『ギフト』『セカンドバージン』『七人の秘書』など、およそ200もの作品に携わり、72歳の今も現役で活躍しているドラマスタイリストの西ゆり子さんが、シューズブランド「VEGE」と、「着ることをもっと楽しくする靴」をテーマにコラボコレクションを発表。その展示会に来ていた西さんに直撃して、オトナ女性に向けたコーディネートのポイントについて教えてもらいました。
オトナ女性ならではのコーディネート
「VEGE」とのコラボコレクションについて「私はデザイナーではないので、あくまでコーディネートという視点でイメージを伝えて、相談しながらデザインが完成しました」と西さん。
そこで、今回ラインナップされた「スニーカー」「レースアップシューズ」「サンダル」について、おすすめのファッションアイテムとの組み合わせやオトナ女性ならではのコーディネートのポイントについてアドバイスをもらいました。
「スニーカー」「レースアップシューズ」「サンダル」に合うアイテムは?
まず、「50代くらいの女性は、ときめかないことに慣れちゃっているの。“お行儀よくすること”に慣れちゃっているから、ときには冒険をして自分の好きを全開にドキドキするものを選びましょう」と西さん。このファッションの心得を胸に、自由におしゃれを楽しむ上級者への扉を開きましょう!
スニーカーでワンピースをカジュアルアップ
カジュアルな印象が強いスニーカーですが、オトナ女性が履くなら、あえてワンピースなどの女性らしいアイテムを合わせるのが、西さんのおすすめだそうです。
「スニーカーだからとスポーティーにジーパンを履くより、ワンピースとスニーカーを組み合わせてカジュアルアップするほうが、こなれ感もあっておしゃれ度が上がります。流行のぼてっとしたいかにもスニーカーというようなデザインだとスポーティーすぎて運動靴に見えてしまいますが、このスニーカーのようなすっきりとしたシルエットのミニマルでシンプルなデザインなら、大人の女性らしさが演出できますよ」(西さん・以下同)
レースアップシューズはカジュアルスタイルの決め手
「デニムにTシャツやバミューダパンツのときは、逆にレースアップシューズやローファーのような“きちんと感のある靴”を合わせましょう。足元をかっちりとすることで、“一見カジュアルなのに侮れない”と思わせるのです。おしゃれ上級者のテクニックです」
オトナ女性としてTPOを押さえつつも自分らしく主張する。靴ならそれが簡単にできるのもメリット。ジャケットを着るとかしこまりすぎるようなシーンなどで、ポイントとして取り入れてみてもよさそうです。
「50代以降は自分がきちんと確立されていますから、もっとファッションを遊んでいいんです。自由度を広げましょうよ。今の世の中は仕事着とプライベートの差がなくなってきているし、ジャケットが好きじゃないなら、無理してお召しにならなくてもいいんです。それより、着ると気分が上がる服。しあわせな気持ちになれる服。全部好きなものを選んで着てほしいわね」
サンダルには黒ソックスが安心
サンダルを履くとき、「裸足だとちょっとカジュアルすぎる」というお悩みに答えてくれるのがソックス。でも、サンダルとソックスを合わせるのは上級者のテクニックという気もしますよね。
「ソックスはサンダルの色味に合わせて彩度や明度が同じ色を選ぶのがコツですが、色の選び方がわからないという場合は、黒いソックスを合わせればOKですよ。日本人は髪の色がダークなかたが多いので、頭と足元の色味を近くすることでバランスが安定するんです」
また、ソックスの長さについては、短、中、長と3種類持っているといいそうです。
「髪の長さに合わせてバランスをみたり、履くものに合わせて選んだり。ダボパンやジーパンだったら、スニーカーソックスでもかわいいし、ショートパンツならハイソックスくらい長くてもかわいいですよ」
◆スタイリスト・西ゆり子さん
にし・ゆりこ。スタイリスト。テレビ番組におけるスタイリストの草分け的存在で、ドラマスタイリストとしてテレビドラマと映画およそ200作品を手がける。2019年度「日本女性放送者懇談会50周年特別賞」受賞。現在は、一般個人向けに「CoCo Styling Lesson」や、無料でスタイリングの知識を得られる「着る学校」(https://www.stylingschool.org)というコミュニティも展開。近著に『ドラマスタイリスト西ゆり子の 服を変えれば、人生が変わる』(主婦と生活社)。https://www.vege-official.com/