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「銀行にお金を預けると損する」ワケを資産2億円築いた節約のプロが教える

今や「給与は右肩下がり」で、先が見えないと嘆いている人も多い。銀行の預金残高を増やすべくコツコツと節約に励むかたも少なくないでしょう。そんな中、『攻めの節約』(WAVE出版)という節約本が話題になっています。

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銀行にお金を預けると損する!? 節約のプロが教える節約術 (Ph/photoAC)
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著者である生活コスト削減コンサルタントの生方正(うぶかた・ただし)さんは、高校卒業後に海上自衛隊に入隊。節約をしながら株式投資や不動産投資などを行い、40代で退職した際に2億円もの資産を築き上げていました。そんな“資産構築のプロ”が指南する「お金にまつわる勘違い」とは?

生方さんは、「銀行にお金を預けると、得をするどころか損をする」と言い切ります。なぜでしょうか。その理由を3つ教えていただきました。

「銀行にお金を預ければ増える」時代は終わった

まずは、「銀行に預けておけば、お金は自動的に貯まるはず」という思い込みから。

「確かに、1990年代の初めまでは、銀行の定期預金の利率は6~7%程度も珍しくありませんでした。7%の利息を複利計算すると、10年間預けると資産は約2倍になり、まさに『預けるだけで自動的に貯まっていた』時代。

ところが、バブルが崩壊した1991年以降、リーマン・ショックなど経済成長にダメージを与える出来事が重なり、日本経済は停滞。今や、定期預金に預けても、金利はよくてネット銀行で0.3%程度。メガバンクの定期預金金利は0.03%程度、普通預金に至っては0.001%、ないも同然です」(生方さん・以下同)

それどころか、目減りするリスクがあるといいます。そのリスクは以下の3つ。

「手数料」で預金が減っていくリスク

まずは、ATM時間外手数料や振込手数料などによる、預金減少リスクです。預け入れたことでつくわずかな利息(=プラス)と、手数料(=マイナス)を比較してみましょう。

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「手数料」で預金が減っていく(Ph/photoAC)
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「100万円を0.001%の普通預金に預けて得られる利息は年間100円。利息から20.315%の税金が引かれると、純粋に増えるお金は約80円。

一方で、もし提携外の金融機関から預金を引き出すと、昼間は110円、夜間は220円の手数料がかかります。仮に毎月1回、110円の手数料を支払ったら、年間で1320円です。

さらに、最近ではキャッシュカードや通帳の発行に1100円、口座残高が1万円未満で2年以上入出金していない口座は未利用口座として1320円の手数料を徴収する銀行もあります。ルールは銀行によりますが、今まで無料だったサービスが徐々に有料化される傾向になっています」

預けるなら時間外、コンビニで手数料無料のネット銀行を

つまり、普通預金で増えるお金が年間約80円なのに対し、場合によっては取られる手数料が年間1000円以上。プラスよりマイナスの方がはるかに大きいことがわかります。

こうした事態を防ぐには、「時間外手数料が無料」で、「一定回数、コンビニで引き出しても手数料がかからない」こと。そして「通帳も保持しない」といった条件をクリアするネット銀行に預けることです。

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