洗濯機のお手入れといえば「月に1回程度、洗濯槽クリーナーを使って槽洗浄をすればいい」と考える人は多いのではないでしょうか。家電ライターの田中真紀子さんによると、実は洗濯機は縦型・ドラム式を問わず、槽洗浄以外にも定期的にお手入れすべき箇所があるそう。また、槽洗浄の洗剤も賢く使い分けることでより洗浄効果が上がると言います。詳しく聞いてみました。
洗濯槽のカビ対策で、普段からやっておくべきことは?
そもそも、槽洗浄の前に、日常的にすべきことがあると言います。それは、「洗濯後は洗濯機のフタを開けておくこと」。
「洗濯機の槽内や裏側には多少の皮脂や洗剤が残っています。そのため、洗濯後に湿気の多い洗濯機にフタをしてしまうと、カビが繁殖する条件がそろってしまいます。放置しておくと、黒カビが洗濯物に移ってしまったり、ニオイの原因に…。
カビやニオイが気になる人はもちろん、そうでない人も、洗濯後はフタを開け、内部をしっかり乾燥させましょう。洗濯機の乾燥機能を使ったり、内側を乾いた布などで拭き上げるのがベターです」(田中さん・以下同)
乾燥させたらフタを開けっぱなしでOK?
ではカビ対策に、使っていないときにフタを開けっぱなしにしておけばいいかというと、さにあらず。
「開けっぱなしにしておくと、特に縦型の場合はホコリがはいりやすくなり、今度はホコリと湿気でカビが生えやすくなってしまいます。乾燥したら閉めておく、またはホコリもしっかり拭き上げたほうがいいですね。また、小さいお子さんがご家庭にいる場合、乾燥中は子供が近づかないように注意し、乾燥後はフタを必ず閉め、チャイルドロックを設定するようにしましょう」
洗濯槽クリーナーは酸素系洗剤と塩素系洗剤のどちらがいいの?
次は、定期的に行いたい、洗濯槽のお手入れについて。洗濯槽クリーナーとして市販されているものには、大別して酸素系洗剤と塩素系洗剤があります。同じメーカーのクリーナーでも酸素系と塩素系に分かれていて、どちらを使えばいいのか悩みますね。
田中さんは、次のように使い分けることをおすすめしています。
酸素系は黒カビに効果的、塩素系は殺菌力が強い
「酸素系は、過酸化炭酸ナトリウムによる発泡力でカビを剥がし取るため、洗うと黒いわかめのようなビロビロが浮いてきます。塩素系に比べて刺激が少ないことから、赤ちゃんがいる家庭で選ばれる傾向にあります。
一方、塩素系はカビを分解して除去するため、一見すると何も取れていないようですが、実は分解して水に溶け込んでいます。また殺菌力も強いため、しっかり落としたいなら塩素系がおすすめ。ちなみに、シャープ、日立グローバルライフソリューションズ、パナソニック、東芝ライフスタイルといった家電メーカーでも洗濯槽クリーナーを販売しており、4社とも塩素系。中身の成分も同じなので、どのメーカーの洗剤を使ってもOKです」
洗剤自動投入口もお手入れしたほうがいい?
「意外と見落としがちですが、洗剤の投入口も月1回程度、お手入れする必要があります」と、田中さん。
お手入れ方法やタイミングはメーカーによって異なるため、取扱説明書や各メーカーのHPを参照すると間違いないですが、一例を挙げると、次の通り。まず、洗剤ケースや自動投入タンクを取り外してケース(タンク)ごと水洗いします。そして乾いた布などで十分に水分を拭きとったあと、戻します。ケース(タンク)を戻す前に、本体内部の汚れも水で濡らしてよく絞った柔らかい布で拭き取るとベターです。
「お手入れを怠ると、内部で洗剤や柔軟剤が固まってしまうことも。特に長期間使わないときは要注意です。またカビ予防のために、ここのフタも開けておいたほうがいいとされていますが、同時にホコリが侵入したり、やはり洗剤が固まってしまう可能性も考慮しましょう。一度詰まるとお手入れが面倒になります」
上記お手入れをサボっていた人は、早速行いたいですね。特に、洗剤投入口の水洗いまでは、手が回らなかった人も多いのではないでしょうか。
なお、下記のようなモデルは、お手入れが軽減される機能が満載。田中さんのイチオシです。