えるとかえって太りやすくなる“諸刃の剣”でもある。

「プチ断食で飢餓状態になると、体は脂肪だけでなく筋肉も分解してエネルギーにしようとします。筋肉がなくなると代謝が落ちるため、脂肪を燃焼しづらい体になる。もしリバウンドしたら、落ちた筋肉の分だけ、そこに脂肪がついてしまうのです」(青木さん)

これを防ぐためには、積極的なたんぱく質の摂取と、こまめな運動が欠かせない。青木さんは、1回3~5分程度の腕立て伏せや腹筋などを、1日2回行えば充分だと言う。加えて、普段からエレベーターではなく階段を使うように心がければ、リバウンドの心配はない。

◆”糖質依存”を抜け出せば食べないストレス解消

ダイエット成功者の清水さんが言う。

「私はもともと炭水化物も甘いものも大好きで、ラーメンには必ずご飯をつけて、食後のアイスクリームが欠かせなかった。でも、1か月ほど、糖質オフと1日2食の生活を続けていたら、“糖質依存”から抜け出すことができ、食べないストレスがなくなりました。糖質オフは禁煙と同じ。依存から抜け出せれば、そんなにつらくありません」

無理なく、ゆるく続けていれば、体も心もどんどん軽くなっていくはず。

教えてくれたのは

◆清水泰行さん

新川新道整形外科病院副院長。著書に『糖質オフ×プチ断食のW効果でやせる! 不調が消える!』(主婦の友社)など。

◆青木厚さん

あおき内科 さいたま糖尿病クリニック院長。ライザップの医療監修も務める。著書に『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム)など。

※女性セブン2020年8月13日号

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