ジャイアントパンダといえば、日本では見られる施設が限られている貴重な動物。1972年、中国から東京・上野動物園にカンカンとランランが贈られた際は「パンダフィーバー」が巻き起こり、2時間待ちの行列になったこともありました。
それから45年経った2017年。同園にて自然交配のメスパンダ・シャンシャンが誕生し、新たなブームとなりました。2021年12月には中国に返還されることが決まっています。お別れが近いシャンシャンの成長をカレンダー『ありがとう!シャンシャン』(エムディエヌコーポレーション)をもとに振り返ります。
日本で見られるのはあと少し
上野動物園にてパンダが自然交配により出産するケースはこれまでにもありましたが、順調に成長しているのはシャンシャンが初めて。2017年6月12日に、父・リーリー(力力)と母・シンシン(真真)の間に生まれ、同年9月にシャンシャン(香香)と命名されました。名前は一般公募で決定。応募総数は史上最多の32万超だったことからも、注目度の高さがうかがえます。
現在4歳。2021年6月23日にはシンシンが双子を出産し“お姉さん”になりました。ただ、2021年12月には中国野生動物保護協会との協定により、中国に返還予定です。上野動物園で見られるのは、あと少しです。
パンダ大好きな写真家が撮影!
『ありがとう!シャンシャン』の写真を撮ったのは、高氏貴博さん。2011年に上野動物園のパンダに魅せられて以来、WEBデザイナーなどの仕事の傍らほぼ毎日上野動物園のパンダたちを撮影。ブログ「毎日パンダ」に写真をアップしています(現在は緊急事態宣言下のため観覧自粛中とのこと)。
パンダたちからもきっと顔を覚えられているに違いない(!?)高氏さんの写真は、どこか無防備に見えてとってもキュート! 日常が垣間見えると世界中のパンダファンから注目を集めています。
シャンシャンの成長をたどる
『ありがとう!シャンシャン』には、0歳から3歳までのシャンシャンが収められています。公開されて間もない2017年12月の写真は、お気に入りだという木の近くで撮った1枚です。前足をあげ、今にも木によじ登りそうな雰囲気が漂っていました。
1歳になる直前、竹を手に持ってご満悦なシャンシャンの姿も。まるでお祓いに使うおおぬさのようです。カメラに目線を向けてポーズを決めているような姿が印象的。だいぶ撮影に慣れてきたから?
かと思えば、カメラに背を向けたカットも。もふもふとした毛並みや、ぽってりとしたフォルムに目を奪われます。上野動物園に見に行っても、なかなかこちらを向いてくれないこともあり、そうした“ツンデレ”な姿がファン心をくすぐってきました。
そして2020年末に撮影された3歳のシャンシャンは、お昼寝姿。こうした優しい寝顔が多くの人の心を癒やしてきました。
直接会いづらい時期ですが…年末のお別れのときまで、シャンシャンブームはさらに盛り上がりそうです。