先の見えないこのご時世で、日々節約に励んでいるかたも少なくないでしょう。そんな今、『攻めの節約』(WAVE出版)という、節約本が話題になっています。
著者である生活コスト削減コンサルタントの生方正(うぶかた・ただし)さんは、高校卒業後に海上自衛隊に入隊。節約をしながら株式投資や不動産投資などを行い、40代で退職した際には2億円もの資産を築き上げていました。そんな“資産構築のプロ”が指南する「やってはいけない節約術」とは?
節約はリスクもハードルも低い“投資”
生方さんは、投資でお金を増やしながらも、「節約を続けていたことで、最終的に2億円もの資産を築けた」と、節約の継続性を強調します。なぜ、お金持ちになっても節約を続けることが大事なのでしょうか?
「宝くじに当たった人や高年収になったいわゆる“お金持ち”と呼ばれる人でも、増えたら増えた分、無制限にお金を使ってしまった末に破綻したケースを数多く見てきました。彼らに必要だったのは、正しい節約習慣とお金に関する知識です。毎月収入の範囲内でやりくりして、浮いたお金を貯蓄に回していたら、破綻は免れられたはずです」(生方さん・以下同)
リスクは「不要品を買ってしまうこと」のみ
そして、こう続けます。
「節約は、無駄な出費をなくし、必要としているものを安く手に入れる行為です。節約行為にリスクがあるとしたら、不要品の購入のみ。そう考えると、元本割れのリスクがある投資と比べると、節約はリスクもハードルも低い投資といえますよね」
ただし、なりふり構わず節約をすればいいというわけではありません。間違った節約をすることによって資産を減らす可能性があるからです。それでは、どんな節約が「NG」なのでしょうか? 数ある中で、特にやってはいけない節約術を2つ挙げてもらいました。
やってはいけない節約術【1】割引や無料のクーポン券を使う
「ドリンク1杯無料」などのクーポン券、よくもらいますよね。クーポン券を使うことでドリンクが割引で買えるのですから得した気持ちになるでしょう。しかし、それこそ落とし穴。
「“得するため”に、行く予定のなかった店で商品を買い、いくらかの出費が発生する。これぞ無駄遣いの極み。本末転倒です。『ポイント倍増キャンペーン』や『◯円以上で送料無料』も同様で、ポイントや送料無料に釣られて、買う予定のなかったもの、ほしくないもの、なくても生活に困らないものを買うことはお金の無駄。今すぐやめましょう」
クーポン券は「本当に必要なものを安く手に入れるため」のツールにすぎません。もらったクーポン券の対象商品が自分に必要なものでなければ、その場で捨てるか、受け取らないようにしましょう。