湯船に浸かることで血流改善
外出するときには帽子や手袋を身に着けて、体を冷やさないようにしましょう。それでも冷え切ってしまった体は、バスタイムにしっかりと温めたい。
「湯船に浸かることで体が温まって毛細血管が広がり、血行が良くなります。また、水圧が足をマッサージしてくれます。体の表面だけではなく血管にも圧力が加わるので、ますます血液の循環が促進され、足に滞っている水分を心臓方向に戻します」
深部体温が下がるときに眠気が起きるので、就寝する1~2時間前に入浴すると、スムーズに眠ることもできます。
コロナ禍の“座りっぱなし生活”を見直そう
コロナ禍以降、動画配信サービスを長時間視聴する習慣がついた人や、在宅ワークで通勤していた頃より机に向かっている時間が伸びた人もいるかもしれません。これは、「冷えむくみ」になりやすい環境と言えます。
「長い時間、座りっぱなしでいることは、筋肉代謝が低下するだけではありません。“第二の心臓”が停止しているので血流が滞り、血管トラブルが起きやすくなります。血栓が血管の中で詰まる静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう)、肺で詰まるエコノミークラス症候群などにより、死亡リスクまで上がってしまうという研究結果もあります。
1時間おきに立ち上がるのがベストですが、画面を見ながらでもストレッチをして、座りっぱなし癖を解消していきましょう」
◆教えてくれたのは:医学博士・健康科学アドバイザー・福田千晶さん
1988年に慶應義塾大学医学部卒業。医師として東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科勤務を経て、1996年より、フリーランスの健康科学アドバイザーとしてテレビやラジオ番組への出演、執筆、講演などで活動。『そもそも血糖値ってなんですか?』『高たんぱく質レシピ151』 (ともに主婦の友社)、『危ない! 命を縮める健康法』(アントレックス)など著書・監修書多数。https://fukuda-chiaki.com/
取材・文/小山内麗香