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債券投資で老後資金を増やすためには?ポイントをシニア投資のプロが解説

時計と現金とグラフ
50代以降におすすめの投資のポイントを具体的に紹介(Ph/Photo AC)
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年齢を重ねるにつれて、心配になる老後のお金の問題。今こそ、投資を始めてみようと思っているかたも多いのではないでしょうか? 独立系フィナンシャルアドバイザーで、シニア投資コンサルタントの西崎努さんによれば、50代以降は資産を運用・管理する「シニア投資」がおすすめだそうです。その「シニア投資」とはどんなものなのか、そして老後資金を増やすためのポイントとは? 西崎さんの著書『老後資産の一番安全な運用方法 シニア投資入門』(アスコム)から紹介しましょう。

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STEP1:初めに今後の資産計画を立てる

投資というと難しそうなイメージがありますが、きちんと手順を踏まえれば大丈夫。まずするべきことは、今後の資産計画を立てることです。

資産計画の内容は?

最初は、「手元の資金はいくらか」「月々の理想の支出はいくらか」「まとまった大きな支出がいつ、いくら発生する予定か」「投資に回していい資金はいくらか」の4つを洗い出してみましょう。すると、どの程度の利率で運用すればいいのかがわかります。

資産計画を立てれば、老後資金の”寿命”と必要額がわかる!

カレンダーと年金手帳と現金
まずは手元の資産と必要になる資産の計算を(Ph/Photo AC)
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たとえば、60歳で年金が月20万円もらえそうな人の場合、「手元に2000万円」「月々の支出は26万円」「5年後には子供の結婚資金で100万円、10年後に自宅リフォームで200万円」だとします。

この条件の場合、2000万円の貯蓄を取り崩していくと、85歳でマイナスになってしまいます。仮に90歳まで生きるとして、あと5年分の資金を作ることが、「シニア投資」の目的になります。

STEP2:シニア投資のプランニングをしよう

それでは、たとえば先ほどの例で、80歳以降の資金をなるべく安全に作るには、どうするべきでしょうか?

手をつけないお金を10年スパンで運用

「シニア投資」では、債券投資を選ぶことをおすすめしています。債券は金利と満期が決まっているので、購入する時点でどのくらいの利益が出るか決まっているんです。

たとえば60歳から69歳までは手元に1000万円を残し、残りの1000万円で年利3%の債券を購入して運用。その後70~79歳までは69歳で満期を迎えた額から500万円を投資に回し、同じく年利3%で運用すると、約400万円が増えている計算になります。これが、89歳まで使える資金になるのです。

ペンとPlanの文字を描いたボード
老後資金を貯めるプランの立て方とは?(Ph/Photo AC)
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債券は年利3%以上のものを選ぶ

最低でも年利3%を満たす債券を選ぶのがポイントです。決して数は多くはありませんが、そのときどきで売られている債券の条件を見て、よりよいものがあれば取り入れましょう。

また、シニア投資は必要分の資金を確保することが目的なので、大きなリスクを冒してそれ以上に儲ける必要はありません。

STEP3:個別銘柄の債券を注文する

シニア投資のプランができたら、あとは自身の条件に合う債券を買うだけです。債券は証券会社が中心に取り扱っています。ここでは、購入時によりよいものを選ぶためのポイントをお教えします。

配当金計算書
投資信託ではなく、条件のいい債券を選ぶのがポイント(Ph/Photo AC)
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債券を買うときのポイント

個人投資家が債券を買うとなると、既発債(すでに発行され債券市場で売買されている債権のこと)が中心になります。これらのほとんどは、「店頭取引」と呼ばれる、相対取引の形で取引されています。

ちょっと難しいように聞こえるかもしれませんが、証券会社などの金融機関で買う場合のポイントはたったひとつ、「投資信託ではなく、個別銘柄の債券で条件のいいものを見せてください」と伝えること。こう言えば、債券を組み込んだ投資信託など別の商品を強くすすめられる可能性がなくなります。個別銘柄投資は満期まで保有すれば額面金額で戻ってきますが、投資信託では価格変動リスクがあるので、これまでお話したようなメリットがあまりないんです。

伝えたあとは、担当者がそのときに売りに出されている債券をいくつか見繕ってくれるはずです。提示された債券がいいものかどうかわからない、という不安もあるかと思いますが、日本国内で販売されている債券のほとんどは、投資的確水準(リスクが低く、信用力が高いこと)の格付けです。

米ドル建ての普通社債には金利が高く信用力あるものが多い

とはいえ、販売されている債券を見比べたときに、迷うことがあるかもしれません。もし迷ったときには、利率と安全性のバランスから、米ドル建て社債が「シニア投資」にはおすすめです。

海外のお札
債券を選ぶときのポイントとは?(Ph/Photo AC)
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日本国内で発行される円建ての債券(国債)は金利が非常に低く、運用効率があまり魅力的ではありません。それよりも、金利が高く、十分な信用力を備えている米ドル建ての普通社債がおすすめです。特に、大手金融機関や事業会社が発行する債券は信用力と金利のバランスがいいですよ。ただ、外貨建て債券の場合、為替市場の変動により、円での受取額が減る可能性があるのでその点には注意が必要です。

いい債券を選ぶときの5鉄則

さらによりよい債券を選び抜くときは、5つの鉄則があります。

【1】発行体:債券を発行している国や企業が信用できるかどうか
【2】金利:元本に対してどの程度の金利がつくか。信用度の高い債券ほど金利は低くなる傾向がある
【3】償還日:満期までの期間のこと。いつ現金化する予定か
【4】通貨:どの通貨で取引するか。為替変動リスクが少ない通貨のほうが資金計画を立てやすい
【5】格付け:自分が安心できるか。不安なら「投資適格水準」が基本

これらの基準で、自分の目的と合致していれば、買うに値する債券と判断していいでしょう。もちろん、債券も投資なのでリスクがゼロではありませんが、老後資金を増やすために検討してみてはいかがでしょうか。

◆教えてくれたのは:独立系フィナンシャルアドバイザー・シニア投資コンサルタント 西崎努さん

独立系フィナンシャルアドバイザー・シニア投資コンサルタント 西崎努さん
独立系フィナンシャルアドバイザー・シニア投資コンサルタントの西崎努さん
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リーファス株式会社 代表取締役社長。2007年に日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)に入社、CFP資格も保有する全国トップセールスとして活躍し、シンガポール・ロンドンでの海外研修も経験。 帰国後は新規・既存の上場会社や不動産投資法人(REIT)の公募増資等の株式引受業務に従事する。2017年4月に独立し、リーファス株式会社を設立。金融商品の仕組みはもちろん、運用実務、大手銀行や証券会社の販売手法まで熟知したアドバイスが好評。https://refas.co.jp/

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