長い社会人生活を経て学び直しに興味を持つ人や収入を増やすために資格を取得したいと考えている人もいるでしょう。そこで、自身も放送大学で勉強をしているという節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、50代女性が再就職で有利になるための学び直しについて詳しく話を聞きました。
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再就職に有利な勉強をするなら資格取得がおすすめ
学びたいことが決まっている方は、もちろんご自身の学びたいことを勉強していただくのが一番です。一方で「再就職も視野に入れたい」という方におすすめの資格もあります。
就職口の多い介護系
セカンドライフでの働き口が多いのが介護業界。老人ホームなどの施設内で働く場合は無資格でもできることはたくさんありますが、食事や着替え、入浴といった介助など利用者の体に直接触れる身体介護ができるのは有資格者のみ。国家資格である介護福祉士の資格を取得すると、資格手当が付くなど給与や待遇面で優遇されることが多く、就職や転職にも有利に働きます。
看護師、宅建士も人気の業界
看護師もセカンドライフにおける就職で人気の職業です。しかし、看護師になるためには、大学などで3年以上の教育を受けたのち、看護師国家試験に合格する必要があり、そのなかで行われる実習やレポート提出などに体力がかなり削られるといいます。体力勝負になってくると思いますが、取得すれば就職先の選択肢はかなり広がります。
同様に宅建士(宅地建物取引士)も、年齢問わず働き口が多い職業です。こちらも資格取得の難易度はかなり高いですが、年齢制限なし、学歴、実務経験がなくても受験でき、資格取得後は不動産業界や金融業界などで就職できる可能性があります。もちろん、独立開業することも可能です。
独学では厳しい場合はオンラインを利用する方法も
資格取得をしたくても、独学には限界があります。そこで活用したいのがオンラインで授業を受けることができる通信大学や教育サービスです。
全科履修生になると学割も使える放送大学
実際に私は放送大学で必要単位を取って、認定心理士の資格を取得しました。
文部科学省・総務省所管の通信制大学の放送大学は国が認可した正規の大学なので、大学卒業資格(学位)の取得はもちろん、キャリアアップや生涯学習、資格取得など、目的に応じた学び方ができます。
学費は学期ごとに履修科目分の授業料を支払うため、年次で支払う大学よりも低コストで済む場合が多いです。入学料は全科履修生の場合、2万4000円で、1科目あたりの授業料は1万1000円(2単位)(面接授業の場合は5500円(1単位))です。
ちなみに、全科履修生になると正式な大学生として学生証が発行されるので、各種学割を適用することもできます。もちろん、大学を卒業すれば学士の学位が取得できます。
無料でオンライン受講するならJMOOC
まずはお金をかけずに手軽に勉強を始めたいという場合は、一部のオプションをのぞき、基本無料で講座を受けることができるJMOOCを試してみるのもよいでしょう。JMOOCは大学や企業が提供するオンライン講座のポータルサイトで、正式名称は「日本オープンオンライン教育推進協議会」といいます。
心理学や経済学といった学問のほか、マーケティングやビジネスプランの講座など企業による提供ならではの講座も取り揃えています。560以上の講座が用意されているので、資格取得や転職に限らず、今の仕事に役立つ講座も見つけられるかもしれません。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/吉田可奈