健康・医療

被害者の多くは50代以上!「自分は大丈夫」と思っている人こそオレオレ詐欺にだまされる理由、被害を防ぐ方法を脳科学者が解説

脳によい効果が生まれる想像

西さんは「リハーサル効果」以外にも、想像をしているだけで脳にはよい効果を生むことがたくさんあると言います。

自分は若いと本気で思うと、脳も体も若くなる

ハーバード大学の研究で、70代になる8人が22年前の内装に仕上げた建物の中で、5日間共同生活するというものがあります。その建物の中は、テレビもラジオも本棚も22年前のものを置き、自身も22年前の自分になりきり、当時を現在形として話すというルールのもと暮らしたそうです。

すると、たった5日間で驚きの若返り効果があったといいます。実験に参加した8人は、手先の器用さ、姿勢、視力がよくなり、見た目が若々しく、考え方も柔軟になったのだそうです。また、髪を染めて見た目が若く見えるようにしただけで、血圧まで下がったという実験もあります。

「若作りは恥ずかしいというイメージがあるかもしれませんが、体にとっても脳にとっても、若作りはよい方向に作用します。脳内のイメージを変化させ、それによって生理反応にまで影響があり、健康状態がよりよくなるのです」

髪をとかす女性
見た目を若々しくすると脳も若返る!(Ph/photoAC)
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自分の主観年齢を若くすると、脳の老化を防ぐこともできるのだとか。韓国の研究では、主観年齢を実年齢より若いと答えた被験者は、記憶力がよく、うつ傾向も低いことがわかっているのだそうです。

ネガティブワードは「でも」で打ち消して老化を回避

「疲れた」「嫌になる」「できるわけない」などといった言葉を日ごろ何気なく使っている人は、要注意です。マイナスイメージのある言葉を使うと、その瞬間に脳が悪い影響を受けてしまうからです。

「たとえば、疲れたと言った瞬間に、人間は疲れたイメージが脳に出てきます。その結果、疲れたようなパフォーマンスをしてしまい、本当に疲れた状態になってしまうのです。実際はそこまで疲れていなくても、脳が勝手に疲れた状態を作り出してしまうことになります。思考がフリーズしやすくなる『わからない』『難しい』も、脳にマイナスの影響を与えるので、できるだけ口にしないよう注意しましょう」

ただ、ついつい言ってしまうこともあります。そんなときは、「でも」とプラスの言葉を付け加えるとよいそうです。

「疲れた」の後に、「でも頑張った」「でもその分成果が出た」「でもいい疲れだ」などと言ってみましょう。脳は文章の最後にきた情報を印象に残しやすい性質があるため、こうすればよい影響を及ぼすそうです。

◆教えてくれたのは:脳科学者(工学博士)、分子生物学者・西剛志さん

西剛志さん
脳科学者(工学博士)、分子生物学者の西剛志さん
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東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポートしている。テレビやメディアなどにも多数出演。著書シリーズは『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)をはじめとして累計17万部を突破。http://www.trdesign.jp/designer.html

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