キッチンの広さや形にあった使い方を考える
家によって広さや形の異なるキッチン。そのため、人の家の収納をそのままマネするのはNGと、古堅さんはいいます。
作業場所と収納のアレンジ
どんなキッチンでも、作業場所は調理において絶対に必要なもの。そこをまずキープした上で、火のライン、水のラインにどれだけのものを収納できるのか考えましょう。
「自分の家のキッチンの特徴をしっかり捉えた上で、基本を当てはめていくことが必要です。例えば、火の近くがL字になっているなら、火に関係するものを集中して置いたほうがいい、というようなアレンジの仕方をする必要があります」
収納場所はパントリーだけじゃない
また、食材はキッチンになければいけない、という先入観を捨てることで、キッチンがもっと使いやすくなると言います。
「“広いパントリーがある家は便利でうらやましい”“うちはパントリーがないから収納があまりできない”と思っている人も多いですね。でも、横動きをたくさんしなくてはいけないキッチンが、いかに使いづらいかに気づいていないんです」と古堅さん。
比較的稼働率が低い食材ストックなら、例えば、玄関からキッチンやリビングに至るまでの廊下収納を使うという方法もあります。古堅さんの場合は、リビングにある稼働率の低い収納の下段をパントリー代わりにしています。
「キッチンにものが溢れていると、掃除がしづらくなって料理を作るのが億劫になります。調理のスタートラインに立つ前に片付けをしないといけないのは、とてもストレスですよね。キッチン収納は片付けることが大事なのではなく、やりたい作業をすぐ行うために、出したものがすぐ戻せる場所を作って、清潔で調理しやすい場を作ることが目的なんです」
◆教えてくれたのは:幸せ住空間セラピスト・古堅純子さん
幸せ住空間セラピスト、家事効率化支援アドバイザー。整理収納アドバイザー1級、整理収納アドバイザー2級認定講師、企業内整理収納マネージャーの資格を所持。1998年、老舗の整理収納サービス会社に入社。20年以上現場第一主義を貫き、クライアントのもとへ通う。5000軒以上の家でサービスを重ね、古堅式メソッドを確立。オンラインを含むコンサルティングやメディア出演や講演も行う。著書は累計60万部で、最新著は『「シニアのための なぜかワクワクする片づけの新常識』(朝日新聞出版)。YouTubeチャンネル「週末ビフォーアフター」は、累計1000万回再生を突破(2022年1月地点)。チャンネル登録者数6万人(2022年1月現在)。https://s-d-m.jp/talents/jyunko-furukata/