
今年もジメジメした梅雨がやってきます。嫌なにおいやカビを発生させる原因となる湿気の対策について、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんから教えてもらいました。
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湿気が溜まりやすい場所の対策
部屋の除湿は除湿機やエアコンのドライモードで対策できますが、悪臭や思いがけないカビなどを防ぐには、湿気がこもりやすい場所にも気を配りましょう。
湿気が溜まりやすいシンク下、下駄箱、押し入れ
部屋の中で特に湿気が溜まりやすいのは、シンク下、下駄箱、押し入れです。湿気は重たく基本的に下に滞留するので、奥の両角や四隅に置き型の除湿剤を置くとよいです。押し入れにはシートタイプの除湿剤を使うのもいいでしょう。
そして、シンク下や下駄箱に物をしまうときはしっかりと乾燥させてから入れてください。脱いだ靴をそのまま下駄箱に入れると靴から蒸発した汗がこもり、においやカビ、皮や生地の劣化、型崩れの原因にもなります。

靴の汚れを落としてから丸めた新聞紙をつま先から詰めて、風通しのよい場所に一晩置くか、靴用などコンパクト型の除湿剤を靴の中に入れてからしまうようにしましょう。下駄箱も、可能な限り扉を開けて通気性をよくすると、湿気対策になります。
浴室は浴室乾燥機より扇風機
浴室も湿気が溜まりやすい場所ですが、お風呂から上がったら換気扇をまわしましょう。また、洗濯物を干すときに浴室乾燥機を使うと、ドライヤーの温風強と同程度の電力量がかかってしまいます。
電気代を節約するには、換気扇に加えて、扇風機やサーキュレーターで衣類に風を送り、乾燥させるのがおすすめです。
除湿剤+新聞紙でしっかり湿気対策
置き型の除湿剤と合わせて使いたいのが吸湿しやすい性質がある新聞紙。押し入れや下駄箱の棚に敷くことで、除湿剤だけのときよりも湿気を吸ってくれます。除湿剤を交換する際に、新聞紙も湿っているようであれば新しいものと交換しましょう。
湿気は下に溜まる性質があるため、除湿剤は押し入れや下駄箱の下の段の四隅に置くとより効果的です。

また、洗濯物を部屋干しする際に洗濯干しラックの下に敷くことで、洗濯物の乾燥を早めることもできます。
押し入れに入っている時間が長い来客用の布団なども、間に新聞紙をはさんでから収納するのがおすすめです。ただし、押し入れの底板や中段に新聞紙をそのまま敷くと、湿気の逃げ場がなく、カビの発生原因になるので、すのこを敷きましょう。

また、バッグなど、カビが生えやすいものを押し入れにしまうときにも新聞紙で包むのがおすすめです。インクの付着を避けるために、古タオルなどで包んでから新聞紙を巻きましょう。

新聞を購読しておらず、身近にもらえるところがない場合、古新聞はメルカリなどのフリマアプリで、ザラ紙とも呼ばれる新聞更紙はAmazonでも販売されています。コストを比較したうえで購入してみてはいかがでしょうか。
除湿剤はプライベートブランドなど安いものでもOK
除湿剤は有名メーカーからも販売されていますが、サイズと吸湿量は基本的に比例します。安かろう悪かろうということはあまりありませんので、同じサイズならば値段重視で購入して問題ないでしょう。私は安価で購入できる、プライベートブランドの大容量のものを使っています。

捨てる際は要注意
除湿剤を使うときは、使用後の処理に気をつけましょう。湿気取りの成分は刺激が強い塩化カルシウムなので、皮膚や目、口につくと危険なのはもちろん、衣服についたまま着用していると皮膚に異常が出る場合もあります。除湿剤に溜まった水を捨てるときも、そのまま流してしまうとシンクが傷む可能性があるので、必ず水道水を流しながら薄めて捨てましょう。
繰り返し使える除湿剤のコスパは?
竹炭や備長炭といった炭の除湿剤や、シリカゲルB型といった天日干しをすることで、繰り返し使うことができる除湿剤があります。

使い捨ての除湿剤に比べると値が張り、導入コストはかかりますが、定期的に天日干しをしたり、それ自体が調湿することで半永久的に使えるものもあります。調湿とは、湿度が高いときに湿気を取りこんで、反対に湿度が下がると湿気を吐き出して、湿度をある程度一定に保つ働きをするものです。
乾燥させたい場所や物など用途を考えながら使い分けることをおすすめします。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/吉田可奈