「やせれば着られるかも…」「高かったからなぁ…」「また流行が巡ってきたら…」、そんな“服の呪い”から解放されれば、クローゼットやたんすがスッキリ!
積もり積もった化石のような衣類が占領していても、整理・収納ベタ超克服術を覚えれば大丈夫。衣替え時期の今こそ、使い勝手の良い収納スペースに変えましょう。
手放せない理由と向き合い納得して手放すことが大切
「人は失うことを恐れ、物を捨てたくない生き物。そして、すき間があるとつい詰め込みたくなる傾向があるんです」と、整理収納アドバイザーの水谷妙子さん。
買うときは気軽に買うのに、なかなか捨てられず、溜まる一方の服。捨てることは“もったいない”と感じる人は多いよう。
「衣類を溜め込むと、収納の使い勝手が悪くなるだけでなく、風通しが悪くなり、服にもよくありません。“捨てる”ではなく、まずは“手放す”と考えて服や物と向き合って。その作業は少し心の痛みを伴いますが、終わった後は整理収納がグンとラクになり、服の買い方も変わりますよ!」
整理&収納の悩みを解決するQ&A
Q. 義母や友人からのプレゼントなんだか悪くて手放せません
A. ありがたく「気持ちだけ」心に保存
「好みではないいただき物は、断る勇気も必要! どうしても断れない場合は、いったんはいただいて気持ちだけ受け取り、自分の判断で手放してOK。罪悪感は必要ありません」(水谷さん・以下同)
Q. お気に入りの洋服だから、くたびれていても捨てられない
A. 「定番」の見直しで新しい服をお迎え
「着る回数が多いのはその服が“心地よい”から。『定番』服の不具合が出てきたら同様の新しい服と差し替え。むやみに服が増えませんよ」
Q. また流行がくると思うからそれまで大切にとっておきたい
A. 完全に同じ流行はやってきません!
「若い頃の服を残したままにしている人も多いのでは? でも次の流行のときには時代に合ったデザインになっているはず。思い出の服ならば写真に撮ったあと手放すか、“思い出BOX”で保管を」
Q. “不要でも捨てることができない”はどうしたらいい?
A. 誰かに“活用してもらう”意識で手放して
「捨てることに罪悪感があるなら、リサイクルの資源ごみや古着店、フリマアプリに出して手放し、誰かに役立ててもらうのも手。費用がかかりますが、古着で開発途上国の子どもたちにポリオワクチンを送ることも」
Q. 年齢や体型の変化で着られない服。でもまたいつか着たい…
A. いつか着ようは×年齢と体に服を合わせて
「気に入っている服でも、体重の増減や年齢を重ねることで着られない、似合わない服が出てくるのは当然。無理してその服を着ても落ち着かないはず。今の自分に合った服のみに厳選を」
収納力が上がる“チェックリスト”
洋服の整理をはじめる前にチェックを。たんす奥のその服「手放す?」「手放さない?」。一度も着ていない服は手放して!
□ 今シーズン着た?
□ また来年も着たい?
□ 今の自分に似合っている?
□ お手入れはラクだった?
□ リメイクしてでも持っていたい?
□ それ、棺桶まで持っていきたい?
リストにチェックが入らなかったものは、思い切ってサヨナラしましょ!
これならできる!水谷さん流“物の減らし方”
会社員時代、毎日着る服を考えるのがとても苦痛だったという水谷さん。そこで、仕事用の服のトップスは白シャツと決めることに。
「白シャツの人」と自分をブランディングすることで服を選ぶ時間も短縮できて、気持ちもラクになったそう。「なんとなく持っていた服」は手放し、服の役割を明確にすることでムダがなくなったといいます。「服を買うときも、何か基準があると選びやすいですよ」。
同じ白シャツでも、「仕事で使う正統派シャツ」、「甘めの雰囲気」、「ちょっと男性的でかっこよく」などイメージを決めて使い分けているそう。
「トップスが白と決まっているので、ボトムスは気分で色や形を選ぶだけ。朝のコーディネートがとってもラクになりました」
「レギンスはブラック、ダークグレー、グレーの3色と決めています。まんべんなく履きこなし、季節ごとに買い換えます」
ストールは印象の違うものを2~3種類持つようにしてコーディネート。新しいものをお迎えするときはじっくりと考えてから。
教えてくれたのは:整理収納アドバイザー・水谷妙子さん
無印良品で生活雑貨の商品企画やデザインを13年間務めたのち、転身。著書、監修書に『すみっコぐらしのおかたづけ』(小学館)など。
撮影/深澤慎平、菅井淳子 イラスト/とげとげ。
※女性セブン2020年11月5・12日号
●冬物衣類の収納術|アウターのケア法、ニット等のたたみ方&しまい方
●1日5分!簡単衣替え7つのコツ|衣類を”見える化”する収納でラクラク
●冬物の収納ルール5|衣装ケースにラベル、ハンガーで「見える化」等
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●冬物衣類のスマート整理術|「捨てる服」の見極めポイントは?