玄関にコンビニで買った傘が2本も3本もある人は「お金が貯まらない人」――。そう語るのは、生活コスト削減コンサルタントの生方正さんです。お金が貯まる人とお金が貯まらない人には日々の習慣に大きな違いがあるそうです。生方さんがこれまで多くの人にコンサルティングをしてきた経験から、その違いについて語ってくれました。
* * *
「お金持ちはコンビニの傘を買わない」ワケ
急な雨に降られたとき、お金持ちは500円のビニール傘と、デパートで売られている1万円の高級傘、どちらを買うと思いますか? お金が貯まらない人は安いコンビニのビニール傘を買い、お金持ちは高級傘を買うという話があります。
500円の出費をどう考えるか
この話の意図は、その場でビニール傘に支払う金額は500円ほどで済みますが、壊れたり忘れたりしやすいため、結局また雨の日に傘を買うことになる。つまり、トータルコストを考えたら必ずしも安いとはいえないということです。
1万円の傘のほうがコスパが高い
これに対して、骨組みがしっかりしている1万円の高級傘なら手入れをすれば長く使えるので、最終的には1万円の傘のほうがコスパが高くなる。お金が貯まる人は、目先のことだけでなくトータルコストを考えているということです。
「お金が貯まる人」と「お金が貯まらない人」の思考の違い
ところで、私がコンサルティングをしてきた経験上、お金が貯まる人は、急に雨に降られたとしても傘を買いません。彼らはどんな習慣を持っているのでしょうか。
そもそも外出する前に必ず天気予報を確認します。その日の降水確率はもちろん、気温や湿度なども把握してから出かけるのです。
お金が貯まる人は天気予報をチェックしてから外出
お金が貯まる人が天気予報をチェックするのは、天気に合わせてその日の洋服のコーディネートや靴、カバンなどを決めているからです。もし、天気が崩れると思ったら、スーツに泥はねが飛んで汚れることを考えて、撥水性の高い生地の服を選びます。
また、ジャケットやインナーにより気温に合わせて体温調整を心がけます。体調を崩してしまったら本来のパフォーマンスが出せず、仕事にも影響してしまいます。それを避けるために、彼らは体調管理を怠らないのです。
500円の出費も積み重なると山となる
お金が貯まらない人は、「必要だから買う。そんなに高いものでもない」と、繰り返してしまうのです。そして、安いモノだから電車やコンビニなどに置き忘れても取りに戻らないし、粗末に扱ってビニールが破れた、骨が折れた、などとすぐ買い直すことになります。
「コンビニの傘を年に10本買ってもトータルでだいたい5000円。1万円の傘を買うより安い」と思う人もいるかもしれません。しかし、お金が貯まらない人は、本来買う必要のない買い物を何度も繰り返して、無駄な支出を増やしているのです。
ビニール傘だけじゃない 身近に潜むムダな買い物
「携帯の充電が足りないから、コンビニでモバイルバッテリーを買う」「小腹が空いたからお菓子を買う」「交通系電子マネーのカードをなくしたから新しいものを作りなおす」など、身に覚えがある人も多いのではないでしょうか。ビニール傘しかり、生活の無駄な買い物が多くなればなるほど、「お金が貯まらない」サイクルを作りだすことになるのです。
お金が貯まる人が出かける前に天気予報を確認するのは、余分な出費を抑えることが大切だと知っているからです。たかが500円、されど500円。ビニール傘の支出をどうみるかで、今後のお金の貯まるスピードは確実に変わりますよ。
◆教えてくれたのは:生活コスト削減コンサルタント・生方正さん
うぶかた・ただし。明治大学サービス創新研究所研究員。高校卒業後に海上自衛隊に入隊。勤務の傍ら節約術を駆使しながら、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資などを行い、40代で2億円の資産を築いた。現在は生活コスト削減コンサルタントと南極講演家として、メディアで活躍中。著書に『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)、『攻めの節約』(WAVE出版)など。
構成/間野由利子