
「大阪・関西万博」とともに、2025年の国際的なイベントして注目なのが、3年に1度のアートトリエンナーレ「瀬戸内国際芸術祭」。第6回の今回は「コロナ後初の開催で、作品も大変充実しています」と事務局 。お得な前売りチケットや見るべき作品、注意事項まで、第1回から瀬戸内国際芸術祭に訪れている旅行ジャーナリストの村田和子さんがレポートします。
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瀬戸内国際芸術祭は、瀬戸内の島々と沿岸部、全17エリアを舞台に、春、夏、秋の会期で合計107日間開催されるアートイベント。回を追うごとに海外からも多くの人が訪れ国際的にも注目を集めるイベントになっています。前回の開催は、2022年でコロナ禍だったこともあり、「待っていました!」というかたも多いのでは? 今回はイベント概要から注意点、また春会期限定開催の「瀬戸大橋エリア」を取材してきたので紹介します。
瀬戸内国際芸術祭の会期やお得なチケットは?
瀬戸内国際芸術祭は、2025年4月18日に開幕。春会期(4月18日~5月25日)、夏会期(8月1日~8月31日)、秋会期(10月3日~11月9日)の3シーズンあわせて107日間の開催です。
作品の鑑賞は、都度支払う個別料金は1回500円~、屋外展示は無料のものも多くあります。じっくり見たい人には、作品を各1回鑑賞できる3シーズン利用可能な「オールシーズンパスポート(当日5500円)」や、1シーズンのみ(例えば春会期のみ)同様に各1回鑑賞できる1シーズンパスポート(4500円)の発売もあります。

開幕前の4月17日までは、前売りがおすすめ。オールシーズンパスポートが4300円と、会期中の購入(5500円)よりも1200円もお得で、1シーズンパスポート(4500円)よりも安い!リピートしようと思っているアート好きな人は前売りが断然お得です。
購入は公式アプリ経由のデジタルチケットが引き換えの手間も不要で便利です。ただしスマホが電池切れになると利用できなくなるので、その点は注意しましょう。
春・夏・秋の会期限定エリアは優先的に訪れたい
会場も多く、1日ではまわりきれない瀬戸内国際芸術祭。「どこから回ろう?」と悩むかたも多いかと思います。まずは春・夏・秋とそれぞれのシーズンのみ限定開催されるエリアを優先して鑑賞するのが筆者的にはおすすめです。
シーズン限定エリアの作品は、その時のみ鑑賞可能なものが多く、会期中であっても他のシーズンにはクローズしているレアな作品。会期中はバスや船なども増便や臨時ルートが運行されるなどアクセスがしやすくなります。瀬戸内国際芸術祭がなければあまり足が向かない場所も多く、この機会に訪れ、新たな地域の魅力に触れてみるのもいいですよ。そうすることでアートを通じた地域活性にも繋がります。
<会期限定のエリア>
春会期:瀬戸大橋エリア
夏会期:志度・津田エリア、引田エリア
秋会期:本島、高見島、粟島、伊吹島、宇多津エリア

直島新美術館オープン!芸術祭会期外をあえて狙う手も
瀬戸内のアートといえば「直島」ですが、芸術祭開幕前も既に混雑しています。筆者が一足先に訪れた3月の平日も、インバウンドの旅行者や卒業旅行の若者で賑わい、夕方の島から帰るフェリーは満杯でした。

直島は魅力的な施設が多く知名度もあるだけに、会期中は混雑必至。時間に十分余裕を持って行動しましょう。また瀬戸内国際芸術祭のパスポートでは入場できない施設や事前予約(日時指定)が必要な施設もあります。確認を忘れないように。
■瀬戸内国際芸術祭2025 作品鑑賞パスポートについて https://benesse-artsite.jp/news/20250214-3154.html

今回訪れた「ベネッセハウス ミュージアム」は事前予約なしで鑑賞でき、チケットはヴァレーギャラリーと共通(オンライン1300円、窓口1500円。瀬戸内国際芸術祭パスポートで入場可)。作品は展示スペースにとどまらず、施設をとりまく海岸線や林の中にも点在。直島を代表する「南瓜(草間彌生)」もそのひとつです。

瀬戸内国際芸術祭の春会期終了後、2025年5月31日(土)には、直島新美術館が本村地区近くの高台に開館します。ベネッセアートサイト直島における安藤忠雄氏が設計した10番目のアート施設となる同美術館では、アジア地域のアーティストの代表作、場所にあわせて構想・制作された作品が展示されるといいます。2025年4月11日の午前10時から、オンラインでの予約受付が始まります。開館後の夏会期、秋会期は瀬戸内国際芸術祭パスポートで入場可能です。
■美術館予約について(ベネッセアートサイト直島) https://benesse-artsite.jp/general-information.html


なお直島の作品や美術館は、瀬戸内国際芸術祭の会期外でも、観ることができるものがほとんどです。混雑を避けて、閉幕後や会期シーズンの間に訪れるのも、ゆっくり鑑賞ができて筆者的にはおすすめです。混みあう時期は昼食もどうするか検討をし、熱中症対策に飲み物もしっかり補給できるように準備しましょう。

混雑状況をチェックして時間に余裕を。予定の船に乗れないことも
会期中は高速艇やフェリーなども混みあい、特に休日等の混雑日には予定の時間の船に乗れないこともあります。瀬戸内国際芸術祭のサイトでは混雑予想も掲載されていますので、できるだけ混雑する日を避け、時間に余裕を持って行動することが大切です。

徒歩では回れない、比較的大きな島は、島内の移動方法なども予め検討をしておくなどを心がけたいもの。混雑が見込まれる場合は船やバスの増便をするなどの対策もすすめられていますが、キャパシティーが限られる島旅は旅行者の意識や協力が必要です。

スムーズに鑑賞をしたい場合は、オフィシャルツアーを利用すると、チャーター船を利用して効率的に解説付きで楽しめます。