
夏から秋にかけて、家族や友人らとアウトドアに出かける人もいるでしょう。熱中症や虫刺されなどの対策も必要ですし、アウトドアグッズをたくさん買っても使う回数が少ないともったいないもの。そこで、身近なものでできるアウトドアでの裏技を節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに教えてもらいました。
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体を冷やすなら手のひら、ビールを冷やすならステンレス製のボウルを
バーベキューやキャンプなど屋外で長く過ごすときは、適度に体を冷やして熱中症を予防したり、冷たい飲み物を飲んで快適に過ごしたりしたいものです。そんなときに使える小技を紹介します。
暑い日は手のひらを冷やす
手のひらには、動静脈吻合(どうみゃくふんごう)という体温を調整する特殊な血管があり、この血管を冷やすことで効率的に全身の体温を下げることができます。

スポーツメーカーなどからは手を冷やすグッズも出ていますが、布巾で巻いた保冷剤を握ったり、冷たいペットボトルを握ったりするだけでもOK。動静脈吻合は足裏にもあるので、足裏を冷やしても同様の効果がありますが、冷え性のかたは様子を見ながら行いましょう。この方法は熱中症の予防にもなりますので、覚えていて損はありません。
ステンレス製のボウル、氷、水、塩で缶飲料を早く冷やす
冷やした缶ビールやジュースを切らしてしまって常温のものしかなかったり、外に出しておいてすっかりぬるくなってしまったり…。
そんなとき、ステンレス製のボウルに氷水を用意し、そこへ塩を入れてから缶飲料を冷やすと、氷水だけのときよりも早く冷たくなります。これは、「融解熱」という、ものが溶けるときに周りから熱を奪う性質を利用したもので、塩が溶けるときに熱が奪われ、氷が溶けやすくなり、氷が溶けるときにもさらに熱が奪われるので、温度がより早く下がるのです。また、熱伝導率が高いステンレスボウルを使用するのもポイントです。

アウトドアに限らず、家でビールを冷やし忘れたというときにも活用できるので、ぜひ覚えておいてください。
カバンに入れておきたいアルコール消毒液、ベビーパウダー
そのほか、家にあるものでアウトドアにも持参するといいものが、消毒用アルコールスプレーとベビーパウダーです。
虫刺され防止に足裏アルコール
夏の屋外で気になるのが虫刺され。虫除けスプレーも有効ですが、買い忘れたときや切らしてしまったとき、またわざわざ買いたくないときには、消毒用アルコールスプレーやアルコール除菌ができるウエットティシューで蚊による虫刺されを予防できます。

蚊に刺される原因は、足裏の常在菌の種類が影響していることがわかっています。虫に刺されやすい人は、虫に刺されにくい人よりも足、特に足裏の常在菌の種類が多いそうです。常在菌の種類によってアルコールに反応するものとしないものがあるそうですが、いずれにしても常在菌を除菌することで蚊に刺されにくくなるので、蚊の多い場所へ行くときは足裏を中心に足をアルコール消毒しましょう。
ベビーパウダーやワセリンを塗って靴擦れを予防
長時間歩いたり、履き慣れていないシューズなどで歩き回ったりすると、靴擦れを起こしてしまうこともあります。予防として、ベビーパウダーを足に擦り込んだり、靴の内側に当たる部分にワセリンを塗っておいたりすると、靴擦れの原因である摩擦を減らすことができます。汗や摩擦で取れてしまうので、ポーチなどに入れ、こまめに塗り直しましょう。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/吉田可奈