不調改善

「梅雨の不調」はなぜ起こる?天気痛ドクターが今からできる対策を解説

梅雨の体調不良の原因は汗

東洋医学では、体調不良を引き起こす湿気のことを「湿邪(しつじゃ)」と呼びます。これが体内に取り込まれて、水毒となって溜まることが不調の原因と考えられているのです。

汗をかくことで不調を改善

頭痛や関節痛といった痛みの症状のほか、食欲不振や消化不良、便秘、体のむくみ、めまい、喘息の悪化から、うつにつながるような精神的な不調まで、湿度の影響で現れる症状は枚挙にいとまがありません。

そんな不調を改善するには、体の中に溜まっている水毒を出すべく、たくさん汗をかくのがもっとも推奨できる方法です。

ヨガマットの上で汗を拭く女性
梅雨の体調不良に備えて、汗をかける体作りを(Ph/photo AC)
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湿度が高い時期は汗をかきづらい

梅雨の時期は高い湿度に加え、温度が低めで乾燥しづらいという特徴があります。つまり、皮膚の水分が蒸発しづらい気象条件ということ。梅雨に限らず、湿度の高さに起因した体調不良は、このようなときに起こります。

湿度が高くなると、自然に失われる水分量が少なくなって体に水が溜まりやすくなるので、湿度が苦手な人は汗をかきやすくなるように体を調節すればいいのです。

2週間で汗をかける体を作る

湿度に負けないためには汗をかくことが効果的なので、日頃から基礎代謝をあげるトレーニングをして、汗をかきやすい体を維持できるのが理想的ですが、毎日汗だくになるまでストイックに運動するのはしんどいもの。

でも実は、梅雨時期の湿度対策ならば、2週間あれば十分なんです。その期間だけでも体を動かすことができれば、梅雨のだるさや湿度による夏バテを乗り切れる体を作ることができます。

傘とてるてる坊主
梅雨前にやっておきたい不調対策(Ph/photo AC)
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汗をかける体づくりは梅雨前に

汗が蒸発する時の気化熱を利用して体の中にある熱を放出する、すなわち体温を下げる機能が発汗です。空気中の湿度が高ければ高いほど水分は蒸発しにくくなるので、梅雨入り前に汗をかける体を完成させるのがポイントです。

簡単に汗をかける体を作る方法

体作りの方法はいろいろありますが、ジョギングの場合は1日15~20分を2週間続けましょう。

ジョギングをする人
1日15〜20分のジョギングを2週間続けて、汗をかける体に(Ph/photo AC)
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運動するのが大変であれば、ぬるめのお風呂に15~20分浸かってじんわり体を温めてもいいですし、サウナやホットヨガであれば刺激が強い分、何回か行くだけですぐに汗をかける体になるでしょう。

一度汗をかける体になれば、毎日やる必要はありません。冬に機能が低下した汗腺を起こし、順応するために最低でも2週間かかるということです。

私は汗をかける体にすることを“冬モードから夏モードに切り替える”と称していますが、スイッチを切り替える作業は自律神経の仕事です。汗をがくことは気象病の原因でもある自律神経の乱れを整えることにつながるので、生活の質をあげるためにも少しの運動を心がけることをおすすめします。

◆教えてくれたのは:天気痛ドクター・医学博士・佐藤純さん

白衣を着た天気痛ドクターの佐藤純さん
天気痛ドクターの佐藤純さん
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日本慢性疼学会認定専門医。中部大学生命健康科学研究科教授。愛知医科大学客員教授。1983年に東海大学医学部を卒業後、名古屋大学大学院での研究、米ノースカロライナ大学での留学や名古屋大学教授を経て、2005年より愛知医科大学病院・いたみセンターで日本初の「気象病外来・天気痛外来」を開設。30年以上にわたり、気象と痛み、自律神経との関係を研究。2020年にウェザーニューズと共同開発したアプリ「天気痛予報」をリリース。メディア出演も多数。著書に『1万人を治療した天気痛ドクターが教える「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』(アスコム)など。
https://www.tenkitsu-dr.com/doctor/

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