健康・医療

「1日水2L」美容目的が深刻なむくみの原因に? 名医が警鐘を鳴らす理由とは

コップにペットボトルの水を注いでいる
「1日に水を2L飲む」という美容・健康法、実はただのむくみの原因になっている場合も(Ph/イメージマート)
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美容のために「1日に水を2L飲む」というのは、よく耳にする美容・健康法のひとつ。でも、実はこの行為、誰に対しても美容・健康法として成立するかというと、そうではないと言います。教えてくれたのは、冷えやむくみについて詳しい医師・石原新菜さん。このよかれと思って続けている美容法が深刻なむくみの原因になっているというのです。

水分は汗や尿でしっかりと出していないと溜まるだけ

よく聞く「人間の体の6割は水」という話。人間にとって水は必要不可欠であることは周知の事実で、だからこそ、水を1日にたくさん飲むというのが健康法として謳われているのも確か。でもその摂り方に注意すべきだと石原さんは言います。

「水分はとても大事なもので、必要不可欠です。そして、水分量というのは、年齢とともに変化します。生まれたての赤ちゃんは7~8割が水分で、成人女性だと5割台、成人男性が6割で、高齢者は5割ほどだと言われています。

飲料水などでとった水分は、腸から吸収され、血液などの『体液』になり全身を循環します。つまりめぐっています。ただしこのめぐりには個人差があります。いわゆるモデルさんたちは、水を1日に2L飲んでいるかもしれませんが、その分動いているのでしょう。多くのモデルさんは歩いたり、ジムに通ったりして、汗を流し、しっかりと水分をめぐらせ排出しているのです。

特に運動する習慣もなく、あまり動いていない人が水を1日に2L飲んでいては、むくみにしかなりません」(石原さん・以下同)

塩分も水も循環させることが大事!

水分補給と同時に運動など、循環させるアクションが取れているかが大事だと石原さんは言います。

ふくらはぎを両手でもんでいる手元
水をいっぱい飲んでもめぐりがよくないとむくみに(Ph/イメージマート)
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「ただ水をいっぱい飲んでも、血流がよくないとまったく意味がありません。めぐることなくただ水が溜まってむくんでいる状態になっている女性は多いと思います。女性は男性よりも代謝が悪いので、冷えやすく、同時にむくみやすいのです。ただでさえ冷えやすい女性が水をたくさん飲むことで末端の毛細血管まで血液が行き渡らなくなり、むくみを自ら深刻化させていることも少なくありません。

さらに、若いときは代謝が高いので、水をいっぱい飲んでも感じづらかったかもしれませんが、年齢とともに代謝が下がり、むくみやすくなったという人も多いはずです」

アラフィフは体に正直に「のどが渇いたら飲む」のがベスト

それではアラフィフ女性は、1日にどのくらい水を飲むべきなのでしょうか。

「もちろんその人の1日の過ごし方、運動量などにもよりますが、水分というのは、食事中の水分も含みます。なので、なにも飲料水で2Lも飲まなくても水分量は足りていることがほとんどです。なので、まずは『のどが渇いたら飲む』ということを徹底してください。体に正直にいることが大事です。できれば常温や温かい飲み物を飲むようにして冷え対策も忘れずにしましょう」

排尿の回数や尿の色で水分不足をチェック

それでは水分不足のサインはあるのでしょうか。

タイルの上にトイレの便器のオブジェが置いてある
排尿の回数や色で水分不足をチェック(Ph/イメージマート)
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「排尿の回数が減ったり、濃い色の尿が出たら、黄色信号。水分が足りていないかもしれません。少し意識して水分補給をするように心がけてください」

むくみ対策に“ちょい足し“で水分補給を楽しむのもおすすめ

ただ味のない「水」を飲むのは苦手という人に、むくみ対策や冷え対策にもなる水分補給の方法を教えてもらいました。

しょうがと、スライスされているものがならんでいる
しょうがを紅茶に入れるのもおすすめ(Ph/GettyImages)
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「体を温めるような飲み物で水分補給するのも賢いですね。しょうがを入れたしょうが紅茶にしたり、白湯にレモンの輪切りを加えたレモン湯にしたりするのもおすすめです。ただし、夜にたくさん飲んでしまうとアラフィフは特に夜中のトイレが増えてしまうので、昼間に飲むのがベターです」

◆教えてくれたのは:医師・石原新菜さん

医師・石原新菜さん
イシハラクリニック副院長の石原新菜さん
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イシハラクリニック副院長。父である石原結實氏のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書に『がんばらなくても2週間で-3kg 医者が教える奇跡の16時間断食』(宝島社)などがある。https://www.ninaishihara.com

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